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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
絡み合うエレメンタルのシナジー(モダン)
すごい角度で勝負を仕掛けてくるデッキを紹介する1週間、早くも3回目の今日はモダンのデッキを取り上げよう。
先に断っておくが、前々回、前回のデッキのようなワンアクションが即勝利へとつながるような類のデッキではない。コンボというよりは、ビートダウンの側面が強いデッキだ。
ただ、カードたちの結びつき。いわゆる「シナジー」が色濃く、時にコンボと呼べるようなビッグアクションにまで発展する……そんな爆発力を秘めたデッキであることは保証しよう。例えばたった2マナから計7点のダメージと手札2枚を捨てさせる、なんてことができたらそれはもう勝負を決める一撃と言っても良いんじゃないのか?
さあ、どんなカードの組み合わせなのか気になったところで、リストを拝んでみようじゃないか。
1 《平地》 1 《山》 4 《原初の彼方》 4 《魂の洞窟》 4 《手付かずの領土》 4 《古代の聖塔》 1 《灼陽大峡谷》 1 《焦熱島嶼域》 -土地(20)- 4 《炎族の先触れ》 4 《幻影の像》 4 《雷族の呼び覚まし》 4 《不確定な船乗り》 3 《復活の声》 1 《煙束ね》 4 《稲妻の骨精霊》 4 《発現する浅瀬》 4 《夕暮れヒバリ》 1 《ちらつき鬼火》 1 《乱動の座、オムナス》 1 《叫び大口》 1 《恨み唸り》 -クリーチャー(36)- |
4 《霊気の薬瓶》 -呪文(4)- |
1 《林間の癒し手》 2 《溜め込み屋のアウフ》 1 《大爆発の魔道士》 1 《薄れ馬》 1 《鋳塊かじり》 1 《叫び大口》 2 《減衰球》 2 《四肢切断》 4 《虚空の杯》 -サイドボード(15)- |
クリーチャー、怒涛の36枚! エレメンタルで統一された部族デッキである。エレメンタルも割と古くから部族シナジーを持ったカードが作られており、モダンともなればそのバリエーションは豊富に。
そんな中から選択肢を絞り切らずに、極力全部入れちゃえと組まれた感のある5色デッキであるが、これが成立する土地の強さにまず注目だ。
エレメンタル専用5色土地である《原初の彼方》をはじめ、部族デッキのお供である《魂の洞窟》《手付かずの領土》、クリーチャーのみのデッキであればデメリットもない《古代の聖塔》と、色マナでトラブることは全くないように固められている。
これとメインデッキ唯一の非クリーチャー呪文《霊気の薬瓶》で、事故ることなく5色のエレメンタルたちを展開していけるのだ。
このデッキの中心と言えるカードは2つ。《雷族の呼び覚まし》と《夕暮れヒバリ》だ。
どちらも墓地からクリーチャーを戦場に戻す能力を持っている。これを利用して死亡したエレメンタルを使いまわそうってわけで、その回収したいカードの中でも最たるものが《稲妻の骨精霊》!
パワー6にトランプルと速攻と攻撃性極まるスペックに、対戦相手にダメージを与えたら手札を2枚捨てさせる強烈な妨害能力を併せ持った恐怖の1枚だ。タフネスが1と低く、またターン終了時には死んでしまうからこそ許されたこのカードを《雷族の呼び覚まし》の能力で復活させて再出撃させようというわけだ。骨精霊のタフネスが呼び覚ましより低い値だったことが功を奏したのである。
呼び覚まし自身も1/2とサイズは小さいので、殴りに行くことで簡単に返り討ちに遭ってしまうかもしれない。そこを埋めるのが《夕暮れヒバリ》のお仕事で、パワー1の呼び覚ましをしっかりと戦場に戻せるのである。呼び覚ましでヒバリを拾って、ヒバリが他のエレメンタルを戻して……なんて動きも可能で、実に噛み合った3枚と言える。
上記の3枚を軸に、《炎族の先触れ》《発現する浅瀬》などのエレメンタル・シナジーを持ったカードを足してデッキとしての厚みを増している。
土地の枚数を切り詰めているデッキにとって浅瀬の存在は大きい。《幻影の像》と組み合わさればマナも手札もパンパンに膨れ上がることだろう。《乱動の座、オムナス》などの大技に繋がれば勝負アリだ。
もちろん、ここまでやりたい放題展開するのを対戦相手も黙ってみているわけではなく、除去で邪魔をしてくるはず。《不確定な船乗り》や《復活の声》でこちらも妨害返しで対抗だ。
骨精霊連打のコンボが機能せずとも、ただこれらのクリーチャーを並べて殴っているだけでも勝てるデッキなのがセールスポイントと言えるね。
このデッキのテクニカルな要素としては《霊気の薬瓶》と《ちらつき鬼火》を絡めた動きが挙げられる。
《夕暮れヒバリ》や《叫び大口》《恨み唸り》など想起能力を持ったエレメンタルは、本来想起で唱えられると誘発型能力で生け贄に捧げられることになる。しかしその能力が解決される前に《霊気の薬瓶》から《ちらつき鬼火》を出し、その能力で想起クリーチャーを追放することで生け贄を回避し、その後戦場に戻すことで戦力として居座らせることができるのだ。これにより相手が予想もしなかった角度からクリーチャーが並んで、向こうのクリーチャーは除去してしまえる。エレメンタルならではの奇襲をかましてやろう。
エレメンタルはとにかく種類が多いので、他にもえげつないコンボや手堅いシナジーをデッキに仕込むことは可能だろう。強いマナベースの恩恵をフルに活かして、強烈な勝ち方をするデッキを組んでやってほしい。さあ明日からは折り返しだ、古い時代のデッキも紹介していくのでお楽しみに!
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