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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
レアじゃなくても信心は深い、灰色商人がもたらす可能性(特別フォーマット&パウパー)
『テーロス還魂記』シーズンも残すところ、1か月と少し。MTGアリーナでは神々の住む次元の総仕上げってな具合に、毎週各色の神とその勇者たちがニクスに浮かぶ星座となった特殊アート版のスタイルが手に入るイベントを開催中だ。
これを書いているタイミングでは、最初のイベントとなる「祝祭:パーフォロスの火」をプレイし終えたところだ。このイベントでは各自が構築したデッキを用いて対戦する。そのデッキ構築には制限があって……スタンダードのカードプールで、かつレアと神話レアが使用不可! コモンとアンコモンのみを使って構築するのは、普段スタンダードで使っていないカードを手に取る良い機会だ。
このフォーマットを見てパッと思いついたコンボを形にして参戦してみたぞ。
23 《沼》 2 《魔女の小屋》 -土地(25)- 2 《穢れ沼の騎士》 4 《泥棒ネズミ》 4 《ヤロクの沼潜み》 2 《死より選ばれしティマレット》 2 《不死の騎士》 2 《揺るぎない騎士》 4 《アスフォデルの灰色商人》 -クリーチャー(20)- |
4 《殺害》 3 《凶兆の果実》 2 《エルズペスの悪夢》 2 《地獄界の夢》 1 《はぐれ影魔道士、ダブリエル》 3 《骨への血》 -呪文(15)- |
単体でも十分強い《アスフォデルの灰色商人》を《骨への血》で生け贄に捧げ、そのまま戦場に戻すことでその能力をおかわりする……「黒単信心」レア抜きバージョンだ。
《ヤロクの沼潜み》《泥棒ネズミ》などで手札を攻めつつ信心も稼ぐ。これらを《骨への血》で使いまわすのも地味ながら確実にアドバンテージ差をつけられる、マニア向けのムーブだ。
《死より選ばれしティマレット》や《揺るぎない騎士》《不死の騎士》で地上を固めて、信心が溜まったところで灰色商人をドーン! あっさりと10点近く吸い取ることができるだろう。おかわりしてゲームエンドだ。
実際に上手く回って、最初こそ敗れたものの3連勝でサクッとスタイルを獲得し祝祭を終えることとなった。
《地獄界の夢》も強かったなぁ。スタンダードのゲームスピードでは置いている暇がなかったりするが、コモン・アンコモンだけの世界なら十分な脅威になり得ることを確認したのだった。
《アスフォデルの灰色商人》は今でこそアンコモンであるが、初出時はコモンであった。そのため、この祝祭のベースとも言えるコモン限定構築・パウパーでも「黒単信心」デッキを成立させている。
良い機会なので、最近マジックを始めた人にパウパーのデッキリストの味わい深さを楽しんでもらうためにも紹介しよう。
18 《沼》 3 《ボジューカの沼》 -土地(21)- 3 《クォムバッジの魔女》 4 《騒がしいネズミ》 3 《リリアナの死霊》 3 《ファイレクシアの憤怒鬼》 1 《黒薔薇の棘》 4 《アスフォデルの灰色商人》 -クリーチャー(18)- |
4 《汚涜》 4 《チェイナーの布告》 4 《血の署名》 2 《ゲスの評決》 2 《夜の犠牲》 2 《Oubliette》 2 《神聖を汚す者のうめき》 1 《堕落の触手》 -呪文(21)- |
1 《大牙の衆の忍び》 1 《夜の死神》 2 《強迫》 2 《大祖始の遺産》 2 《腐敗を導く者》 2 《精神ねじ切り》 1 《ゲスの評決》 2 《灰は灰に》 1 《堕落の触手》 -サイドボード(14)- |
クリーチャー除去と手札破壊により、対戦相手のリソースを断っていくコントロールデッキである。歴代のコモンクリーチャーの中からマナシンボルが濃く、またコントロール向きの能力を持ったものが一堂に会している。
《騒がしいネズミ》は相手の手札をライブラリーの上に戻すという、最近は見なくなったタイプの手札破壊だ。
捨てさせるわけではなぃので完全にカードを封じることはできないが、ドローが遅れる。実質リソースを1つ奪ったようなものである。これと《リリアナの死霊》で手札を攻めつつ、適当に相手のクリーチャーと相討ちさせる。生き延びれば信心を稼いでくれるの万歳だ。
《クォムバッジの魔女》はタフネス1のクリーチャーが多いパウパーでは鬼の速射砲としてビシビシと小粒を撃ち落とす。こちらにもダメージが飛んでくるデメリットもあるのでご利用は計画的に。
こういう、昔ならではのデザインのカードを使ってお気軽にノスタルジーに浸れるのがパウパーの良いところだ。
そういう意味では《Oubliette》はノスタルジーの最たるもの。なにせマジック史上最初のエキスパンション『アラビアンナイト』のカードだからね。
カード名の意味は古城などにある秘密の地下牢のこと。このカードは、これが戦場にある限りクリーチャーを1体追放し続ける《払拭の光》などに似たエンチャントで、何とも黒らしくない能力ではあるがこれもまた黎明期ならではのもの。対象にしたクリーチャーについていたオーラや置かれていたカウンターも帰ってくるというかなり変わったデザインだ。純粋に除去として使って、戦場に残るので信心カウントを増やしてくれるということで採用されている。
他にも《チェイナーの布告》など往年の名コモン除去が並ぶが、ここに加わる最新鋭の1枚が《汚涜》。
《沼》の数だけクリーチャーをサイズダウンさせる、1マナと軽くて使いやすいナイスなインスタントだ。
最古と最新、これらがかけ合わさることの楽しさを味わる魅力を持ちつつ、同様のフォーマットであるレガシーやヴィンテージよりも参入しやすいコモン限定構築のパウパー。ちょっといつもと違うマジックが遊びたくなったら、友人を誘ってパウパーに挑戦してみてはいかがかな。
もちろん、スタンダードを遊んでいる仲間と「パーフォロスの火」と同じくレア抜き構築で遊んでみるのも良い気分転換になるだろうね!
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