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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
バント&スゥルタイ・ランプ:ザルファーより来たりし2人(スタンダード)
『基本セット2021』の主役、それは今さら言うまでもなくテフェリーだ。
《時の支配者、テフェリー》の登場はさまざまな話題を生み出した。およそスタンダードで二度とお目にかかることはないと思われた、フェイズ・アウトの復活(昔に比べて今のルールはわかりやすくなったもんだ)。イラストおよびフレームの違いを含めると実に9種類の《時の支配者、テフェリー》がパックから登場する。実際に発売日には、この多種多様なテフェリーを当てたという報告がSNS上を賑わせていた。
今日はこのセットの主役を用いたデッキを紹介……する前に、もう1人。ジョルレイルについても触れておこう。彼女はテフェリーと同じドミナリア次元のジャムーラ大陸はザルファーの生まれである。テフェリーは同郷の大先輩であり、彼は一時期、宮廷魔術師としてザルファーの王に助力していた。テフェリーほどではないにしても常人離れした魔術の才能を持つジョルレイルは、そのころのテフェリーと出会った。彼女にとってテフェリーはこれまで出会った者の中で最も尊敬できる人物だった。その後、テフェリーは宮廷を離れ自身の島ごとフェイズ・アウト。ジョルレイルもムウォンヴーリーのジャングル奥深くに隠遁し……時が経ち、ケアヴェクの陰謀に巻き込まれることに。その時テフェリーが島ごと帰還した……というのが『ミラージュ』ブロックの背景ストーリーだ。
テフェリーを主役として扱うのであれば外せない人物の1人ということで、《ムウォンヴーリーの世捨て人、ジョルレイル》として彼女も『基本セット2021』に収録されている。
カードとしてもこの2枚は噛み合うように作られている。テフェリーは[+1]能力でカードを1枚引き、そして捨てる。ジョルレイルは毎ターン2枚目のカードを引くと能力が誘発、2/2の猫トークンを生成する(クロヒョウのイラストがクールだ)。つまり毎ターン、通常ドローとテフェリーでジョルレイルからトークンを生成するというシステムが完成する。
テフェリーは驚くことに対戦相手のターンにも能力を起動できるので、インスタントのドロー呪文と絡めると相手のターンにもトークンが生成できる。これらのトークンで攻撃しても良し、あるいはテフェリーを護るブロッカーとしての役目を務めさせても良い。
どうせ使うならテフェリー&ジョルレイルをタッグで使おう!ってなわけで今日はこの2枚を採用したデッキをご紹介。
2 《森》 2 《平地》 2 《島》 4 《寺院の庭》 4 《繁殖池》 4 《神聖なる泉》 3 《啓蒙の神殿》 3 《ケトリアのトライオーム》 4 《寓話の小道》 -土地(28)- 2 《ムウォンヴーリーの世捨て人、ジョルレイル》 4 《自然の怒りのタイタン、ウーロ》 2 《ハイドロイド混成体》 -クリーチャー(8)- |
4 《成長のらせん》 2 《ドビンの拒否権》 2 《空の粉砕》 4 《エルズペス、死に打ち勝つ》 3 《サメ台風》 4 《時を解す者、テフェリー》 2 《時の支配者、テフェリー》 2 《世界を揺るがす者、ニッサ》 1 《精霊龍、ウギン》 -呪文(24)- |
1 《漁る軟泥》 1 《秋の騎士》 1 《外交官、マンガラ》 4 《ガラスの棺》 1 《敬虔な命令》 1 《ドビンの拒否権》 3 《神秘の論争》 1 《覆いを割く者、ナーセット》 2 《空の粉砕》 -サイドボード(15)- |
まずは安定した強さを売りにするデッキの代表格「バント・ランプ」。そのバリエーションの1つとしてのテフェリー&ジョルレイル採用型だ。
