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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
アツいデッキは混ぜてみろ! ウィノータ&ウモーリ(スタンダード)
とんでもないデッキを目の当たりにした時、あなたは何を思うだろう。僕は……やられたぜチクショー!(賛辞) 自分もこんなデッキを組みたい! そんな思いに心が満たされることがしばしばある。
つい先日もそんな感情を呼び起こしてくれるリストと出会ったので、早速紹介しよう。
1 《森》 1 《島》 1 《山》 1 《平地》 2 《繁殖池》 3 《踏み鳴らされる地》 4 《寺院の庭》 1 《蒸気孔》 3 《神聖なる泉》 3 《聖なる鋳造所》 2 《ケトリアのトライオーム》 2 《ラウグリンのトライオーム》 2 《寓話の小道》 -土地(26)- 4 《樹上の草食獣》 2 《金のガチョウ》 2 《幽体の船乗り》 4 《無法の猛竜》 2 《迷い子、フブルスプ》 4 《砕骨の巨人》 4 《予見のスフィンクス》 4 《軍団のまとめ役、ウィノータ》 2 《帰還した王、ケンリス》 2 《混種の頂点、ロアレスク》 4 《裏切りの工作員》 -クリーチャー(34)- |
-呪文(0)- |
1 《集めるもの、ウモーリ》 -相棒(1)- |
どうよこのヤバさ? ベースとなっているのは《軍団のまとめ役、ウィノータ》デッキ。
ウィノータを出して人間でないクリーチャーで殴り、その能力を誘発させて《裏切りの工作員》などの人間をライブラリーから直接戦場に叩きつける、コンボ要素を持ったアグロデッキである。
以前に紹介した環境最初期のものでは《急報》などのトークンからウィノータを狙いにいくものだったが、このリストはそういったデッキから非クリーチャー呪文をカット。どうせもともとクリーチャーばかりなんだから中途半端なことはせず、その思い切りによって《集めるもの、ウモーリ》を迎え入れることにしたという、なんとも腕白な発想だ。
ウモーリが入ることで手札に来てしまった《裏切りの工作員》が唱えやすくなる。緑が足されるので《樹上の草食獣》《金のガチョウ》と1ターン目に出せて使えるマナを増やし、ウィノータを3ターン目に出せるように後押ししつつ自身も攻撃することでウィノータを誘発させる便利な面々も扱えるようになった。
そしてこのデッキのさらに特徴的な部分が《無法の猛竜》!
ミニ・ウモーリとでも言おうか、この恐竜もクリーチャーのコストを{1}減らして展開を助ける。3ターン目ウィノータという必勝パターンを後押しだ。あるいは3ターン目にウモーリを出して、4ターン目から《帰還した王、ケンリス》《混種の頂点、ロアレスク》とコストは重いが能力は強力な面々を展開して殴り勝つというプランを目指しても良い。
めちゃくちゃに組まれたようでデッキ内のカードは噛み合っており、それらがきっちりと役目を果たした時には爽快感あふれるゲームを楽しめる。
で、このデッキリストと遭遇した時にその貪欲な構成に驚くと同時に、思い出したデッキがある。環境で最初に結果を残したウモーリ・デッキのひとつである、「ティムール変容」だ。
その名の通り、キーとなるのは変容能力。《願いの頂点、イルーナ》や《恵みのスターリックス》らの変容時に誘発する能力でクリーチャーをずらずら並べてハチャメチャな戦場を作り上げる。
《両生共生体》とウモーリでコストを軽減することで可能な限り早いターンから行動していくようにサポートするのだ。
10 《森》 5 《島》 1 《山》 1 《平地》 4 《繁殖池》 4 《神秘の神殿》 2 《ケトリアのトライオーム》 1 《ラウグリンのトライオーム》 -土地(28)- 3 《樹上の草食獣》 4 《楽園のドルイド》 4 《両生共生体》 4 《渡る大角》 4 《領獣》 2 《水晶壊し》 4 《恵みのスターリックス》 4 《願いの頂点、イルーナ》 1 《帰還した王、ケンリス》 2 《裏切りの工作員》 -クリーチャー(32)- |
