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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
モダン強化週間:親和兄弟
モダン強化週間! 今日はアーティファクトで武装したデッキたちを紹介しよう。
前回紹介した「唸りプリズン」とは全く逆で、アーティファクト・クリーチャーで開幕から畳みかけるように攻めて、いち早くライフを0にしようとするアグロデッキだ。
1つ目のデッキの名は「親和」。親和とは『ミラディン』にて登場した能力のことで、自分の戦場のアーティファクトの数だけマナ・コストが軽くなるというもの。これを持ったクリーチャーを一気に展開する超スピードデッキも能力名からそのまま「親和」と呼ばれるようになった。以後、数々のアーティファクト推しセットを経て、今ではすっかり親和持ちは採用されなくなり、すなわちまったく原型を留めてはいないものの、《オパールのモックス》や《バネ葉の太鼓》+0マナクリーチャーから、1ターン目に7枚の手札すべてを使い切るほどのスピードで展開するデッキは「親和」と呼ばれ続けている。
それでは、その最新リストを見てみよう。
1 《山》 3 《産業の塔》 1 《空僻地》 4 《ちらつき蛾の生息地》 4 《墨蛾の生息地》 4 《ダークスティールの城塞》 -土地(17)- 4 《羽ばたき飛行機械》 2 《メムナイト》 4 《信号の邪魔者》 4 《電結の荒廃者》 4 《鋼の監視者》 4 《大霊堂のスカージ》 1 《エーテリウムの達人》 -クリーチャー(23)- |
4 《オパールのモックス》 2 《溶接の壺》 4 《感電破》 4 《バネ葉の太鼓》 2 《実験の狂乱》 4 《頭蓋囲い》 -呪文(20)- |
2 《刻まれた勇者》 2 《急送》 2 《呪文貫き》 2 《古えの遺恨》 2 《減衰球》 2 《安らかなる眠り》 2 《ギラプールの霊気格子》 1 《実験の狂乱》 -サイドボード(15)- |
モダンの「親和」の最大の武器は《頭蓋囲い》だ。
前述のマナ・アーティファクトやアーティファクト・土地などで戦場のアーティファクトの数を一気に増やすことのできるこのデッキでは、装備しているクリーチャーのパワーを5以上増やすことはザラ。これを装備した《大霊堂のスカージ》は、大ダメージと大量回復を同時にこなすバケモノとなって暴れ回ってくれることだろう。
《感電破》で後押ししても良いし、通常ダメージよりも素早くゲームを終わらせる《墨蛾の生息地》での毒殺を狙うのも良し。単体ではちっぽけなマシーン軍団を、囲いや《電結の荒廃者》《鋼の監視者》で強化して殴る! 思い切りの良いデッキが使いたいプレイヤーにはおあつらえ向きだ。
このデッキは最近、アーティファクト以外のカードで強化された。《実験の狂乱》だ。
何度も言うように、このデッキは一瞬で手札を使い切る、なので狂乱のデメリットも関係ない。土地の枚数は少なく、デッキを構成するカードは軽いものばかりなので、ライブラリーの一番上を連鎖的に唱えていって、息つく暇も与えぬ攻めを継続できることだろう。
本日紹介するもう1つのデッキは、この「親和」の弟分とも言えるデッキだ。《頭蓋囲い》ではなく、《電結の荒廃者》《鋼の監視者》などによる+1/+1カウンターを置く形での強化により特化したタイプになっている。リストを見てみよう。
6 《森》 1 《ペンデルヘイヴン》 2 《ラノワールの再生地》 2 《地平線の梢》 4 《墨蛾の生息地》 1 《ちらつき蛾の生息地》 4 《ダークスティールの城塞》 -土地(20)- 4 《電結の働き手》 4 《電結の荒廃者》 2 《金属ミミック》 4 《搭載歩行機械》 4 《歩行バリスタ》 -クリーチャー(18)- |
4 《オパールのモックス》 4 《溶接の壺》 4 《古きものの活性》 4 《硬化した鱗》 3 《活性機構》 3 《ゲスの玉座》 -呪文(22)- |
2 《呪文滑り》 4 《自然の要求》 3 《墓掘りの檻》 3 《減衰球》 3 《四肢切断》 -サイドボード(15)- |
《硬化した鱗》がキーカードなので「鱗親和」と呼ばれているものだ。
《歩行バリスタ》《搭載歩行機械》といった単体でも強力なクリーチャーを、鱗がある状態での荒廃者や監視者、《ゲスの玉座》などで育て上げ、爆発的なダメージを弾き出して圧倒しようというデッキだ。隙あらば荒廃者にアーティファクトを食わせまくり、その能力で自身を生け贄に捧げて接合能力を誘発、墨蛾に+1/+1カウンターをじゃらじゃら乗せて一撃毒殺を狙っていく。
鱗のために緑が色濃くなったことで、《古きものの活性》を使ってその時に最も欲しいカードを探しにいけるのが強みだ。
また、《森》が多いので《石のような静寂》でマナを得られないということも起こりにくく、サイドボードの《自然の要求》を安定して使えるという点も本家にはないこのデッキならではの部分。今では使用率でも本家に勝っており、ノリにノッているデッキである。
親和兄弟どちらにも言えることだが、勝つためのカードがアーティファクトであるため、モダンにあふれる対策カードにより簡単に封じられてしまう点には注意。メインではその圧倒的な速度により多くのデッキを踏み潰すことができるが、サイド後が鬼門なのだ。
まあ、親和に限らすモダンにおける多くのデッキは、このサイド後のゲームからが本番と言っても過言ではない。相手の対策を乗り越えるためのプレイングとサイドボードでなんとかするわけだが、これらのデッキに関しては思い切りよく展開することも大事だろう。対策を引かれる前に勝負を決める、一種の根性を試すデッキなのかもしれないね。
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