ランプ・デッキは決め手を重いカードに頼っているので土地を伸ばす必要があり、《成長のらせん》《自然の怒りのタイタン、ウーロ》を用いる。
これらは同時にカードも引けるので、ジョルレイルの能力とも噛み合い、色も問題なくマッチしている。そんなわけで青と緑を用いるランプデッキにとって、序盤に盤面を支えつつ軽い勝ち手段にもなり得るジョルレイルは大いにウェルカムな存在。ランプの必殺技《ハイドロイド混成体》でも誘発するしね。
そのランプの中でも白を足したバント・カラーであれば、スタンダードですでに活躍中のもう一人のテフェリー《時を解す者、テフェリー》とも組み合わせることができる。
この組み合わせだけでも盤面を支配するポテンシャルがあり、もしそれぞれに除去されてしまっても墓地に落ちたそれをコストにウーロが脱出してくると考えれば大した問題ではないのである。
4 《森》 3 《島》 2 《沼》 4 《繁殖池》 1 《神秘の神殿》 4 《草むした墓》 2 《湿った墓》 4 《ゼイゴスのトライオーム》 4 《寓話の小道》 -土地(28)- 2 《樹上の草食獣》 2 《ムウォンヴーリーの世捨て人、ジョルレイル》 4 《自然の怒りのタイタン、ウーロ》 4 《ハイドロイド混成体》 -クリーチャー(12)- |
4 《成長のらせん》 2 《霊気の疾風》 3 《耕作》 2 《戦争の犠牲》 2 《サメ台風》 2 《時の支配者、テフェリー》 3 《世界を揺るがす者、ニッサ》 2 《精霊龍、ウギン》 -呪文(20)- |
1 《漁る軟泥》 2 《無情な行動》 1 《否認》 1 《害悪な掌握》 1 《萎れ》 2 《神秘の論争》 3 《絶滅の契機》 3 《思考のひずみ》 1 《戦争の犠牲》 -サイドボード(15)- |
こちらは白ではなく黒を足した「スゥルタイ・ランプ」。黒を使うメリットはパーマネントを粉々にする《戦争の犠牲》が使えること。
またクリーチャー除去も軽いピンポイントから4マナで全体と、より扱いやすいものが使用できるのも利点である。サイドボードに《思考のひずみ》というコントロールや同型への必殺の1枚があるのも大きい。
このリストでは土地を伸ばす手段として《耕作》も用いている。
土地を戦場に出すだけでなく手札にも加えられるので、次のターンにもマナを伸ばしてよりビッグなアクションを狙っていける。土地が十分に伸びた中盤から終盤でも、手札に加えた土地をテフェリーの能力で他のカードと入れ替えることでアドバンテージの獲得に繋げられるのも強く、無駄のない使い方だ。
ランプ・デッキを支える枠として今後の活躍が期待されるテフェリー&ジョルレイル。カードを引きトークンを生成する、攻めにも守りにも使えるシステムは今後も他のデッキで見かけることになりそうだ。
ランプ・デッキで使うのであれば《ムウォンヴーリーの世捨て人、ジョルレイル》のもう1つの能力のことも忘れずに。自分の手札の枚数が自分のクリーチャーの基本のパワーとタフネスになる能力。これでクリーチャーをデカくしようとすると、たとえばウーロなんかは7枚以上からサイズアップ、5枚以下ならむしろダウンしてしまうので相性が悪い。
しかし《世界を揺るがす者、ニッサ》でクリーチャー化した土地や《ハイドロイド混成体》など基本のパワー/タフネスが0/0のものとは相性抜群。
手札が1枚でもあれば、そのサイズになった上で、能力で置かれている+1/+1カウンターで強化されるので、目に見えている数字以上のダメージを弾き出す可能性も大いにある。重い起動コストも、ランプであれば問題なく支払える。
自分から無理やりこれを決めに行くというわけではないが、突然の大ダメージで勝てる瞬間があるというのは無視できないポイントなので、頭のどこかに留めておくようにしよう!
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