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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
DKT(スタンダード)
事の発端は、MTGアリーナで以前開催された「おひとり様ウィークエンド」イベントにて。基本土地以外はデッキに1枚制限という特殊ルールで対戦を行うもので、配信しながら楽しくやっていた。
終盤、テンションが昂りすぎて「伝説のクリーチャーとプレインズウォーカーを入れまくった煌びやかなデッキでやってやるって!」と勢いだけでどうしようもないデッキを作ってしまった。こんなもの回るわけがない、とは視聴者のみならず制作者自身も強く思っていたのだが、予想に反してスイスイと動き、プレインズウォーカーたちが並んで圧倒的な盤面を作り上げて4勝することができた。配信が盛り上がったので万々歳、ついでにあるひとつの発見があった。
「ドビンとカーン、流れるように展開できたら強いな」
というものだ。《大判事、ドビン》は3マナと軽く、飛行機械・トークンを生成できる。これに続いて《ウルザの後継、カーン》を展開し構築物・トークンを生成。1/1飛行が2体と3/3が1体という盤面ができ、次のターンにはドビンを使い潰して飛行機械生成&カーンでまた構築物を作ってトークンのサイズアップを狙っても良いし、どちらもプラスにして忠誠度&手札を補充しても良い。お互いがアーティファクト・クリーチャーを生み出せるということで、実に噛み合ったコンビだ。
ここに各種アーティファクトを絡めて、強固な鋼の軍団を作り上げるデッキ……組めないかな? という思いがふつふつと。すぐさまドビンとカーンを4枚ずつ、後は青白のコントロール要素が強めのカードを片っ端から入れて適当にデッキにしてみた。が、作ったまでは良いが特にこれをがっつりと調整することもなく、たまに思いだした時にランク戦をちょろっと回して、強かったカードといらないカードの枚数を入れ替えたりするくらい。
このデッキの存在も忘れて世間ではミシックチャンピオンシップが開催され、その後は月末のランク戦ラストスパートを迎える。この期間はずっと環境の強力デッキをプレイし続け(しかしこれが全然勝てなかった、トホホ)……3月を迎える。
ランクもリセット、心機一転今月は良いところ目指して頑張ろう!という気持ちと同時に、肩の力を抜いて遊びたいという思いも。そこである日の配信の際に、このドビン&カーンデッキのことを思い出し「こんなデッキあるんでっけど、見てみまっか?」と適当にプレイ開始。
すると……不思議なくらいに勝てる。これまでトーナメントで結果を残したデッキをコピーしてはうまくいかず、を繰り返していたのはなんだったのかと思えるほどに。やっぱり、自分がいちから組んだデッキというのが良かったのだろうか?
というわけで、僕がこの2019年3月現在、スタンダードでもっともお気に入りのデッキがこれ、「DKT」だ!
9 《島》 7 《平地》 4 《神聖なる泉》 4 《氷河の城砦》 -土地(24)- 3 《財力ある船乗り》 -クリーチャー(3)- |
4 《宝物の地図》 3 《封じ込め》 1 《アズカンタの探索》 4 《吸収》 3 《イクサランの束縛》 2 《浄化の輝き》 1 《神聖な訪問》 1 《呪文詐欺》 4 《解任 // 開展》 4 《大判事、ドビン》 4 《ウルザの後継、カーン》 2 《工匠の達人、テゼレット》 -呪文(33)- |
2 《黎明をもたらす者ライラ》 3 《否認》 2 《魔術遠眼鏡》 4 《ベナリア史》 2 《幻惑の旋律》 2 《残骸の漂着》 -サイドボード(15)- |
D(ドビン)・K(カーン)ときて、Tはテゼレット!
《工匠の達人、テゼレット》もまた、スタンダードにおけるアーティファクトに関わりの深いプレインズウォーカーだ。これら3体が並ぶと、盤面も手札も充実しまくってヤバいことになる……そんなウハウハモードを堪能する、ただその欲求を満たすためのデッキである。
根っこの部分は青白のコントロールデッキ。プレインズウォーカーが並ぶにはある程度余裕が必要だ。《吸収》で打ち消し、《浄化の輝き》でリセットする。古き良き時代の、コントロールのテンプレとも言える構成だ。
コントロールデッキに必須なアドバンテージ源は、3名のプレインズウォーカーに加えて《宝物の地図》を。
占術でドローの質を高めると同時に、これ自身がアーティファクトであるためカーンとテゼレットとの相性が良い。《宝物の入り江》に変身させれば宝物・トークン生成でさらにアーティファクトカウントが増し、構築物のサイズがパワフルなことになるしテゼレットで2枚ドローも夢じゃない。宝物はマナ加速にもなるし、ドローに使っちゃっても良いしね。
同じくアーティファクトカウントを増やすカードとして、《解任 // 開展》を採用している。
《開展》が思っていたよりも強い! インスタント・タイミングで飛び出して、回復しつつ相手のクリーチャーをブロック。打ち取れれば万歳、そうでなくてもプレインズウォーカーとプレイヤーを護れればカード1枚分の役目は果たしている。これとドビンでじわりじわりと回復するのが赤いデッキに勝つためには重要になってくる。構築物のサイズがいきなり2も上がるので相手の計算を狂わせやすいのも素晴らしい。また、《解任》のモードで唱えられるというのも結構重要だ。相手のクリーチャーをタップしてしのぎ、《執着的探訪》を剥がしたり無理やり《封じ込め》したりとシブい活躍を見せてくれる。
宝物を生成する《呪文詐欺》は半分ネタで入れているが、これで《運命のきずな》なんかを打ち消して勝つと多元宇宙一気分が良い。構築物が突然11/11になった時には一人で笑ってしまった。
このデッキはコントロールといっても構えすぎないのが特徴。そりゃあ更地にプレインズウォーカーが最高で最強のシチュエーションだが、世の中そうも自分の思い通りにはいかない。ある程度開き直って、自分のターンにマナを使い果たしてでも強気の展開をした方が良い結果に繋がることがある。
それに、どのプレインズウォーカーもトークンを生成して自衛できるので、うまくいけば生存してターンを迎えられる。そうなるとしめたもの、後は好きなだけプレインズウォーカーの力に酔いしれれば良い。それにもし落とされてしまっても、それはそれで構わない。特にドビン、最終的に落とされてしまっても3マナのこのカードで数ターン相手を引き付けることができれば十分だ。結果として10点以上のライフに貢献してくれることも多く、相手がこれを落とそうと躍起になってくれればプランが立てやすい。処理されても4枚入っているからすぐに後続が出せるしね! その頃には《吸収》を構えながら、より安全に展開できるだろう。
このデッキで、アリーナに多い青単・赤単・白単にはかなり勝てている。トランプルを持たないクリーチャーの攻撃を、上述のようにドビンがいなしてくれるのが大きい。
まだまだ書きたいことはあるけれども、紙面の問題でこのぐらいにしておこう。自分でいちからデッキを作ったのは久しぶりだが、やっぱり楽しいね! これぞマジックの醍醐味だ。《ドミナリアの英雄、テフェリー》を使えばもっと楽に勝てるかもしれないが、それでは構築物を巨大ロボにして突っ込ませる快感は味わえない。あくまで趣味のデッキではあるのであまりオススメはしないが、誰かが使ってくれてより良い形にしてくれると嬉しいね。皆も、デッキを作ってくれよな!
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