READING

戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

導師と弟子、心を一つに(レガシー)

岩SHOW

 カード名が日本語ならではの良い響きなものってあるよね。『イコリア:巨獣の棲処』でもなかなかカッコイイ日本語名が登場したものだが、強く印象に残る1枚を挙げるとしたら……《心を一つに》かな。

 なんかほら、ベタだけど良いよね…良い……となるのは僕だけではないはずだ。エレメンタル的なクリーチャーと人間が、互いに額を寄せ合ってまさしくその心を一つにしているアートとの相乗効果で、より心に響いてくる。

 イコリアではこのように怪物と心が繋がる人間が時折現れる。怪物と人間の、言葉を用いずとも結ばれた強い絆、意志疎通は「エルーダ」と呼ばれている。詳しくはこのカードのフレイバーテキストでウィノータが解説してくれているので確認してみるべし。

 人間クリーチャーと非人間クリーチャーの両方をコントロールしていると、このカードのコストは3マナから1マナへと大きく軽減される。カードを2枚引くというアクションを1マナで行えることはそうそうなく、うまく機能させられたらかなり強力だ。

 この心に沁みるソーサリー、君ならどんなデッキで使うだろうか。人間と非人間、無限にも近い組み合わせが思い浮かぶが……え、そんな組み合わせアリ?と驚かされたデッキを見つけたので皆にも共有しよう。レガシーのデッキなんだが、これはビジュアル的にもなんかズルくてね……。

WhiteFaces - 「エスパー・メンター」
レガシー (2020年5月19日)[MO] [ARENA]
1 《冠雪の平地
2 《冠雪の島
1 《冠雪の沼
2 《Tundra
1 《Scrubland
2 《Underground Sea
1 《Volcanic Island
4 《溢れかえる岸辺
4 《汚染された三角州
1 《カラカス

-土地(19)-

4 《悪意の大梟
2 《ヴリンの神童、ジェイス
2 《瞬唱の魔道士
4 《僧院の導師

-クリーチャー(12)-
2 《アーカムの天測儀
4 《渦まく知識
4 《思案
4 《剣を鍬に
2 《思考囲い
2 《発掘
3 《心を一つに
2 《否定の力
4 《意志の力
2 《時を解す者、テフェリー

-呪文(29)-
2 《疫病を仕組むもの
2 《虚無の呪文爆弾
1 《致命的な一押し
3 《紅蓮破
2 《トーラックへの賛歌
1 《解呪
1 《自然の詠唱
1 《基本に帰れ
1 《否定の力
1 《灰からの再興

-サイドボード(15)-
WhiteFaces氏のTwitter より引用)

 

 《悪意の大梟》と、《瞬唱の魔道士》か《ヴリンの神童、ジェイス》?

 いやまあ、それはウィザードと使い魔的な組み合わせでイメージに近い。テレパスのジェイスが梟と心を一つにってのもそれっぽい。

 問題は、このデッキのメインの勝ち筋である……《僧院の導師》。

 若き僧侶たちにジェスカイ道を叩き込むお偉いお坊さんだ。非クリーチャー呪文を唱えると弟子であるトークンが生成され、師匠も弟子も果敢持ちなのでサイズもアップ。非クリーチャー呪文を連打して数とサイズで圧倒して殴り勝つ、レガシーでも活躍歴の長い名フィニッシャーだ。

 この導師本人は人間・モンクである。そして鍛え上げられる弟子は……モンクだ。カードのアートもトークンのアートも、どう見ても人間に見えるのだが、モンクのみ。これはおそらくジェスカイ道に所属するタイプが人間以外にもエイヴンやジンなど多種族に渡ることに考慮してのデザインなのだろう。

 いずれにしても、導師は1枚で人間と非人間を戦場に用意できる、《心を一つに》と相性抜群の1枚なのである。

 デッキとしては打ち消し・クリーチャー除去・手札破壊と軽量の呪文で相手の攻め手を弾き、好き放題に暴れさせない。

 同時に《渦まく知識》《思案》などの軽量ドローでカードを引き込み、導師およびその他のクリーチャーや《時を解す者、テフェリー》を展開してゲームをこちらの優位に進めていく。

 導師が戦場に出たら、《アーカムの天測儀》などの軽量ドローをとにかく唱えて繋げて、モンクをズラリと並べる。《心を一つに》であれば手札の枚数が増えるので最高と言うほかないね。導師たちへの除去や相手の勝ち筋を《意志の力》などで無に帰して、悠々と勝ちにいこう。

 選択肢が多く、クリーチャーと非クリーチャーの両方をしっかりと使って戦うデッキなので、プレイは難しめだろう。ただ導師がバンバンとトークンを並べる動きは、一度体験すると癖になる勝利への道筋。ジェスカイ道を信じ、師匠と心を一つにすれば、勝利は自ずと手中に収められるはず。

 ここで《僧院の導師》のフレイバーテキストを確認しよう。

「不言実行。」

 強い信頼と師弟愛で結ばれれば言葉はいらない。さあ、ドローして果敢し、ジェスカイ道の神髄を見せつけろ!

  • この記事をシェアする

RANKING

NEWEST

CATEGORY

BACK NUMBER

サイト内検索