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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
The Hammer(モダン)
最強の武器と聞いて思い浮かべるもの。おっと近代兵器、飛び道具はなしだ。ファンタジーで考えてくれよ。
……うん、大体の人は剣・刀を想像するのだろう。伝説の武器とくれば、魔法のかかった剣や名刀と相場が決まっている。でも個人的に最強は……ハンマーであってほしいんだよなぁ。
巨大な槌で盾や鎧の上からガインガインと打ち据えて叩きのめす、そんなパワータイプのハンマーキャラってのがどうしても好きになってしまうんだな。わかってもらえるだろうか、このラブ・ハンマーな気持ち。神話の世界での最強武器候補でもある、雷神トールの操るミョルニルもあらゆる生物を一撃で死に至らせる破壊力を誇り、投げても標的を外さずに命中して手元に戻ってくる、大きさを自由に変えられるなどのチートっぷり。やっぱりハンマーは最高だ!
マジックにおけるハンマーはかつて最強火力だとされた《ボガーダンの鎚》が思い浮かぶ。装備品で言えば、その修整値で見れば最強クラスの《巨像の鎚》は大きなインパクトを与えてくれたね。
クリーチャーに+10/+10を与える超巨大ハンマーは、その重さから飛行を失わせてしまうというフレイバーに富んだもの。唱えるコストは{1}と非常に軽いのだが、装備コストは{8}とむちゃ重。まあつまり、装備コストをなんとか軽減して使ってくれよな、という1枚なわけである。
スタンダードでは少々難しいかもしれないが、カードプールが拡がれば装備品を楽にクリーチャーに担がせるカードってあるものだ。今日は《巨像の鎚》を振り下ろすハンマーデッキを紹介だッ!
5 《冠雪の平地》 4 《聖なる鋳造所》 4 《感動的な眺望所》 4 《灼陽大峡谷》 4 《墨蛾の生息地》 -土地(21)- 4 《ルーンの与え手》 4 《コーの決闘者》 4 《コーの装具役》 4 《呪文滑り》 4 《石鍛冶の神秘家》 1 《速太刀の擁護者》 -クリーチャー(21)- |
4 《鋼打ちの贈り物》 4 《シガルダの助け》 4 《磁力窃盗》 4 《巨像の鎚》 2 《影槍》 -呪文(18)- |
1 《夢の巣のルールス》
-相棒(1)- 1 《ブレンタンの炉の世話人》 4 《コーの火歩き》 2 《堂々たる撤廃者》 1 《エーテル宣誓会の法学者》 3 《魂標ランタン》 1 《断片化》 1 《流刑への道》 1 《減衰球》 -サイドボード(14)- |
装備品を得意とする色と言えば白と赤、装備にまつわるカードが多数存在する中から《コーの装具役》《シガルダの助け》を用いて、これでハンマーを直接装備! ドカンと一撃叩き込むぞってなビートダウンだ。
まあこの2枚は、ハンマーが発表された時にも組み合わせたらどうかと話題にはなっていた。ただここにきてこのデッキが出現し注目されているのは、誰もが忘れていたような赤い1枚。《磁力窃盗》!
こんなカード、使われているところ見たことないぞ系のインスタントで、装備品を1つ対象のクリーチャーに装備させるという効果。カード名から、対戦相手の装備品をいきなり自分のクリーチャーに付け替えて裏をかこうという意図で作られたのだろうが、装備品のコントロール自体を奪えるわけではないので、奇襲にはなれどすぐに他のクリーチャーに付け替えられてしまって回収されてアララってなもんだから全く日の目を見ることはなかった。
ただ、自分の装備コストを踏み倒すにはこの上ない軽さとインスタントなのが魅力的! これで攻撃が通ったクリーチャーにいきなりハンマーを手渡し、叩き潰してくれようぞ!
ハンマーを受け取るクリーチャー陣も装備品との相性抜群のものを取りそろえている。中でも最強は《コーの決闘者》!
たった1マナの軽さにして、装備品を持つと二段攻撃を得るアグレッシブな能力持ち。1ターン目決闘者、2ターン目にハンマーを《シガルダの助け》か《磁力窃盗》で持たせれば……22点ッ!? 開幕ノックアウトだァァ~ッ。このイージーウィン、正直憧れる。
追加の二段攻撃役で《速太刀の擁護者》も採用し、ハンマー二度撃ちを貪欲に狙いに行く。
まあ二撃必殺じゃなくとも、純粋にパワー10を超えるクリーチャーで一発叩き込めれば十分なダメージではあるし、なんだったらハンマーを2本持たせて一撃で仕留めても良い。あるいは《墨蛾の生息地》であればハンマー装備で毒カウンターを10個以上与えられるので、そっちで決めてやるってのも良いな。
この最高のハンマータイム実現のために、上述のクリーチャーに装備させるカードと、《石鍛冶の神秘家》《鋼打ちの贈り物》の装備品サーチ2種を用いる。
ハンマー以外には《影槍》、こちらは純粋に使いやすく、装備コスト踏み倒しができなくともアタッカーたちがハッスルできるようになっている。
せっかく装備させたクリーチャーが除去されてしまっては馬鹿らしいので、それを護ってやるのも重要なことだ。《ルーンの与え手》はプロテクションを与えることでこの問題をクリアすると同時に、相手のブロッカーをすり抜ける回避手段としても攻撃的に機能する。
《呪文滑り》も除去や能力の対象をそらしてアタッカーを守護する、ありがたくいやらしいヤツで、なんだったら装備させる呪文や能力の対象をコイツに変更するというトリッキーな使い方もできる。
さまざまなケースを想定して相手は行動せざるを得なくなり、自ずと最善手ではないミスを誘発させることができるというものだ。
これらのカードを採用しつつ、同時にサイドボードには相棒である《夢の巣のルールス》が待機してるってんだから、完成度が高いデッキだ。
クリーチャーやハンマーが壊されようとも、ルールスで再利用してねじ込んでやれば良い。速攻デッキではあるが、消耗戦だって付き合ってやるよという強者の貫禄を見せつけてくれるぜ。絆魂を持つルールスにハンマーがつけられたら、殴り合いを狙うビートダウンやバーンデッキは投了するしかなくなってしまうね。
やはりハンマーは良い。筋肉のみではなく頭脳も用いて、ハンマーでの強襲をブチかませ! 今後の装備品次第では発展性もあって、実に良いデッキだと思うね。モダンを楽しむにはもってこいのデッキだろう。
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