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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

むかつきコンボ:君はデモコンデスを知っているか(モダン)

岩SHOW

 「デモコンデス」というマジック用語がある。正確には「あった」と言った方がいいかもしれない。デモコンとは《Demonic Consultation》の略である。

 ちょっと古いカードなので、最新のテキストを確認するところからいこう。{B}のインスタントで、

カード名を1つ選ぶ。あなたのライブラリーのカードを上から6枚追放する。その後、選ばれた名前のカードが公開されるまで、あなたのライブラリーの一番上のカードを公開し続ける。そのカードをあなたの手札に加え、これにより公開された他のすべてのカードを追放する。(編注:日本語テキストは仮訳です)

 カード名を指定してそれを手札に加える。手札の枚数が増えるわけではないが、いつ何時、どんなカードタイプでも探して手札に加えられる。それをたった1マナで行えるのは破格と言うほかない。ヴィンテージで制限カード、レガシーで禁止カードに指定されているほどの超強力サーチカードである。

 ただしデメリットがあって、カードを探す前にライブラリーの上から6枚が追放される。可能性としては高くはないのだが、指定したカードがすべてこの6枚の中に含まれていた場合。ライブラリーから指定したカードが出てくるまで追放され続け、そして指定したカードが出てくることはない。ライブラリーがすべて追放されてしまい、そこでジ・エンド。得られるものが何もなく、次のドローがやってくればカードが引けないので敗北となる。これがデモコンによる死、デモコンデスだ。

 デモコンデスの危険性ははらむものの、そもそも強すぎたデモコン。これを調整したものが《大霊堂の戦利品》。

 こちらは開幕に6枚追放のようなことはせず、指定したカードがなくなってしまうというアクシデントは起こらない。ただ、そのカードがめくれるまでの間、カードを追放し続けてその後その枚数分だけライフを失ってしまう。残りライフが10の時点で、指定したカードが上から10枚以内に見つからなければその時点でアウトってわけだ。カードは見つかるかもしれないが、初代デモコンよりも死にやすくなっているあたりよくできている。

 なぜ、今さら「デモコンデス」のような古い言い回しを紹介したのかというと、何でも最近このデモコンデスを自分から狙っていくデッキが流行っているみたいだからだ。自滅するデッキ? そう、自らすべてを放棄した先に勝利がある、そんな哲学的なゴールを目指すデッキだ。言うなればデモコン・セルフデス! 敗北を越えたその先に踏み込め!

Misterkle - 「むかつきコンボ」
Magic Online Modern Preliminary #12110969 4勝1敗 / モダン (2020年3月24日)[MO] [ARENA]
1 《
1 《
3 《闇滑りの岸
2 《欺瞞の神殿
3 《金属海の沿岸
2 《啓蒙の神殿
4 《真鍮の都
4 《宝石鉱山
-土地(20)-

4 《タッサの神託者
4 《猿人の指導霊
-クリーチャー(8)-
4 《睡蓮の花
2 《否定の契約
4 《天使の嗜み
4 《血清の幻視
4 《大霊堂の戦利品
4 《五元のプリズム
4 《ファイレクシアの非生
1 《稲妻の嵐
4 《むかつき
1 《時を解す者、テフェリー
-呪文(32)-
1 《否定の契約
4 《夏の帳
2 《流刑への道
2 《思考囲い
1 《強迫
1 《残響する真実
1 《バントゥ最後の算段
2 《摩耗+損耗
1 《時を解す者、テフェリー
-サイドボード(15)-
 

 これはモダンの「むかつき」コンボだ。その名の通りキーカードは《むかつき》。

 このカードはライブラリーの上からカードを公開していって、めくれたカードの点数で見たマナ・コストの合計分のライフを失うという、ギャンブル性の強いインスタントだ。

 これは好きなタイミングで止められるのだが、このデッキはノンストップで行く。《天使の嗜み》でこのターンゲームに敗北しないようにしてから取り掛かるのだ。

 こうして一種のチート状態でライブラリーをすべて引き切ってから《研究室の偏執狂》を出してドロー呪文を唱え、勝利条件を満たすのである。この勝ち方、今ではもっと簡単になった。偏執狂ではなく《タッサの神託者》に置き換えることで、ドロー呪文を唱える手間がなくなったのである。

 ここまで書けばもうおわかりのことかと思うが、この《タッサの神託者》のおかげでデモコンデスにも意味が生じたのである。《天使の嗜み》か《ファイレクシアの非生》でライフが0以下になっても敗北しないようにしてから《大霊堂の戦利品》を唱える。指定するカードは……なんでもいいが、デッキに入っていないカードを指定しよう。《タルモゴイフ》と言えばそれが公開されるまでめくり続けることになり、結果入っていないのでライブラリーが空になる。その後、続けて神託者を出し、その能力でライブラリーが0なので勝利と相成るってわけだ。

 《むかつき》と併せることで8枚体制となり、より軽いコストでコンボが成立するために強化された。戦闘とかは行わずに勝ちたいタイプのプレイヤーにとっては理想的なデッキのひとつだろう。

 序盤は《睡蓮の花》を待機させたり《五元のプリズム》を設置したりとマナを準備し、《血清の幻視》で手札を整える。

 戦利品 or むかつきから1枚、嗜み or 非生から1枚と、それらを唱えるマナが揃ったらコンボ始動だ。

 《むかつき》からライブラリーを引き切る場合、《稲妻の嵐》で勝利するルートもある。

 このインスタントは手札から土地カードを捨てることでそのダメージを上昇させることが可能で、ライブラリーを引き切ることで大量に得た土地をこれに注ぎ込んで致死ダメージを叩き出すのである。この火力を上昇させる能力は誰でも使用可能で、ダメージだけでなく対象を変更するという効果もあるので、調子に乗って土地を全部捨ててしまって返り討ちに合わないように(笑)。

 《猿人の指導霊》からマナを得て唱えられる点が手軽で優れており、神託者か稲妻かどちらで勝利するかはその時の状況によって判断して行おう。神託者ルートが不成立でも二の矢としてそのまま動ける可能性があるというのもありがたいね。

 現代に蘇った、良い意味のデモコンデス。デスと言いながら死なないその詐欺っぷりにツッコミを入れながら、楽しくプレイしてほしいデッキである。最新のデッキを紹介すると同時に《Demonic Consultation》という古のヤバいカードの話もできる、マジックってのはつくづく良いコンテンツだよなと再認識した次第だ。それじゃあまた来週。

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