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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
ゴルガリ・ソウルフレイヤー(パイオニア)
「飛行」とか「速攻」とか「トランプル」とか、1単語でどのようなものかわかる能力をキーワード能力という。当たり前のことだが、キーワード能力を持っていればいるほどクリーチャーは強くなる。それを証明する1枚が《探索する獣》。
警戒・接死・速攻と3つのキーワード能力(と3つの他の能力)を持ち、それを活かしてガシガシと積極的に殴りに行く名アタッカーだ。
3つでも特盛に思えるが、過去にはもっとキーワード能力を持っている者たちがいた。比較的近年のものだと《原初の夜明け、ゼタルパ》とかね。
能力の宝庫過ぎて笑えるよね。このゼタルパ、戦場に出れば強すぎて一瞬でゲームが終わるのだが、さすがにコストが重くてそうも簡単にはいかない。まあ、だったらいろんな方法で戦場に出すことを狙えばいいのがマジックというゲームなわけで……
ということで、今日もパイオニアのデッキを紹介しよう、そのデッキはゼタルパを出さずにその魂をそっくりいただくという方法で活用する。「ゴルガリ・ソウルフレイヤー(魂剥ぎ)」だ!
4 《森》 4 《沼》 4 《草むした墓》 4 《森林の墓地》 4 《花盛りの湿地》 -土地(20)- 4 《ロッテスのトロール》 4 《残忍な騎士》 4 《不屈の神ロナス》 4 《無効皮のフェロックス》 4 《探索する獣》 4 《魂剥ぎ》 4 《原初の夜明け、ゼタルパ》 -クリーチャー(28)- |
4 《群れの結集》 4 《忌まわしい回収》 4 《むかしむかし》 -呪文(12)- |
2 《才気ある霊基体》 2 《漁る軟泥》 2 《再利用の賢者》 2 《思考囲い》 2 《暗殺者の戦利品》 2 《闇の掌握》 3 《虚空の力線》 -サイドボード(15)- |
墓地のカードを追放してコストを軽減できる「探査」能力。《魂剥ぎ》は自身を唱える際に探査コストとして追放したクリーチャーカードから、キーワード能力を受け継ぐという能力を持っている。
得ることができるのは飛行、先制攻撃、二段攻撃、接死、速攻、呪禁、破壊不能、絆魂、到達、トランプル、警戒。《原初の夜明け、ゼタルパ》の能力は全部もらえるってわけで、ついでに《探索する獣》も追放して速攻と接死も持っちゃおう! そうやって生まれた超絶能力てんこ盛りな4/4で一瞬で勝負を決めるのを狙う! そんなやんちゃで腕白極まりないデッキなのである。ワクワクしてきたかい?
墓地にクリーチャーカードを落とすのは緑と黒のお家芸である。《群れの結集》《忌まわしい回収》でライブラリーから《魂剥ぎ》を探しつつ、他のキーワード能力持ちを墓地へダイレクトに落とし込み、手札に来たものは《ロッテスのトロール》に食わせて捨てる。
そうやって墓地に落ちたクリーチャーカードをおもむろに追放して、《魂剥ぎ》を相手のライフにシュート!
この手のデッキは《魂剥ぎ》登場以降いろいろと作られてきたが、そのパイオニア版のこのリストは2色でまとまり、《探索する獣》をはじめとする、ちゃんと唱えられる連中を極力採用しているところが好感度が高い。ゼタルパだけはどうやっても唱えられないが、4枚だけであれば許容範囲というもの。ついつい能力が多いからと《彩色マンティコア》なんかも入れたくなってしまうが、それらが手札にかさばって負けるという最悪の事態を避けるべく、締めるべきところを真面目に締めている。
《不屈の神ロナス》から《無効皮のフェロックス》、みたいな動きはシンプルに強く、《魂剥ぎ》のみに頼らずともしっかりとビートダウンすることが可能で、ストレスなく安心してプレイできることだろう。
デッキの特徴で言えば、このデッキはすべてのカードが4枚ずつ採用された大変美しい構築が施されている。マジックの理想形だね。昔「デッキに4枚入れるカードはいつ引いても・何枚引いても良いもの、3枚以下のカードは引いても嬉しくないタイミングがある・複数枚引いても意味がないカード」という構築の基本を教わったことがあるが、このデッキにはそういう意味で無駄なものがまったく入っていないってことだ。この安心感は大きいと思うよ、ブンブン暴れても真面目に展開するにしても、何かに強く依存しているわけではないのでとりあえずゲームはできるってことだ。
色事故も歴代の2色土地のおかげでほとんど起こらないだろう。《忌まわしい回収》と《むかしむかし》がクリーチャーサーチとともに土地確保の役目も兼ねているので枚数自体は削って、ゲーム後半に土地ばっかり引いて負けるという事態もなるべく避けられるようにケアされている。
メインデッキは《魂剥ぎ》で相手を圧倒したいところ。これを見せられると対戦相手は《トーモッドの墓所》や《漁る軟泥》に《安らかなる眠り》などの墓地対策カードをサイドインしてくることだろう。
《暗殺者の戦利品》《再利用の賢者》《闇の掌握》などでそれらに対処するのも手だが、先に述べたようにフェロックスやロナス、獣で普通に殴って勝つことも可能なのである。だから墓地対策への対策カードをキープ基準にせずに、サイド後も気持ち楽に戦える。破壊力を維持したまま、それに特化しすぎない……絶妙なバランスなんじゃないかな。
ビジュアル的にもカラーリング的にも、本当に一目惚れといっても良いレベルでこのリストに惹かれてしまった。家のカード掘り起こして、《魂剥ぎ》探してみるか!
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