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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
『テーロス還魂記』シーズンを振り返る その4:各種コントロール(スタンダード)
『テーロス還魂記』リリース以降のスタンダードを振り返る企画も大詰め、最後はコントロールに分類されるデッキを一挙紹介だ。
ここで改めて、コントロールとは何かを確認しておこう。オススメはこちらのコラム。コントロールの定義を初心者にも教えてくれる内容となっている。
結論から言うと、コントロール・デッキの目的は「長く生き延びること」である。打ち消しや除去、手札破壊などを用いて相手の攻めをしのぎ、生き延びることができれば攻め疲れた相手を重くカードパワーの高い1枚で打ちのめす。
ゴールをゲーム開始から遠いターンに設定しているデッキがコントロールということになるが、中には早期決着も狙えるものもある。それらをまとめて振り返ってみよう!
7 《島》 3 《平地》 4 《神聖なる泉》 4 《啓蒙の神殿》 1 《ヴァントレス城》 4 《アーデンベイル城》 1 《寓話の小道》 1 《廃墟の地》 -土地(25)- 3 《夢さらい》 -クリーチャー(3)- |
4 《海の神のお告げ》 3 《霊気の疾風》 3 《ドビンの拒否権》 2 《メレティス誕生》 3 《吸収》 2 《神秘の論争》 2 《意味の渇望》 2 《空の粉砕》 1 《薬術師の眼識》 3 《エルズペス、死に打ち勝つ》 4 《時を解す者、テフェリー》 3 《覆いを割く者、ナーセット》 -呪文(32)- |
1 《幽体の船乗り》 3 《太陽の恵みの執政官》 3 《ガラスの棺》 1 《霊気の疾風》 1 《敬虔な命令》 1 《ドビンの拒否権》 2 《拘留代理人》 1 《ヘリオッドの介入》 1 《神秘の論争》 1 《空の粉砕》 -サイドボード(15)- |
まずは伝統的なデッキである青白2色のコントロール。生き延びるという目的のためにはこの上ない1枚である《吸収》を筆頭に、各種打ち消し呪文で相手の行動を阻害し、展開してきたクリーチャーは《空の粉砕》で大掃除。
《意味の渇望》や《覆いを割く者、ナーセット》で手札のアドバンテージを得て、相手との物量差を生み出して勝利へと向かう。
このデッキは『テーロス還魂記』により大きく強化された。使いやすいドロー操作である《海の神のお告げ》、生き延びて未来に繋ぐための《メレティス誕生》、超万能除去でありナーセットや《時を解す者、テフェリー》使いまわす《エルズペス、死に打ち勝つ》など。
挙げていけばキリがないが、最大の補強はやはり《夢さらい》であろう。
高打点とカードとライフの供給を併せ持ち、攻撃するたびにこちらは敗北から遠のき、相手は近づいていく。このハイスペックに加えて除去耐性まで併せ持っており、ライフを減らして勝つことを狙うデッキにとってはまさしく青白い悪魔。
最近ではメインからエンチャントが多いことを活かすために、《太陽の恵みの執政官》とフィニッシャー枠を兼用しているリストも見かけるようになってきた。
8 《島》 7 《平地》 4 《神聖なる泉》 2 《啓蒙の神殿》 1 《ヴァントレス城》 4 《寓話の小道》 -土地(26)- 4 《魅力的な王子》 4 《迷い子、フブルスプ》 3 《魅了された者、アリリオス》 3 《拘留代理人》 2 《厚かましい借り手》 4 《深海住まいのタッサ》 1 《暁の騎兵》 2 《夢さらい》 3 《裏切りの工作員》 -クリーチャー(26)- |
2 《エルズペス、死に打ち勝つ》 2 《時の一掃》 4 《時を解す者、テフェリー》 -呪文(8)- |
4 《敬虔な命令》 4 《ドビンの拒否権》 2 《霊気の疾風》 4 《神秘の論争》 1 《ヘリオッドの介入》 -サイドボード(15)- |
同じ青白のコントロールでも、クリーチャーに頼った全くベクトルの異なるデッキも存在する。《深海住まいのタッサ》のクリーチャーを一時的に追放し戦場に戻す、通称ブリンク能力でクリーチャーを出入りさせ、戦場に出た際に誘発する能力を何度も使いまわして得をしようというデッキである。
ドロー、占術、ライフ回復、パーマネント追放などなんでもござれで、これらを駆使して生き延びて最終目標である《裏切りの工作員》による毎ターンパーマネント奪取という悪夢のような光景を目指す。
MagicFest Online予選を勝ち抜いたこのリストでは《魅了された者、アリリオス》が採用されているのが特徴。
反射トークンで相手の攻撃を受け止めつつ、アリリオス本人をタッサや《魅力的な王子》でブリンクすることで尽きることのない3/2軍団を量産可能だ。
