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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

ビッグ・シミック(スタンダード)

岩SHOW

「勝つためには」

「強いパーマネントを出します!」

「よろしい、では負けぬためには?」

「相手の強いパーマネントを排除します!」

「その通り。それを繰り返すのがマジックの基本だ」

「では強いパーマネントとは?」

「往々にしてクリーチャーとプレインズウォーカーであります!」

「今のスタンダードは特にそうだな」

「では勝利に近づくのと同時に相手を勝利から遠ざける術を知っているかね?」

「!?」

「奪えばよいのだよ」

「敵軍を我がものとして迎え入れる」

「相手が手札を消費し、汗水とマナを流して築き上げた盤面」

「そっくりいただくというわけだ」

「なんと恐ろしい……」

「ディミーアに逆らう者はどちらを向いても敵に遭う」

AngledLuffa - 「ビッグ・シミック」
Magic Online Competitive Standard Constructed League 5勝0敗 / スタンダード (2019年5月19日)[MO] [ARENA]
8 《
8 《
4 《繁殖池
4 《内陸の湾港
2 《シミックのギルド門

-土地(26)-

4 《ラノワールのエルフ
4 《培養ドルイド
3 《楽園のドルイド
4 《エリマキ神秘家
4 《ハイドロイド混成体

-クリーチャー(19)-
1 《成長のらせん
3 《薬術師の眼識
3 《幻惑の旋律
4 《集団強制
3 《世界を揺るがす者、ニッサ
1 《ビビアン・リード

-呪文(15)-
4 《打ち壊すブロントドン
4 《否認
1 《幻惑の旋律
2 《覆いを割く者、ナーセット
1 《伝承の収集者、タミヨウ
2 《ビビアン・リード
1 《人知を超えるもの、ウギン

-サイドボード(15)-

 現スタンダードはプレインズウォーカーを並べ合う、まさしく灯をぶつけ合う大合戦だ。そのようなデッキを相手にするのであれば、いっそのこと出させてまとめて奪えば良いのではないか、ということでディミーアが誇る最強コントロール奪取呪文《集団強制》をフルパワーで使えるように設計されたのがこのデッキだ。

 6マナで1枚、8マナで2枚、10マナで3枚……奪える枚数は自由自在だが、それに相応しいマナも要求されるので、緑のマナクリーチャーらを始めとしたマナ加速を土台にした2色デッキに仕上がっている。

 最序盤はマナクリーチャーを展開して使えるマナを全力で増やす。《楽園のドルイド》が加わったことで個々の枚数が増え、初手もキープしやすくなった。それでもやはりベストなカードは《培養ドルイド》だ。これを順応させて3マナ出るようにして大技に繋げるのだ。

 中盤はこの《培養ドルイド》の順応を狙いながら、《エリマキ神秘家》で相手に好き放題はさせないようにする。《幻惑の旋律》で中堅クリーチャーを奪って、ライフを護るのも大事だ。《集団強制》を唱える前にやられてしまっては元も子もないからね。

 終盤には《集団強制》か《ハイドロイド混成体》の大技に繋げたいところ。その前にワンクッション、《世界を揺るがす者、ニッサ》を登場させておきたい。

 マナクリーチャーから早く出せれば出せるほど、勝利が近づくキーカードだ。彼女の能力で土地を3/3警戒にするのも強力だが、最も大事なのは森から出るマナを増やす能力! これで、あふれんばかりのマナを得てハイドロイドで大量回復&ドロー、《集団強制》で根こそぎ強いカードをいただく……考えただけで気分が高揚するプレイヤーも少なくないはずだ。相手のものを奪って勝つ、最も合理的で暴力的な青の戦術を緑のマナ供給能力で支える! これぞ由緒正しき色のコラボレーション、2色でデッキを組む意味がしっかりとある美しいデッキだ!

 このデッキの主要アドバンテージ源はハイドロイドと《薬術師の眼識》。

 どちらもドローであるため、《覆いを割く者、ナーセット》で封じられてしまう点には注意したい。ミシック予選などのトーナメントでもこのナーセットがいる状態での本来引けないカードを引いてしまう、という間違いが頻繁に起こっている。マナ出してドローして引いたカードで考えるかぁとプランを描くデッキなので、そのままついうっかり引いてしまうことのないように、落ち着いてプレイしよう!

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