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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
オケチラ・バント(スタンダード)
マジックの背景世界では、一度死亡したキャラクターが復活して再登場することがちょくちょくある。その復活の仕方はほとんどが黒の魔術を用いたもの……平たく言えばゾンビ化だ。
《頑強なるバルソー》は戦死した後にブレイズの手によって《汚らわしき者バルソー》として蘇った。《メレティスのダクソス》もゾンビとなり《蘇りしダクソス》としてカード化された。ゾンビになると黒くなったり、色に黒が足されるというのはマジック界の法則と言ってもいいだろう。《刃の翼ロリックス》も《帰ってきた刃の翼》になったね。
ところが、『灯争大戦』ではこの法則に当てはまらない、ゾンビ化したキャラクターが登場した。オケチラ・ケフネト・ロナスなど元アモンケットの神々だ。もとから黒かったバントゥはさておき、これらの神々はゾンビとなっても存命の頃と同じ単色のままだ。神ということで定命の者とは生と死の仕組みが違う、特別な存在ってことなのかもしれないね。
個人的にはこれらの永遠神がゾンビと神というタイプを併せ持っていることに否応なしにテンションが上がってしまう。どれも見た目がカッコよく、また能力も強力なのでデッキを組んでみたいと思わせてくれるものに仕上がっている。
今日はそんなゾンビゴッドな永遠神の中から《永遠神オケチラ》を用いるデッキを紹介しよう!
二段攻撃でダメージも期待でき、タフネスも6と高くて安心。永遠神サイクル共通の、破壊 or 戦場から追放されてもライブラリーの3枚目に逃げ帰るという除去耐性の高さも素晴らしい。さらにクリーチャー呪文を唱えるとオマケで4/4警戒持ちのゾンビが這い出てくるという……何か間違っていないかと思わせる強烈なパワーカードだ。
リミテッドではこれ1枚で相手を絶望の淵に追いやる最強カード候補筆頭だが、構築でもそのプレッシャーは鬼! 彼女を上手く使うにはクリーチャーをたっぷり採用したデッキを組むべし。こんな具合にね。
3 《森》 4 《繁殖池》 4 《内陸の湾港》 4 《寺院の庭》 3 《陽花弁の木立ち》 4 《神聖なる泉》 2 《氷河の城砦》 -土地(24)- 4 《ラノワールのエルフ》 4 《成長室の守護者》 4 《培養ドルイド》 2 《拘留代理人》 2 《秋の騎士》 4 《エリマキ神秘家》 2 《豊潤の声、シャライ》 3 《永遠神オケチラ》 4 《ハイドロイド混成体》 -クリーチャー(29)- |
4 《野獣の擁護者、ビビアン》 3 《時を解す者、テフェリー》 -呪文(7)- |
1 《拘留代理人》 1 《秋の騎士》 2 《黎明をもたらす者ライラ》 3 《不可解な終焉》 2 《軽蔑的な一撃》 2 《ドビンの拒否権》 2 《時の一掃》 2 《ビビアン・リード》 -サイドボード(15)- |
これはStar City Games Open(SCGオープン)という、アメリカで定期的に開催されている賞金制の大型トーナメントで上位入賞を果たしたデッキだ。オケチラと相性の良い白青緑(通称バントカラー)のクリーチャーとプレインズウォーカーをたっぷりと詰め込んだ、「オケチラ・バント」とでも呼ぶべきデッキだ。
緑は《ラノワールのエルフ》《培養ドルイド》とマナを生み出すクリーチャーが中心であり、5マナのオケチラをキーカードにするこのデッキを支えるエンジンの役目を担っている。
また緑を用いることで手札を補充することも容易になる。毎度おなじみ《ハイドロイド混成体》と、期待の新カード《野獣の擁護者、ビビアン》でアドバンテージを得まくるのだ。
ビビアンは3マナと軽く、1ターン目ラノワールから入れば2ターン目に戦場に送り出すことができる。彼女が戦場にいるだけでこちらのクリーチャーはすべてインスタントのタイミングで戦場に出せる。これで5マナと重めなオケチラを相手のターン終了時に唱えて、隙なく立ち回ることができるというわけ。除去やプレイヤーを狙った呪文に合わせて《豊潤の声、シャライ》を着地させて対象不適正にして打ち消してしまうなんてトリックプレーも可能だ。
[-2]能力も、クリーチャーが29体も入っていることのデッキであれば多くの場合外れずに何らかのクリーチャーが見つかるはずだ。オケチラが戦場にいればどんなクリーチャーでも4/4警戒がついてきて致命傷を与えうる脅威となる。戦場を離れライブラリーに一時帰還したオケチラをすぐさま再出撃させる動きも対戦相手にとっては悪夢そのものだ。[+1]で忠誠度を増やしては[-2]を起動して、1枚のカードから多数のクリーチャーに繋げてアドバンテージを得まくろう。ハイドロイドをここから唱えれば相手の心も砕け散るというもの。
白青緑の3色でこのデッキが組まれているのは、オケチラ・ビビアンに加えて《時を解す者、テフェリー》の存在もあってこそ。
ビビアンがこちらのクリーチャー展開をインスタントのタイミングで行えるようにしてくれるのであれば、テフェリーはその逆で相手のインスタント・タイミングでの行動を許さない。彼が立っているだけで打ち消し呪文は意味をなさず、対戦相手は自分のターンのメインフェイズでのみしか呪文を唱えられなくなる。相手のターン終了時にクリーチャーを唱えれば、打ち消されずに安全にターンが返ってきて除去されずに殴れる、というなんだかズルい状態になるわけだ。このコンビ、えげつねぇ……《根の罠》や《運命のきずな》を用いる「シミック・ネクサス」も自由に動けなくなり、その隙にオケチラ率いるクリーチャーで殴り勝とう!というのがこのデッキの狙いである。
テフェリー以外にも《拘留代理人》《秋の騎士》《エリマキ神秘家》と妨害能力を持ったクリーチャーたちでコンボの成立を防ぎ、その他のデッキ相手にも思い通りのゲームプランを許さない。
これら自身の打点は高くなくても、オケチラがすぐに圧倒的な戦場を作ってくれるのでご心配なく。永遠神のカードパワーを信じて、さああなたもデッキを組んでみよう。
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