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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
アゾリウス・ブリンク(スタンダード)
「ブリンク」というマジック用語を耳にしたことはあるだろうか。
公式には「明滅」とされたものであり、主に白と青に見られる「一時的にパーマネントを戦場から追放し、その後戦場に戻す」アクションのことである。この手のカードの始祖である《ちらつき》のころには相手のカードも対象に取れたが、最近はもっぱら自分のパーマネント限定のものとしてデザインされている。
ブロック決定後にサイズで劣るクリーチャーが殴り倒されるのを回避するために、あるいは除去をよけるために使うのが基本である。そして応用として、戦場に出たときに誘発する能力を持つ自身のパーマネントを明滅させることで使いまわすというのもある。これを軸にしたデッキも作られ、キーカードである《一瞬の瞬き》の英名から「ブリンク」と呼ばれ親しまれた。その影響もあってか、「明滅」自体を「ブリンク」と呼ぶことの方が圧倒的に多く、完全にとってかわられた状態となっている。
現スタンダードには、ブリンクの化身とも呼べる《深海住まいのタッサ》がいる。
毎ターンの終了時に自身のクリーチャー1体をブリンク可能で、攻撃したクリーチャーをアンタップ状態で戻すことで疑似的な警戒持ちとして攻防一体・能力使いまわしで天衣無縫にやりたいことをやる、そんなデッキ構築をサポートしてくれる。
今日は、このタッサの恩恵にあずかるデッキを紹介だ。
7 《島》 6 《平地》 4 《神聖なる泉》 4 《啓蒙の神殿》 2 《ヴァントレス城》 1 《アーデンベイル城》 2 《寓話の小道》 -土地(26)- 4 《魅力的な王子》 3 《迷い子、フブルスプ》 3 《拘留代理人》 4 《精鋭護衛魔道士》 4 《深海住まいのタッサ》 1 《夢さらい》 3 《裏切りの工作員》 -クリーチャー(22)- |
2 《海の神のお告げ》 2 《エルズペス、死に打ち勝つ》 2 《時の一掃》 2 《ヘリオッドの介入》 4 《時を解す者、テフェリー》 -呪文(12)- |
1 《拘留代理人》 2 《夢さらい》 4 《霊気の疾風》 4 《敬虔な命令》 4 《ドビンの拒否権》 -サイドボード(15)- |
タッサと最も相性が良いカードは《裏切りの工作員》であることは間違いない。毎ターンパーマネントを奪われるというのはこの世の終わりを意味するからね。
相手のパーマネントを3つ以上奪えば、カードも引かせてくれて盤面&手札ともにホックホクも甚だしい。この工作員をゴールに据えて、そこに至るまでの時間稼ぎしてくれる面々で固めたのが、この「アゾリウス・ブリンク」だ。
2色目に白を選んだのは、使いまわして嬉しい能力持ちがいることに加えて、タッサ以外にもブリンクするカードを有していることにある。《魅力的な王子》は2マナでブリンク役であると同時に、自身もブリンクされて嬉しいカードである点が実に優れている。
占術2を繰り返してドローを調整し、3点回復連打でアグロデッキの射程圏外に逃げるのだ。
青白の定番カードである《時を解す者、テフェリー》も疑似的なブリンクカードであると言える。
[-3]能力で自身のパーマネントを戻して出し直すのだ。カードも引けるし、クリーチャー以外にも《エルズペス、死に打ち勝つ》などを戻して使いまわせるのは言うまでもなくムチャ強!
タッサと上記のカードで再利用してオイシイ思いをするカードは、いずれも時間稼ぎが得意だ。《迷い子、フブルスプ》はブリンク要素とそれらを用いるための土地を得るためのドローを進めてくれる。何も大事にする必要もないので、さっさとブロックに回してライフを護るのを優先しても良い。
《精鋭護衛魔道士》も同様にドローとブロックをこなしつつ、ライフまで回復させてくれるので、これをブリンクしているだけでも相手の心を折ることができるだろう。
《拘留代理人》は万能パーマネント除去。これは戦場を離れてしまうと追放していたカードを戦場に戻してしまうのだが、すでに追放しているものよりもヤバい何かが出てきたらブリンクしてそっちを追放、って感じで切り替えていこう。トークンを追放すれば超お得だ。
これらで戦場をごちゃごちゃさせている間に、タッサと工作員を揃えて、さぁ本番開始と行こうじゃないか、ってところで相手が投了してくれるのが理想のゲーム展開だな。
ただ、逆に考えれば投了を待つ類のデッキであるということでもある。工作員が機能しだせば勝ちにいけるが、そうでなければ延命力は高いが殴り返すパワーがないため、ズルズルとゲームが長引いた結果、相手の方が決定力の高いカードにたどり着いて負け、なんてことも。そのためゲームを終わらせるパワーを持った《夢さらい》も採用している。明確なフィニッシャーが欲しいと思ったら、これを増やすなり各自で調整してみよう。
青と白のカードで盤面を支配しながら、ライフを護って手札などのアドバンテージ差で勝負をつける。このデッキの目指すところを書くとこのようになるが、これは《吸収》や《空の粉砕》を用いる一般的な青白のコントロールデッキと目指すところと同じだ。コントロールデッキをプレイするのが苦手だったり、性に合わなかったという人はアプローチが異なるクリーチャー主体のこのデッキをプレイしてみてはどうだろうか。コントロールを組むために集めた《神聖なる泉》《啓蒙の神殿》なんかが無駄にならずに済むからね。
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