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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

『テーロス還魂記』シーズンを振り返る その2:青緑系のデッキ(スタンダード)

岩SHOW

 『テーロス還魂記』を振り返るにあたって、外すことのできない1枚となると《自然の怒りのタイタン、ウーロ》になることだろう。

 このカード、前評判から多くのプレイヤーによってとても高く評価されていたのだが……その上がり切ったハードルを軽く超えてきたなぁ。3マナでとりあえず回復しつつドローして土地を置く、という動きの強さ。そして脱出コストが思っていたよりも簡単に払えて戦場に戻ってきて、殴り出したらもうお祭りである。

 このウーロはデッキの主役にしても良いが、色も合ってるしとりあえず入れとくかくらいの感覚でも十分期待に応える働きを見せるため、ありとあらゆるところでその姿を見かけることとなった。

 というわけで、本日はウーロにより爆発的に増えた青緑系のデッキを紹介だ!

Ivan Floch - 「バント・ミッドレンジ」
MagicFest Online Weekly Championship 2020年3月28~29日 トップ8 / スタンダード[MO] [ARENA]
2 《
2 《平地
2 《
4 《寺院の庭
2 《豊潤の神殿
4 《繁殖池
2 《神秘の神殿
4 《神聖なる泉
3 《啓蒙の神殿
4 《寓話の小道
-土地(29)-

4 《自然の怒りのタイタン、ウーロ
2 《夢さらい
2 《ハイドロイド混成体
-クリーチャー(8)-
4 《成長のらせん
2 《霊気の疾風
1 《神秘の論争
2 《空の粉砕
4 《エルズペス、死に打ち勝つ
4 《時を解す者、テフェリー
2 《伝承の収集者、タミヨウ
4 《世界を揺るがす者、ニッサ
-呪文(23)-
1 《狼の友、トルシミール
2 《裏切りの工作員
4 《敬虔な命令
2 《霊気の疾風
1 《ドビンの拒否権
1 《ガラスの棺
2 《神秘の論争
1 《空の粉砕
1 《覆いを割く者、ナーセット
-サイドボード(15)-
ChannelFireball より引用)
 

 とりあえずウーロの代名詞的なデッキ、緑白青のバントカラーのランプ。《成長のらせん》とウーロで土地を伸ばして、1ターン早く《世界を揺るがす者、ニッサ》を繰り出して土地をクリーチャー化させてライフを攻めつつ、爆発的に増えたマナであれやこれやとワルいことをするデッキである。

 横並びデッキに対して《空の粉砕》でリセットし、インスタントの妨害を擁する相手には《時を解す者、テフェリー》で蓋をするのが白を含んだこのタイプの強み。

 あとはアドバンテージの化身、伝家の宝刀《エルズペス、死に打ち勝つ》が使えるのがたまらないね。

 相手のウーロに対する解答でもあり、処理されてしまいがちなテフェリーとニッサを戦場へ舞い戻らせる。

 《伝承の収集者、タミヨウ》でこれらのカードを使いまわしつつ、能力で墓地にカードを落とせるのでウーロの餌も確保だ。

 ウーロと《夢さらい》の「殴り出したら手札とライフ差が拡がっていくコンビ」で圧倒せよ。

VTCLA -「ティムール・荒野の再生」
Magic Online Standard Challenge #12117273 10位 / スタンダード (2020年3月28日)[MO] [ARENA]
2 《
2 《
1 《
4 《繁殖池
2 《神秘の神殿
4 《踏み鳴らされる地
1 《奔放の神殿
4 《蒸気孔
2 《天啓の神殿
3 《ヴァントレス城
4 《寓話の小道
-土地(29)-

3 《自然の怒りのタイタン、ウーロ
1 《厚かましい借り手
-クリーチャー(4)-
4 《選択
4 《成長のらせん
2 《霊気の疾風
1 《焦熱の竜火
1 《神秘の論争
4 《荒野の再生
2 《薬術師の眼識
2 《嵐の怒り
3 《タッサの介入
4 《発展 // 発破
-呪文(27)-
2 《水底のクラーケン
3 《焦熱の竜火
2 《霊気の疾風
2 《丸焼き
2 《否認
1 《ナーセットの逆転
3 《神秘の論争
-サイドボード(15)-
 

 こちらもとりあえずウーロデッキと言える緑青赤、ティムールカラーの《荒野の再生》デッキ。

 土地が伸びたところで再生をセットし、あふれ出るマナから《発展 // 発破》の《発破》を撃ち込んで除去なりライフ削りなりしつつドロー。再生を重ね貼ったら対戦相手本体に二桁ダメージの《発破》でフィニッシュ!

