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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
『テーロス還魂記』新カードでデッキ構築!その2:ウーロがランプで大脱出(新スタンダード)
さあ今回も『テーロス還魂記』環境でこんなデッキが出てくるかもしれない?新カードを使った構築を考えてみようという企画をお届けだ。
今日の主役は……タイタンだ。ギリシア神話をモデルに神々が存在する世界としてデザインされたテーロス次元。その神々が支配する前には、タイタンと呼ばれる巨人たちがこの次元の覇者だったそうな。遥か昔に神々たちがこの原初の災厄であるタイタンを滅ぼし、死の国に送ったことでテーロス次元には平穏が訪れたという。
しかし今、そのタイタンたちは死の国から逃げ出す「脱出」という能力を携えてカード化された。
脱出以外の方法で戦場に出た場合、すぐさま墓地に落ちてしまうのが死の国に封じられているタイタンの設定をうまくカードに反映させていて実に美しい。戦場に出たときと攻撃したときに誘発する能力を持っており、とりあえず普通に唱えてその能力だけを誘発させ、後に脱出で戦場に繰り出して殴りだす……そんな動きをするカードになるね。
2種類のタイタンのうち、《自然の怒りのタイタン、ウーロ》は3点のライフと1枚のドローをもたらし、ついでに手札から土地を1枚戦場に出せるという誘発型能力を持つ。コストも3マナと軽く、さながらスーパー《成長のらせん》だ。
あれ? この世の終わりをもたらすような存在と聞いていたが、実にフレンドリーなやつではないか? ということで、まずはこのウーロを使ったサンプルデッキを紹介だ。
10 《森》 5 《島》 4 《繁殖池》 4 《神秘の神殿》 2 《ギャレンブリグ城》 2 《ヴァントレス城》 1 《寓話の小道》 -土地(28)- 2 《樹上の草食獣》 4 《枝葉族のドルイド》 4 《発現する浅瀬》 3 《自然の怒りのタイタン、ウーロ》 2 《イリーシア木立のドライアド》 4 《茨の騎兵》 4 《ハイドロイド混成体》 -クリーチャー(23)- |
3 《成長のらせん》 1 《キオーラ、海神を打ち倒す》 1 《タッサの介入》 4 《世界を揺るがす者、ニッサ》 -呪文(9)- |
2 《変容するケラトプス》 2 《急嵐のトリクス》 1 《終わりなき巣網のアラスタ》 1 《裏切りの工作員》 3 《霊気の疾風》 2 《自然への回帰》 3 《神秘の論争》 1 《ナイレアの介入》 -サイドボード(15)- |
青緑の土地を並べて大量に得られるマナから相手を打ち倒す「シミック・ランプ」デッキだ。
前環境でも強くて扱いやすいデッキであり、高い人気を誇っていた。このデッキの目指すところと《自然の怒りのタイタン、ウーロ》の目指すところはマッチしており、すんなりとデッキに採用することができるだろう。
土地を伸ばして1ターンでも早く《世界を揺るがす者、ニッサ》に繋げ、そこからあふれるマナで《ハイドロイド混成体》を繰り出して圧倒的なサイズ・ドロー・回復の三拍子でゲームを制するのだ。
土地を伸ばす役目、2マナ圏は《成長のらせん》と《枝葉族のドルイド》。
3マナ圏はウーロに加えて《発現する浅瀬》と新カード《イリーシア木立のドライアド》が担う。従来のランプよりも3マナのカードが増えているので、1ターン目の《樹上の草食獣》の価値は大きく上昇したと言える。
だから本来は3枚目の枠を取りたいのだけれども、1枚でも多く新カードを投入したい欲張りプロモーション精神を優先した形なので2枚で我慢している。
ウーロはこのランプデッキの既存のキーカードとも相性が良い。それは《茨の騎兵》!
5マナ5/6と優れたサイズに到達も持つこのエレメンタルは、戦場に出た際にライブラリーから土地を戦場に出す能力も持つ。この時にライブラリーの一番上から見たカード5枚のうち、選ばれた土地以外の残りのカードはすべて墓地に置かれる。これは3マナで使い捨てたウーロが脱出するにはうってつけのコストになってくれる。騎兵がもたらした恵みを受けて、4マナ6/6として戦場に降臨、十分ゲームを決められるスペックだ。
この脱出コストを支払う際に、墓地から《茨の騎兵》を追放するのは少し我慢した方が良いかもしれない。戦場にいる騎兵が死亡した場合、その能力で墓地の騎兵をライブラリーの一番上に戻して再利用できるからだ。ウーロと騎兵がまとめて《ケイヤの怒り》などで除去されても、また騎兵1枚からウーロが脱出のための餌を提供してもらってすぐに立て直せるのだ。
《イリーシア木立のドライアド》は書いてあることがシンプルに強く、これまた使ってみたくなる1枚だ。
1ターンに置ける土地の枚数が増えるという形のマナ加速。エンチャントとクリーチャーの両方のタイプを持つので除去されやすいのだが、1回でも仕事をすれば元は取っている。さりげなくついている、すべての土地にすべての基本土地タイプを与える能力は《世界を揺るがす者、ニッサ》の森タイプの土地から出るマナが{G}増える能力と組み合わさるとなかなかのぶっとび感。ハイドロイドでゲーム終了まったなし。
追加のハイドロイド的な役割を果たせるかはわからないが、便利そうなので《タッサの介入》を仕込むのはアリだと思う。
いざって時は打ち消しで、余裕がある時や消耗戦の際にはキラーカードを2枚探すアドバンテージ源として。
また、名前も良くて能力も派手な《キオーラ、海神を打ち倒す》もこのデッキで使うっきゃないでしょう。
7マナ8/8呪禁というだけでも十分に仕事をしてくれそうだが、それに対戦相手の土地でないパーマネントを全タップ&アンタップ妨害というクリーチャーのにらみ合いを終わらせる能力、さらにはパーマネントを1枚いただく能力までついてくる。重いコストを払うだけの価値はある、文字通りフィニッシャーとなってくれる1枚だ。
さて、ウーロを用いたデッキは「シミック・ランプ」をベースに考えやすかったのだが、もう1体のタイタン《死の飢えのタイタン、クロクサ》はなかなか難しいお題に見える。というわけで、次回はリリース前に構築してみた企画第3弾、お楽しみに~。
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