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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

オルゾフ・デスシャドウ(モダン)

岩SHOW

 えっ、もうミシックチャンピオンシップ(以下MC)やるの? ついこの間、MTGアリーナを用いたMCⅢが開催されたばかりじゃないか!

 と、いつもの月日の流れ早いよねネタでスタート。MCⅣのフォーマットはMCⅡ以来となるモダンだ。リミテッドラウンドも『モダンホライゾン』ドラフトで行われ、とにかくモダン尽くしの週末になるってわけだ。

 同セットの発売後、最大規模のトーナメントとなる今大会。《黄泉からの橋》が禁止されたことで、どのデッキが最強なのかは白紙に戻った、まさしく乱世である現モダン。ここで活躍したデッキが今後のモダンの顔となることは間違いない。モダンをこよなく愛する人、最近モダンを始めた人、これからやってみたいと思っている人……誰にとっても見逃せない週末、こりゃ夜更かしは避けられんね!

 今日は『モダンホライゾン』の参入によりその姿を現した、モダンのデッキを紹介しよう!

Tuknir_Deathlock - 「オルゾフ・デスシャドウ」
Magic Online Modern MOCS #11917873 準優勝 / モダン (2019年7月14日)[MO] [ARENA]
1 《冠雪の沼
1 《冠雪の平地
2 《神無き祭殿
1 《血の墓所
1 《聖なる鋳造所
4 《湿地の干潟
3 《血染めのぬかるみ
1 《乾燥台地
4 《無声開拓地
1 《育成泥炭地

-土地(19)-

4 《死の影
1 《ルーンの与え手
4 《潮の虚ろの漕ぎ手
4 《イーオスのレインジャー長
4 《通りの悪霊
1 《グルマグのアンコウ

-クリーチャー(18)-
4 《ミシュラのガラクタ
4 《致命的な一押し
4 《思考囲い
2 《コジレックの審問
3 《発掘
2 《虚無の呪文爆弾
2 《流刑への道
2 《ティムールの激闘

-呪文(23)-
2 《大爆発の魔道士
2 《疫病を仕組むもの
2 《流刑への道
1 《コラガンの命令
4 《虚空の力線
2 《摩耗 // 損耗
1 《ヴェールのリリアナ
1 《最後の望み、リリアナ

-サイドボード(15)-

 《死の影》をフィーチャーしたデッキだ。

 モダンではすっかりお馴染みの、1マナ界では最大サイズになり得るポテンシャルを持った《死の影》。土地にライフを支払い、《思考囲い》で失い、《通りの悪霊》にも支払い……ライフを糧とするカードを多めに取り入れ、自然と自身のライフをすり減らすことで、《死の影》を1マナ7/7とかそういったサイズで運用して殴り勝つ、どちらかといえば玄人向けのデッキである。

 《死の影》系のデッキは一般的に、黒を中心に青・赤・緑の3色からどれかを2色以上、場合によっては白もほんのり足して5色で組まれたりする。だがこのデッキは珍しく、黒と白の2色!(ほんのり赤を添えて)あまり見かけないカラーリングだが、その理由は『モダンホライゾン』からやってきた新戦力によるもの。《イーオスのレインジャー長》だ。

 1マナ以下のクリーチャーを手札に加えることのできる3/3で、《死の影》を見つけてこようってわけだ。《死の影》がおらずにライフだけが減っているという最悪の事態をこれで緩和することができる。このレインジャー長の元になった《イーオスのレインジャー》というカードでも同様の役割、なんなら《死の影》2枚をサーチすることができるのだが、コストが4マナと3マナではモダンでは大きな違い。アドバンテージ量よりも小回りが利き、より早く《死の影》を展開できるレインジャー長だからこそ、黒の相方に白を選んだこのデッキが成立しているわけだ。

 さらにレインジャー長は自身を生け贄に捧げることでクリーチャー以外の呪文を唱えることを封じられる。ソーサリー除去を主としたデッキ相手にこれを起動して他のクリーチャーを護って次のターンの攻撃を確実なものにしたり、コンボデッキに睨みを利かせたり……たった3マナのクリーチャーでここまで万能で良いのかい?と疑問に思ってしまうくらい優秀な長なのだ。

 せっかくレインジャー長で1マナクリーチャーを持ってこれるので《ルーンの与え手》も採用してある。

 これで《死の影》にプロテクションを与えて除去から護ったり、相手のクリーチャーをすり抜けて本体に攻撃を通したり……より安全に《ティムールの激闘》フィニッシュを迎えられるのも嬉しいね。

 デッキの主な動きは手札破壊と、《通りの悪霊》《ミシュラのガラクタ》によるライブラリーの圧縮だ。

 これを《湿地の干潟》からの《神無き祭殿》アンタップインや、《無声開拓地》などのマナ基盤を用いて行うことでライフをどんどんと減らしていく。

 隙あらばレインジャー長から《死の影》を展開し、さっさと殴ってゲームを終わらせる。

 白と黒の2色デッキなので、《潮の虚ろの漕ぎ手》で手札破壊能力を高めてあるのもこのリストの特徴だ。

 《ルーンの与え手》で護ってやれるし、もし死亡しても《発掘》で再利用できるのも高ポイント!《発掘》はレインジャー長も《死の影》も拾えるので、状況に合わせて上手く使ってゲームを有利に進めよう。

 ライフ差がひどくついてるな……という状況からぽろっと出てきた1マナクリーチャーがあっという間にゲームを終わらせるため、初心者には配信を観ていても「なんでライフが多い側が一瞬で負けたんだ?」とわかりにくいデッキかもしれない。そういう理由からも今日は《死の影》デッキを紹介させてもらった。

 今回のMCは本当にどのデッキが勝つのか、予測もつかない状態だ。手に汗握りながら、部屋は涼しくして、熱帯夜の夜更かしを楽しんで!

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