-呪文(0)- |
1 《集めるもの、ウモーリ》 -相棒(1)- 4 《運命を紡ぐ者》 2 《運命の神、クローティス》 2 《水晶壊し》 2 《裏切りの工作員》 4 《大食のハイドラ》 -サイドボード(14)- |
このデッキにもイルーナおよびスターリックスでめくった時の当たりクリーチャーとして《裏切りの工作員》が採用されている。いきなり出てきた工作員で相手の重要なカードを引っこ抜くのは気持ち良いもので、またケンリス王が出てきたら、その{R}の能力で全クリーチャーに速攻とトランプルを与えて突然の決着というのも楽しかった。4月の末にはこのデッキをコピーして遊びまくったものである。
これらのデッキには共通する箇所や設計思想があることが伝わっただろうか。ウモーリや2マナクリーチャーで後続のコストを軽減し、工作員やケンリス王というゴールを目指す。そのアプローチがウィノータか変容か、ただそれだけの違いである。
ここである欲求が芽生えた。だったらその2つ、混ぜりゃ良いんじゃないのか?……やってしまうのか、やってしまうのかそれをッッ!
というわけで今日は上記のデッキに敬意を込めた上でハイブリッドさせた、「ウィノータ&変容」デッキを見ていただこう。
2 《森》 2 《島》 2 《山》 1 《平地》 4 《繁殖池》 4 《踏み鳴らされる地》 2 《寺院の庭》 1 《蒸気孔》 2 《聖なる鋳造所》 2 《ケトリアのトライオーム》 2 《ラウグリンのトライオーム》 2 《寓話の小道》 -土地(26)- 2 《樹上の草食獣》 4 《無法の猛竜》 4 《両生共生体》 4 《渡る大角》 4 《軍団のまとめ役、ウィノータ》 1 《無傷のハクトス》 4 《恵みのスターリックス》 4 《願いの頂点、イルーナ》 2 《帰還した王、ケンリス》 1 《飛びかかる岸鮫》 4 《裏切りの工作員》 -クリーチャー(34)- |
-呪文(0)- |
1 《集めるもの、ウモーリ》 -相棒(1)- 2 《運命の神、クローティス》 4 《水晶壊し》 3 《変容するケラトプス》 1 《幼獣守り》 1 《光明の繁殖蛾》 2 《不和のトロスターニ》 1 《飛びかかる岸鮫》 -サイドボード(14)- |
2ターン目《無法の猛竜》はウィノータでも変容でもどちらでも強く働くように見えたので、これと《両生共生体》で軽いところが固めて大技に繋げるのが狙いだ。
猛竜やウモーリがいると変容するコストもしっかりと軽減される。この恩恵を受けて嬉しい1枚は《渡る大角》。
もともと変容コストは軽めだが、2マナ以下になれば変容しつつ別のクリーチャーを唱えるなどの動きも可能になり、そしてこれを変容した時に誘発する土地を持ってくる能力はイルーナなどさらに重い変容や工作員の素出しに繋がる。
まあ、このデッキに関して細かい説明は不要だろう。好きなカードをとにかくぶっこんで形を整えて、まだこれという完成形にはたどり着いていない……そんな感じでプレイするごとに各枚数も微調整している。回ったら気持ちがいい、そこの部分を追求したい。その一心だ。
この思いに共感するプレイヤーがいるのなら、同様のコンセプトで調整するか、あるいはまた別のベクトルで自分のやりたいことを詰め込んだデッキを作るなりしてみてほしい。このデッキの場合、黒緑のカードである《集めるもの、ウモーリ》が見えているので相手はこちらが《軍団のまとめ役、ウィノータ》を出すとは思っておらず、それが出てきた時に「…」と少し間が空くことがあるのが楽しい瞬間だ。
僕が2つのデッキからインスピレーションを得たように、この荒唐無稽なリストが誰かにつながるバトンになれば幸いだ。
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