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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
爽快!上陸Zoo(モダン)
マジックにはある一定の条件を満たせばボーナスを得ることができるカードがいくつも存在する。とてもじゃないが達成できなさそうなとんでもない条件を突き付けてくるものもあれば、比較的簡単で誰にでも可能なゆるめのものまで、さまざまだ。
この条件の難易度のバランスが絶妙に思えるのが「上陸」というメカニズム。戦場に土地を出せば上陸の条件は満たされる。マジックの基本的なアクションであるので何も難しいことはなく、ただ手札から土地を出せばそれでOK!
その分、受けられるボーナスはおとなしめのものが多いのだが、中にはそれを軸にデッキを組むに値する強いものもある。上陸を引き起こすには、それが登場したセットである『ゼンディカー』にも含まれている、フェッチランドと呼ばれる土地群と併せて使うのがベストだ。《霧深い雨林》を手札から出して上陸誘発、これを生け贄に捧げて《繁殖池》を出してもう1回、といった具合に多色土地にアクセスしながらしっかりとボーナスを2回受け取れるのだ。フェッチランドを毎ターン置いては生け贄に捧げる。上陸をキーとしたデッキの理想的なムーブである。
ただ、ここで普段のゲームを振り返ってみてほしい。そんな毎ターン土地を置き続けることができているだろうか? 土地を27枚とか入れているデッキでは淀みなく土地を置き続けられるかもしれないが、デッキに土地ばかり入れて、勝つためのカードが減ってしまっては本末転倒である。かといってビートダウンデッキなどの適正枚数とされる24枚以下であれば、4ターン目以降に土地が置けるとは限らない……うーむ、ジレンマってやつだな。
ただ、モダン環境にはこれを打破する希望の星がいることをご存じだろうか。手軽にフェッチランドを毎ターン使って上陸を誘発させまくる、今日のデッキは「上陸Zoo」!
1 《森》 1 《山》 1 《平地》 2 《踏み鳴らされる地》 1 《寺院の庭》 2 《聖なる鋳造所》 4 《樹木茂る山麓》 4 《吹きさらしの荒野》 4 《乾燥台地》 2 《地平線の梢》 1 《ケッシグの狼の地》 -土地(23)- 4 《ステップのオオヤマネコ》 4 《野生のナカティル》 2 《呪詛呑み》 3 《板金鎧の土百足》 4 《改革派の結集者》 3 《聖遺の騎士》 4 《血編み髪のエルフ》 -クリーチャー(24)- |
4 《稲妻》 3 《流刑への道》 3 《稲妻のらせん》 3 《レンと六番》 -呪文(13)- |
2 《不屈の追跡者》 1 《高原の狩りの達人》 2 《減衰球》 2 《丸焼き》 2 《安らかなる眠り》 1 《石のような静寂》 3 《神聖の力線》 1 《摩耗 // 損耗》 -サイドボード(14)- |
「Zoo」というのは主に緑白赤の3色からなるビートダウンデッキを指す。何故に動物園かというと、かつては《密林の猿人》《サバンナ・ライオン》などの動物であるクリーチャーが主力であったからだ。時代は流れて、むしろ人間なんかのヒューマノイド種族の方が増えたりしても、慣例として同じ設計思想のデッキは「Zoo」と分類されている。
とりあえず、代名詞とも言える《野生のナカティル》が入っていれば「Zoo」系のデッキと考えて良いだろう。
1マナにして平地と山をコントロールしていれば3/3という破格のサイズになるこのクリーチャーからスタートし、同じくマナ効率に優れた低マナ域のクリーチャーをガンガン展開して《稲妻》《稲妻のらせん》などの火力で相手のブロッカーや本体を焼き一気に決着をつける、これぞアグロという分かりやすいデッキだ。
で、今回のリストは「Zoo」をベースに上陸シナジーを取り入れたものとなっている。クリーチャー陣に上陸するとターン終了時までサイズアップする《ステップのオオヤマネコ》と《板金鎧の土百足》を採用しているのだ。
フェッチランドでナカティルのために複数のタイプを持つ土地をサーチすると同時に、これらも強化してぶん殴ろうと、そういうわけだ。どちらもフェッチからのダブル上陸でパワーが4も上昇するのは強烈だ。アグレッシブなデッキのギアをさらに一段階上げたって感じだね。
で、冒頭でも触れたとおりに、この上陸生物たちを毎ターンしっかりと大きく育てるために働いてくれるカードもしっかりと備えてある。一番わかりやすいのは《レンと六番》!
これで毎ターンフェッチランドを回収しては出してを繰り返そう。ただ土地を置く、たったそれだけのことで人を倒せるこのデッキでは[+1]能力の重みが違ってくる。1点ダメージを飛ばせるのも、ネコ&ムカデがタフネス1のちっぽけなクリーチャーにブロックされるのを防いでくれるし、最後の最後で本体に撃ち込むことにもなるだろう。ゲームが長引いた際には《地平線の梢》を回収してドローし続けて火力呪文を探すという手もあるぞ。
レンが持久型で器用な上陸サポートであれば、爆発力に特化しているのが《改革派の結集者》。
これが戦場に出たとき、このターンすでに自分のパーマネントが戦場を離れていた場合に、墓地から2マナ以下のパーマネントを戦場に戻せるという能力を持っている。消耗戦の際にはクリーチャーを蘇生させるという使い方をしても良いが、攻めている時にはもちろんフェッチランドを回収してやろう。《樹木茂る山麓》から土地を出して結集者を唱える→結集者の能力で《樹木茂る山麓》を戦場に戻してもう一度起動して土地を出す、と動けば、実に4回も上陸を誘発させることが可能だ。これ、1・2ターン目と上陸生物を展開してから3ターン目に決められる動きである。3ターン目に17点とか弾き出したらもう勝ってまう!
フェッチランドと上陸の両方と相性が良く、一時期はレガシーの「Zoo」における番長的存在だった《聖遺の騎士》もこのデッキでは健在だ。
彼女自身のサイズでも勝負できるし、《ケッシグの狼の地》を持ってくるコンボ的な動きも狙える。
コンボ的と言えば、《流刑への道》はただの除去ではなく、自分の不要なクリーチャーに対して唱えることで基本土地を持ってきて無理やりに上陸を誘発させられることも覚えておこう。
この手のデッキは、そのターンや次のターンにどうやって最大ダメージを弾き出すかをしっかりとプランニングして用いることが重要になってくる。暗算でダメージをしっかり計算できるように、何度も回して感覚を掴むのだ!
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