 メインでウーロを脱出させつつ、ターンエンドに再生で土地を起こして《タッサの介入》などを構えるという動きが強い。

 《発破》で勝てないケースに陥ってもウーロで殴り勝てるという別ルートがあるのは頼もしい限り。

 このデッキには最近、亜種が現れた。

Marco Della Corte - 「ティムール・荒野の再生(フラッシュ型)」
MagicFest Online Daily Qualifier 2020年3月30日 6勝0敗 / スタンダード[MO] [ARENA]
2 《
2 《
1 《
4 《繁殖池
3 《神秘の神殿
4 《踏み鳴らされる地
4 《蒸気孔
1 《天啓の神殿
2 《ヴァントレス城
3 《寓話の小道
2 《爆発域
-土地(28)-

3 《自然の怒りのタイタン、ウーロ
2 《厚かましい借り手
4 《夜群れの伏兵
-クリーチャー(9)-
4 《成長のらせん
2 《否認
2 《焦熱の竜火
4 《神秘の論争
4 《荒野の再生
1 《薬術師の眼識
2 《タッサの介入
4 《発展 // 発破
-呪文(23)-
2 《エンバレスの盾割り
2 《砕骨の巨人
1 《ハイドロイド混成体
4 《霊気の疾風
2 《軽蔑的な一撃
1 《否認
2 《焦熱の竜火
1 《丸焼き
-サイドボード(15)-
ChannelFireball より引用)
 

 再生発破コンボを搭載しつつも、そちらがメインと言うよりは《夜群れの伏兵》で殴り倒すプランを重視した「シミック・フラッシュ」とのハイブリッドと呼べる形だ。

 メインに《神秘の論争》4枚など、打ち消しが多めで青いデッキ・重めなデッキを狩るという意識が強い。デッキを動かす潤滑油として用いられるウーロは、消耗戦の末に打ち消しとドロー呪文などを食って戦場に現れる。

Mark Jacobson - 「スゥルタイ脱出」
MagicFest Online Weekly Championship 2020年3月28~29日 優勝 / スタンダード[MO] [ARENA]
2 《
3 《
2 《
4 《草むした墓
3 《疾病の神殿
4 《湿った墓
4 《繁殖池
3 《神秘の神殿
4 《寓話の小道
-土地(29)-

4 《自然の怒りのタイタン、ウーロ
2 《鎖を解かれしもの、ポルクラノス
4 《茨の騎兵
4 《ハイドロイド混成体
-クリーチャー(14)-
4 《成長のらせん
4 《思考消去
3 《霊気の疾風
3 《戦争の犠牲
3 《世界を揺るがす者、ニッサ
-呪文(17)-
2 《見栄え損ない
2 《壮大な破滅
1 《霊気の疾風
1 《軽蔑的な一撃
1 《否認
2 《神秘の論争
1 《肉儀場の叫び
3 《煤の儀式
1 《思考のひずみ
1 《ゴルガリの女王、ヴラスカ
-サイドボード(15)-
ChannelFireball より引用)
 

 こちらは他のリストで便利屋として採用されているウーロを、主役としてしっかり脱出させることを視野に入れた黒緑青、スゥルタイカラーの脱出デッキだ。

 ウーロにとっての盟友である《茨の騎兵》で土地を伸ばしつつ墓地を肥やし、脱出を熱烈にサポート。

 ウーロ以外に脱出枠として《鎖を解かれしもの、ポルクラノス》も採用。

 よりデカいサイズに加え、クリーチャーを薙ぎ倒す能力もまた魅力的で、どちらのクリーチャーを脱出させるのか状況を見て判断していきたいところ。

 黒が入るので緑黒のリーサルウェポン《戦争の犠牲》がパーマネントを文字通り粉砕し、有利な状況をひっくり返させない。

 どちらかといえばマイナー寄りではあったが、強豪プレイヤーたちが用いたことで浸透し、環境最終盤にしてその数を増やしてきた。

 『イコリア:巨獣の棲処』の名の通り、ヘビー級のクリーチャーがやってくることは明らかだ。ウーロやその他緑絡みのカードは使えるマナを増やす能力に長けているので、次の環境でもこれらのカラーリングのデッキを目にする機会は多いかもしれない。巨獣とタイタンが並び立つ、黙示録のような光景が見られるのを楽しみに待ちたいところだ。

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