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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
ヘリオッド・カンパニーfeat.鱗…?(モダン)
コンボはお好きかな?
あぁ、僕も大好きでね。マジックのコンボときたら、それこそ星の数ほどあるが……個人的には、クリーチャーを用いるコンボデッキが好きだ。クリーチャーが戦闘も可能なものであれば、コンボが成り立たなくても殴って勝つというプランが取れて消耗戦に強くなるからね。
後は…2種類以上のコンボが同居している構成のデッキも好きだな。似たような役割のパーツが複数のコンボを成立させるという構成のデッキは、片方のコンボパーツを潰されても希望が持てるからね。相手の虚も突けて、プレイしていて楽しいデッキになるものだ。
つまり……「クリーチャーをコンボパーツとすることで殴って勝つのも狙えて、かつ複数のコンボが同居しているデッキ」なんてものがあればそれは至高のデッキになるってわけだが……え、あるの? どれどれ……いやぁこれは、はい、大好物でございますよ。
そんなわけで、海外のマジックフェストにて行われたプレイヤーズツアー予選を突破したモダンのデッキを紹介しよう。先に断っておくと、このリストが使用されたのは3月9日の禁止制限告知以前のタイミングなので、《むかしむかし》が使用されている。このカードは抜けてしまうが、コンボの中核部分はそのまま残るので、このまま紹介させてもらうことにした。
上記の条件を満たしたデッキ、なんとなく禍々しいものをイメージしてしまう。しかしながらその実態は、意外にもなんだか爽やかなカラーリング?
3 《森》 4 《寺院の庭》 4 《吹きさらしの荒野》 2 《地平線の梢》 1 《ラノワールの再生地》 1 《ペンデルヘイヴン》 4 《墨蛾の生息地》 -土地(19)- 4 《貴族の教主》 2 《極楽鳥》 4 《電結の荒廃者》 3 《金属ミミック》 4 《太陽冠のヘリオッド》 4 《スパイクの飼育係》 4 《搭載歩行機械》 4 《歩行バリスタ》 -クリーチャー(29)- |
4 《硬化した鱗》 4 《むかしむかし》 4 《集合した中隊》 -呪文(12)- |
4 《流刑への道》 4 《夏の帳》 3 《墓掘りの檻》 2 《減衰球》 2 《活性の力》 -サイドボード(15)- |
それでは早速リストを見ながら、各コンボについて解説していこう。このデッキのメインコンボは《太陽冠のヘリオッド》を用いたものだ。
コンボ1:《太陽冠のヘリオッド》+《歩行バリスタ》
パイオニアでも名物デッキとなっている2枚コンボだ。ヘリオッドの起動型能力でバリスタに絆魂を与え、バリスタの能力を起動して対戦相手にダメージを与える。絆魂であなたのライフが回復し、ヘリオッドが+1/+1カウンターを置く能力を誘発する。バリスタを対象にして弾を補充し、もう一発。こうして好きなだけダメージを与えて勝利する。
このリストでは《ラノワールの再生地》がこっそり仕込まれているので、3ターン目ヘリオッド→4ターン目バリスタをX=1で出して再生地のカウンターを移植し、ヘリオッドの能力起動ですぐさま勝利まで持って行くムーブも可能だ。
コンボ2:《太陽冠のヘリオッド》+《スパイクの飼育係》
スパイクの上から+1/+1カウンターを取り除いてライフを回復すると、ヘリオッドがそのカウンターをすぐさま補充してくれる。2枚揃えば望むだけの量のライフを回復することが可能で、ライフを0にして勝つデッキではとどめが刺せなくなりそのまま勝負アリとなる。かつて《テューンの大天使》と組み合わせて行われていたコンボだが、ヘリオッドの方がマナ・コストが軽いためとってかわる形となった。
無限ダメージと無限ライフ、ヘリオッドを軸にしたこの2つのコンボで勝ちに行くってわけだね。ヘリオッドは点数で見たマナ・コストが3のため《集合した中隊》で引っ張ってこれるのがまた強い。スパイクとのコンボはこの中隊1枚で揃えられるというのも強力だ。
で、だ。このデッキは殴り勝つことも狙いに行けるのだが、そっちのルートにも貪欲にコンボ的な要素が仕込んである。キーとなるのは《硬化した鱗》だ。
これは《ラノワールの再生地》同様、X=1のバリスタでもカウンターが2個置かれて出てくるので、最少のマナでコンボを決めに行ける。そうしたアシスト的な役割を担いながらも、殴り勝つルートを分厚いものにしてくれている。《金属ミミック》や《電結の荒廃者》などの能力で置かれるカウンターの数も増やし、サイズに優れたこれらのクリーチャーで圧殺を狙いに行けるのだ。
また、鱗と荒廃者の組み合わせは突然の勝利を生み出すことでも知られている。適当にアーティファクトを食わせて大きくした荒廃者を、自身の能力で生け贄に捧げる。接合能力が誘発して、大量の+1/+1カウンターがアーティファクト・クリーチャーに受け継がれる。バリスタに乗せて大ダメージ、それも良いね。《搭載歩行機械》に置くのも良いぞ、荒廃者がもう1体いれば歩行機械も即生け贄に捧げて飛行機械・トークンを大量展開→これをすべて荒廃者の餌にして、また荒廃者を生け贄……とパス回しでグングンとカウンターの数を増やすことが可能だ。《墨蛾の生息地》にそのカウンターを託して一撃毒殺ってのも決して夢ではなく、隙を見つけてねじ込んでいく常套手段だ。うん、これらひっくるめて「コンボ3」ってところかな。
《集合した中隊》と《太陽冠のヘリオッド》を用いるデッキと、《硬化した鱗》を軸としたデッキ。この2つを見事に融合させたリストである。両方のデッキのカードが絶妙にシナジーを形成し、結果としてプレイヤーズツアーへの権利を勝ち取るという爆発的な結果に繋がったことになる。
デッキ構築って、これぐらい貪欲に挑んで良いものなんだね。遠慮無用、思いついた最高の組み合わせがあれば、あなたもそれを形にしてみよう!
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