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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
オルゾフ・ヴァンパイア(スタンダード)
マジックは先が読めないゲームだ。現状それほど活躍していないカードが、後に登場したセットのカードと噛み合って大躍進!なんてことが度々ある。
『基本セット2020』のリリース後にはそういった現象が多々見られた。その典型例とも言えるのが吸血鬼。『イクサラン』ブロックの白と黒の主要部族を担っている吸血鬼、《アダントの先兵》こそ白いビートダウンで活躍したが、吸血鬼をメインにしたデッキというのはなかなかスタンダードで存在感を示すことができずにいたものだ。
そこに舞い降りた救世主こそ《傲慢な血王、ソリン》。
過去何度もカード化されてきた吸血鬼のプレインズウォーカーだが、今回の黒単色のソリンはすべての能力が吸血鬼に関するものにデザインされている。コストも3マナと軽く、低コストの吸血鬼でビートダウンを仕掛けるデッキでも問題なく運用できる現実的な設計だ。また、[-3]能力はどんな吸血鬼でもマナを支払わずに手札から戦場に直接出せる、マナ加速的な側面も持っており、低マナ域から4マナ以上のものまで吸血鬼が共存しやすくなったというのも朗報だ。
ソリンだけでなく、1マナ域にかなり上質の吸血鬼が加わったのも大きい。吸血鬼でビートダウンする際にはここがネックだったからね。
《漆黒軍の騎士》はタフネスが2あり、3マナでパワーとタフネスが3も上昇して殴りやすい。
また、自身のターンにプレイヤーが4点以上ライフを失っていれば+1/+1カウンターを得て、どんどんと相手にプレッシャーをかけていく。1マナでは十分な仕事だ。
これら2枚のカードでデッキのクオリティが跳ね上がった吸血鬼デッキをご覧いただこう!
10 《沼》 4 《平地》 4 《神無き祭殿》 4 《孤立した礼拝堂》 1 《オラーズカの拱門》 -土地(23)- 4 《漆黒軍の騎士》 4 《凶月の吸血鬼》 4 《薄暮軍団の盲信者》 4 《軍団の副官》 3 《黄昏の預言者》 2 《聖域探究者》 1 《薄暮薔薇、エレンダ》 2 《薄暮の勇者》 2 《マガーンの鏖殺者、ヴォーナ》 1 《再誕の司教》 -クリーチャー(27)- |
4 《饗宴への召集》 4 《傲慢な血王、ソリン》 2 《復讐に燃えた血王、ソリン》 -呪文(10)- |
4 《血の刺客》 1 《吸血鬼の君主》 4 《強迫》 -サイドボード(9)- |
《漆黒軍の騎士》《凶月の吸血鬼》で先陣を切り開き、《軍団の副官》でそれらを強化して殴る! ソリンでサイズアップして殴る! 《聖域探究者》で殴って吸ってライフを削りきる! ガンガンと前に向かっていく由緒正しきビートダウンデッキだ。
《傲慢な血王、ソリン》で4~5マナの吸血鬼を戦場に出し、一足早くクライマックスへと持って行こう。これにより叩きつけられる《薄暮の勇者》はいつだって頼もしいアドバンテージ源だ。
ヴォーナやエレンダら伝説の吸血鬼らもハマれば強力、《再誕の司教》というシブ~い1枚も散らして採用されているのが魅力的だ。
《饗宴への召集》も特徴的な1枚。
《軍団の副官》と単純に相性がよく、またソリンの3点ダメージ能力のコストのための弾として気兼ねなくトークンを生け贄に捧げられる点も良い。ソリンのおかげで運用しやすくなった《黄昏の預言者》の昇殿能力を達成させるためにも大いに活躍する。もちろん、これを唱えてからのソリンから射出される《薄暮の勇者》は正真正銘の勇者だ。《ケイヤの怒り》でも《燃え立つ門》でも持ってこいや、1ターンで立て直してやるぞという姿勢、素晴らしいッッ。
サイドボードが9枚しか判明していないが、ここにも墓地対策と絆魂で細かな仕事をこなす《血の刺客》のような吸血鬼が採用されていることに要注目だ。
足りない部分は《害悪な掌握》や《灯の燼滅》などで埋めるとしよう。この夏は夜の覇者である吸血鬼がトーナメントシーンを闊歩するか?
今日は特別にリストをもう1つ紹介しよう。同じ《漆黒軍の騎士》とソリンを用いた白黒吸血鬼でも、その質は全く異なるものだ。
6 《沼》 6 《平地》 4 《神無き祭殿》 4 《孤立した礼拝堂》 3 《手付かずの領土》 1 《愚蒙の記念像》 -土地(24)- 4 《漆黒軍の騎士》 4 《アダントの先兵》 4 《飢えた聖騎士》 2 《誓いを立てた吸血鬼》 2 《血に飢えた曲芸師》 3 《聖域探究者》 4 《薄暮の勇者》 -クリーチャー(23)- |
4 《軍団の上陸》 3 《見栄え損ない》 4 《傲慢な血王、ソリン》 2 《復讐に燃えた血王、ソリン》 -呪文(13)- |
4 《強迫》 4 《渇望の時》 3 《灯の燼滅》 2 《害悪な掌握》 2 《マガーンの鏖殺者、ヴォーナ》 -サイドボード(15)- |
《軍団の副官》0枚! これを4枚入れなきゃ吸血鬼は始まらないと思っていたので、なかなかのインパクトを与えられた。
《復讐に燃えた血王、ソリン》とのWソリン態勢であればライフは毎ターンのように得られると判断し、《飢えた聖騎士》《血に飢えた曲芸師》とライフ回復シナジーを持った吸血鬼を優先的に採用。
《誓いを立てた吸血鬼》を《傲慢な血王、ソリン》で毎ターン投げつけてライフを3点吸っていく固定砲台モードは、攻撃を封じる強固なブロッカーが立ち塞がるようなゲームでも勝利への糸口となるだろう。
これらを参考に、皆思い思いの吸血鬼デッキでフライデー・ナイト・マジックなどを楽しんで! ここで小技を。1ターン目に《漆黒軍の騎士》、2ターン目に《アダントの先兵》で4点のライフを支払う。無意味に見える行動だが、「プレイヤーが4点以上のライフを失う」という条件をクリアするので、ターン終了時に《漆黒軍の騎士》に+1/+1カウンターが置かれるのだ。
『イクサラン』ブロックが去ってしまう秋までの間に、これら吸血鬼のシナジーで血を吸って吸って吸いまくれ!
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