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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
The First Sliver(統率者戦)
スリヴァーだ! マジックでは定期的に、このゲームオリジナルの生物・スリヴァーを含むセットが現れる。
スリヴァーとは硬質の骨のような身体に、表情がわからず目も口も見当たらない頭部、1本(種によっては複数の)鉤爪に長い尾という独特のフォルムを持った種族だ。一時期、人やその他の動物に似たシルエットのスリヴァーの個体群が現れたりもしたが、やはりスリヴァーといえば遊星から来たような肉と骨の塊、これだね。
『モダンホライゾン』ではこの古き良き姿のスリヴァーが新しい能力を引っ提げてカムバック! 嬉しいねぇこういうサプライズは。
スリヴァーはいずれも、同じスリヴァー仲間に自分と同じ能力を与えるという特徴を有する。《筋肉スリヴァー》が戦場に出れば皆サイズアップ、《有翼スリヴァー》が出れば皆宙を舞う。
これを活かして、ひたすらに自軍を強化しながら殴る!というスリヴァー・デッキは、彼らが初登場した『テンペスト』のころから、かれこれ20年以上愛され続けている伝統のあるデッキだ。
モダンでも一部のプレイヤーに愛され続けているスリヴァーデッキ、『モダンホライゾン』でパワーアップすること間違いなし!……でも今回は、モダンではなく他のフォーマットのデッキを作ってみようと思う。このセットで登場した《初祖スリヴァー》を用いた統率者戦のデッキだ!
英名は「The First Sliver」、この個体こそが最も古い始まりのスリヴァーだったようだ。《スリヴァーの女王》で史上初の5色クリーチャーを世に送り出してから、5色の伝説のスリヴァーはお約束的存在となっている。
その最新にして最古の存在を用いて、デッキ内からスリヴァーをじゃんじゃんプレイしよう、というのがデッキのコンセプトだ。それじゃあご覧いただこう!
スリヴァーを展開して殴る! シンプルにしてヘビーな猛攻を繰り出す正統派ビートダウンデッキだ。
統率者戦ではゲーム開始時のライフが40点もあるので、それを真面目に削りに行くデッキはそれほど組まれることがない。しかしスリヴァーであれば……《筋肉スリヴァー》《筋力スリヴァー》《捕食スリヴァー》《菅草スリヴァー》《肉裂きスリヴァー》でパワーを上昇させ、《骨鎌スリヴァー》で二段攻撃を得て、《スリヴァー軍団》でさらなるパンプアップをさせれば、40点のライフなんて瞬く間に削り取ることも不可能じゃない。
速攻を共有するスリヴァーもいるので、展開してからタイムラグなく即殴れるのも素晴らしい。最新の《斬雲スリヴァー》はついでに飛行も与えてしまうぶっ飛んだ性能だ。
これら攻撃面に特化した連中に加えて《水晶スリヴァー》《発散スリヴァー》《スリヴァーの首領》といった除去対策チーム、《壊死スリヴァー》《調和スリヴァー》など破壊工作チーム、《神経スリヴァー》《繁殖スリヴァー》のアドバンテージ獲得班などなど、非クリーチャー呪文に頼らずともビートダウンしながら一通りのことができるようになっている。
その都度必要なものは《適者生存》《誘導スリヴァー》で探しに行って臨機応変に戦おう。《初祖スリヴァー》も展開して全スリヴァーが続唱持ちになればもう止められない!
このスリヴァーの群れの中に、スリヴァーでないクリーチャーが3枚紛れている。いや、正確には2枚はスリヴァーか。
《不確定な船乗り》は対戦相手による呪文や能力の妨害をコストアップさせてスピードダウンさせる能力で、スリヴァーたちの生存率を高める。多相持ちなのでこれもスリヴァーたちの能力を分けてもらえるので、ゲームに大いに貢献してくれるだろう。
《限りないもの、モロフォン》はスリヴァーを強化するのはもちろんのこと、そのもう1つの能力でちょっとすごいことができてしまう。それは多相も持たず、唯一にスリヴァーでないクリーチャー《永遠の大魔道師、ジョダー》とのコンボだ。
ジョダーがいればどんな呪文でも{W}{U}{B}{R}{G}で唱えることができる。モロフォンはそのコストを丸ごと軽減してくれる能力を持つ。すなわち……スリヴァーは0マナになる!!
これらが揃っている状況で《同族の発見》か《初祖スリヴァー》がいると……延々と唱えてドロー or 続唱でスリヴァーをライブラリーから射出できる! 《冬眠スリヴァー》がいればスリヴァーを手札に戻せるのでループも途切れない! これは勝ちだ、完全勝利だッッ!
……やりすぎ現実味なさすぎって? そういうのを狙うのが統率者戦の楽しいとこじゃんかよ~たとえ決まらなくても決めることができるエンジンがデッキの中にあると楽しいってもんだよ。
今回のリストは特に土地の面で、比較的集めやすいカードをチョイスして組んでいる。もちろん、持っていたら《Badlands》のようなデュアルランドを入れてマナ基盤をより強くしてほしいね。
部族で統一された統率者戦のデッキは、どれだけ完成度を高められるか、組み甲斐のあるもの。対戦も品評会的な要素が強く、プレイヤーごとのアイディアにきっと驚かされるはずだ。最強部族決定戦など、テーマを決めて仲間とのカジュアルなマジックをエンジョイしてね!
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