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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

『基本セット2021』プレビュー!

岩SHOW

 デイリー・デッキ、今回は初めての特別編。『基本セット2021』に収録されるカードを一足早くプレビューだ!

 基本セットということで過去のセットからの再録カードも自然と多くなるものだが、そんな再録カードから1枚を紹介させていただくことになった。過去に実際に使用されたデッキリストとともにそのカードを取り上げる、当コラムならではのスタイルでお披露目ってことだね。

 では引っ張ってもしょうがないので、早速リストから見ていただこう!

papado90 - 「青赤果敢ウィザード」
Magic Online Competitive Standard Constructed League 5勝0敗 / 当時のスタンダード (2018年5月16日)[MO] [ARENA]
8 《
4 《
4 《尖塔断の運河
4 《硫黄の滝
-土地(20)-

4 《ギトゥの溶岩走り
4 《損魂魔道士
2 《セイレーンの嵐鎮め
4 《呪文織りの永遠衆
3 《燃えがらの風、エイデリズ
-クリーチャー(17)-
4 《選択
4 《ショック
3 《大将軍の憤怒
4 《稲妻の一撃
4 《謎変化
4 《魔術師の稲妻
-呪文(23)-
2 《凶兆艦隊の向こう見ず
2 《ゴブリンの鎖回し
2 《呪文貫き
3 《削剥
3 《否認
3 《カーリ・ゼヴの巧技
-サイドボード(15)-
 

 これは2018年、ちょうど2年ほど前のスタンダードのデッキだ。たかが2年、されど2年。姿を見かけなくなって久しいカードたちが並んでいるね。《ギトゥの溶岩走り》《損魂魔道士》なんて一時代を築いた名カードから、シブさが光る《呪文織りの永遠衆》と個性的なクリーチャーが採用されたこのデッキは「青赤果敢ウィザード」。

 インスタントかソーサリーを唱えると全ウィザードのサイズを強化する《燃えがらの風、エイデリズ》と、上記のもともと果敢を持つコストの軽いウィザードらで殴り勝つ。そのために多数のインスタントとソーサリーを詰め込んでいる、手数で勝負する速攻デッキだ。

 《選択》《大将軍の憤怒》でドローして、《ショック》《稲妻の一撃》でクリーチャーを除去する。これらのダメージ呪文はプレイヤーの本体に撃ち込むことでライフを一気に詰めることができるのも強かった。特に《魔術師の稲妻》は1マナ3点と圧巻のコストパフォーマンスを誇ったものだ。

 で、肝心の再録されるカードはというと……ここまで触れてきたカードではない。ではどれか? 答えは……クリーチャーとして攻撃する打点でありながら、果敢の誘発にも貢献する《謎変化》だ!

//

 いや~懐かしい、激シブなカードがスタンダードに帰還するぞ。能力をテキストに起こしておこう。

あなたがクリーチャーでない呪文を唱えるたび、あなたは「ターン終了時まで、謎変化はこれの他のタイプに加えて飛行を持つ3/3のスフィンクス・クリーチャーになる。」を選んでもよい。

{2}{U}:占術1を行う。(あなたのライブラリーの一番上のカードを見る。あなたはそのカードをあなたのライブラリーの一番下に置いてもよい。)

 この青のアンコモンのエンチャントは、2マナとコストが軽く最序盤に盤面に出すことができる。そのままだと何もしないが、クリーチャーでない呪文を唱えるたびに3/3の飛行持ちクリーチャーに変化して戦闘をこなしてくれるのだ。手間はかかるが、《ショック》にオマケで3点ついてくると思えばなかなかコストパフォーマンスに優れた打点持ちである。

 また、常時クリーチャーでないというのも考え方によってはメリットだ。相手のクリーチャーに対する解答をソーサリーに頼っているデッキであれば、この《謎変化》に対処することができずに一方的にボコボコにされてしまうだろう。vsコントロールにおいてはキラーカードとも言えるのではないだろうか。地味に持っている占術能力も、長期戦にもつれ込んだ際にはドローの質を高めて勝利へと貢献してくれることだろう。

 さて、この久しぶりにスタンダードへとやってきた《謎変化》。このカードが活躍する可能性はあるだろうか。

 その他の再録カードが不明なので現行のカードとの噛み合わせの話になるが……その余地はあるんじゃないかな。現在のスタンダードでは果敢という能力を持つカードは存在しないが、青と赤にはインスタントかソーサリーを唱えた時にボーナスを得たり、非クリーチャー呪文を唱えると+1/+1カウンターが置かれるなどの果敢もどきな能力を持ったカードがいくつかある。

 それらの中でも《スプライトのドラゴン》は能力がかなり強力で、活躍が期待されているカードの1つだ。

 《謎変化》の登場は、『基本セット2021』でも非クリーチャー呪文を唱えることが勝利につながるカードが登場することを匂わせる。そういったカードや軽いインスタント&ソーサリーが増えることで《弾けるドレイク》《雷猛竜の襲撃》なんかと組み合わせたデッキが登場する……かもしれない。《雷の頂点、ヴァドロック》を使ったデッキも組みたいと思っていたし、なんだかワクワクしてきた。

 『基本セット2021』の登場でスタンダードはまた大きく変わるのか、未知のデッキが登場するのか。その辺は皆のアイディアとチャレンジ精神にかかってるんじゃないかな!

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