2 《島》 2 《山》 1 《平地》 4 《蒸気孔》 3 《天啓の神殿》 4 《神聖なる泉》 3 《聖なる鋳造所》 3 《凱旋の神殿》 2 《ヴァントレス城》 3 《寓話の小道》 -土地(27)- 4 《砕骨の巨人》 4 《予見のスフィンクス》 4 《炎の騎兵》 3 《帰還した王、ケンリス》 2 《風の騎兵》 -クリーチャー(17)- |
2 《霊気の疾風》 1 《解呪》 3 《轟音のクラリオン》 4 《創案の火》 2 《エルズペス、死に打ち勝つ》 4 《時を解す者、テフェリー》 -呪文(16)- |
2 《義賊》 2 《徴税人》 3 《軍勢の戦親分》 1 《夢さらい》 2 《敬虔な命令》 1 《霊気の疾風》 1 《解呪》 2 《神秘の論争》 1 《エルズペス、死に打ち勝つ》 -サイドボード(15)- |
先に挙げたような伝統的なコントロールもあれば、新時代に突入しコンボ的な要素で一気に勝ちに来るデッキもいるのが現代のスタンダード。
「ジェスカイ・ファイアーズ」は《創案の火》から《炎の騎兵》や《帰還した王、ケンリス》をマナを払わずに繰り出し、余ったマナで速攻を付与する能力を起動。一気に攻撃してライフに致命的な損傷を与える爆発力を伴ったデッキだ。
《創案の火》を設置して強力な5マナ圏のクリーチャーたちを展開するまで、序盤は《轟音のクラリオン》《時を解す者、テフェリー》などで相手の展開を妨害する。
《予見のスフィンクス》はマリガン基準を緩和するとともに、《創案の火》が置けない状況でも毎ターン占術でドロー調整しつつ4/4飛行の高スペックで攻防を担うナイスカード。
《霊気の疾風》は赤と緑のカードへの対抗手段としてだけでなく、自分の《創案の火》を戦場からどけることで1ターンに複数のアクションを取るというケースも稀にある。
1 《沼》 4 《湿った墓》 4 《欺瞞の神殿》 4 《神無き祭殿》 3 《静寂の神殿》 4 《神聖なる泉》 2 《蒸気孔》 4 《次元間の標》 -土地(26)- 4 《半真実の神託者、アトリス》 -クリーチャー(4)- |
1 《強迫》 4 《思考消去》 2 《苦悶の悔恨》 1 《古呪》 3 《ケイヤの誓い》 2 《肉儀場の叫び》 3 《エルズペス、死に打ち勝つ》 4 《覆いを割く者、ナーセット》 4 《時を解す者、テフェリー》 4 《龍神、ニコル・ボーラス》 2 《戦慄衆の将軍、リリアナ》 -呪文(30)- |
2 《第1管区の勇士》 3 《見栄え損ない》 3 《敬虔な命令》 2 《灯の燼滅》 2 《肉儀場の叫び》 2 《煤の儀式》 1 《戦慄衆の指揮》 -サイドボード(15)- |
環境最終盤で突然その姿を表舞台に表した謎の4色コントロールも紹介しておこう。黒の手札破壊を主体に、青を足すことでアドバンテージ獲得能力を、白を足すことでパーマネント除去能力を上昇させている。
計14枚も採用されているプレインズウォーカーが特徴であり、赤は《龍神、ニコル・ボーラス》のためのみに用いる。
クリーチャーもプレインズウォーカーも破壊でき、他のプレインズウォーカーの起動型能力も得る龍神。3色で扱いにくいが、いざ使ってみればその強さ、楽しさは一級品。相手の盤面を壊滅させたら最後は[-8]能力で敗北を与えよう。《次元間の標》がこの無茶に見える構成を肯定してくれている。
また、影の主役は《半真実の神託者、アトリス》であることにも注目。
4マナで往々にして手札が増えることになり、クリーチャーとして戦闘も行える万能っぷり。対戦相手にカードを分けさせるのは時に判断ミスを招くこともある。使われる側は、内容も質も両方で得することだけは起こらないように分けることを心がけよう。今後もコントロール寄りのデッキで使われる便利なクリーチャーになりそうである。
『イコリア:巨獣の棲処』では、コストが重くともそれを唱えることに成功した暁には大いなる見返りを期待できる、そんな巨大なクリーチャーが登場しそうな予感。生き延びて巨獣に繋ぐ、そんな方向にコントロールが進化していくかもしれない。
新環境初期は対策すべき相手が絞り切れずに結果を残せないということが多いコントロール。尻上がりでグングン上昇してくるのか、それとも現時点で完成度の高い「ジェスカイ・ファイアーズ」開幕当初からブイブイいわせるのか、動向を追っていきたいところ。
というわけで現スタンダードで活躍するデッキを紹介するシリーズはこれにて終了。来週からは『イコリア』の新カードを用いたデッキ案なんかも紹介していきたいので、今後もよろしくね!
明日は通常回になるが、デッキは通常という概念からは遠いものになっている。お楽しみに。
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