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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
我がフィジカルは貴族一! 緑の城と獣たち(スタンダード)
『エルドレインの王権』では、この次元に住まう貴族の居城がカード化されている。それぞれの色に1種類存在し、いずれも対応する基本土地タイプを持つ土地がなければタップインというデメリットを持っており、起動型能力のコストも色マナ2つを要求する。すなわち、単色のデッキの方が安定してそれらの城のパワーを引き出すことができるってわけだ。
中でも緑の《ギャレンブリグ城》は緑マナを6つ生み出すという、単色で使ってナンボなカードである。
このマナはクリーチャーを唱えるか、あるいはクリーチャーの能力のコストにしか用いることはできない。その代わり、土地5枚で6マナを生み出す、実質的な2マナ土地だ。つまりはクリーチャーばかりの緑単色デッキで使えば、良いところを丸ごと享受できるというわけ。
そもそも《ギャレンブリグ城》ってどんな城? イラストを見るに草原の真ん中にぽつぽつとイギリスのストーンヘンジ的な石の塊が立っている。この領地は巨人のヨルヴォが治めている。ここでは力が強いことこそ美徳である。また、グレートヘンジなるエルドレイン次元内を移動できるワープ門的なものが存在し、この城の周囲の住人らはここから流れ出るマナにより強化されているとのことだ。
ギャレンブリグ城、ヨルヴォ、グレートヘンジ……エルドレインの緑の領地関係のカードは、いずれも強力なカードで固められている。巨人王ヨルヴォがその腕力を振るうデッキの一例を紹介しよう!
20 《森》 3 《ギャレンブリグ城》 -土地(23)- 4 《金のガチョウ》 4 《生皮収集家》 4 《楽園のドルイド》 3 《枝葉族のドルイド》 3 《樹皮革のトロール》 4 《ギャレンブリグの領主、ヨルヴォ》 4 《探索する獣》 2 《大食のハイドラ》 -クリーチャー(28)- |
2 《グレートヘンジ》 4 《アーク弓のレインジャー、ビビアン》 3 《世界を揺るがす者、ニッサ》 -呪文(9)- |
2 《打ち壊すブロントドン》 4 《無効皮のフェロックス》 4 《変容するケラトプス》 1 《大食のハイドラ》 4 《夏の帳》 -サイドボード(15)- |
前環境でも人気のデッキであった緑単色のクリーチャーメガ盛りデッキ。キーカードから「鉄葉ストンピィ」と呼ばれたものだ。その《鉄葉のチャンピオン》はいなくいなったが、同じコストで単純なサイズでは鉄葉を上回るポテンシャルを誇る《ギャレンブリグの領主、ヨルヴォ》が加わった。
そして冒頭でも触れたように《ギャレンブリグ城》というこのデッキのために作られたような土地も加わり、デッキの完成度はより高まったようにも思える。
ヨルヴォのみでなく、新クリーチャーとして《探索する獣》もアタッカーとして加わったのも大きい。
速攻に加えて、鉄葉も持っていた「パワー2以下にはブロックされない」回避能力でガンガンと攻めていく。同時に警戒と接死で攻防一体! ヨルヴォから獣という流れるようなムーブを決めることができれば、ゲームは一瞬でこちらに傾くだろう。
デッキとしては最序盤からクリーチャーを並べていきたいので、1~2マナの低マナ域からクリーチャーがビッシリと採用された構成。
《生皮収集家》《樹皮革のトロール》など、ヨルヴォとともに殴る部隊。
そして《金のガチョウ》《楽園のドルイド》《枝葉族のドルイド》とマナ加速部隊もたっぷりだ。
この枠は戦闘に貢献しないので、後半にドローすると無駄なカードになりがちである。でも2ターン目にヨルヴォや3ターン目に獣という動きは強くそそられる……以前までならこうやって悩むことになったのだが、ヨルヴォはエライ! こういったカードを後半に引いてきても、とりあえず戦場に出せばヨルヴォのサイズはアップする。パワー0の面々も少なくとも1点分の打点に貢献するのだ。さすがは王様だ。
そしてこれらのクリーチャーはまた、《グレートヘンジ》の存在によりまた無駄にならない。
これを唱えるためのコストはクリーチャーの最大パワー分だけ軽くなるとはいえ、もともと9マナの呪文なのでかなり重い。それをスッと戦場に出すにはマナ・クリーチャーの助けは不可欠だろうし、そして《グレートヘンジ》が出た暁にはこれらのマナクリーチャーも+1/+1カウンターを得て最低限の戦力になりつつ、ドローで次のクリーチャーに繋いでくれる重要な歯車となる! 《グレートヘンジ》はライフも回復可能で、できないことの方が少ないとも言えるメリットの塊だ。いち早く戦場へ出し、好き放題暴れてやろう。
前環境でも強かった《アーク弓のレインジャー、ビビアン》《世界を揺るがす者、ニッサ》は依然として超強力なプレインズウォーカーであり、このデッキの打点向上・除去・展開加速とあらゆる任務をこなしてくれる。
これらと併用するのは難しいが、ヨルヴォとの相性は最強である《無効皮のフェロックス》の存在も忘れてはいけない。
このリストではメインには不採用でサイドボードに4枚という形にまとめられているが、その真逆というアプローチもありだろう。ヨルヴォを出した直後にフェロックスで追撃できれば、あまり誘発しないヨルヴォの「自分よりパワーが高ければもう1個カウンターを置く」という能力が活きてくる。いきなり6/6が2体並ぶというブンブンをかましてみたいもんだ。
さて、前回に続いて単色デッキの紹介となったが……このまま次回も単色デッキを紹介しようか! 一体どの色か? それは明日までのお楽しみ!
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