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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
赤単アグロ(スタンダード)
さあいよいよ、初のミシック・チャンピオンシップが開催だ! 一体誰が、どんなカードを、どんなデッキを使って勝つのか? 競技マジックの新たな歴史がここから始まる!
熱戦を彩るであろうデッキはあれこれ紹介してきたが、確実にその姿を現すデッキであり、かつ「熱さ」に定評のあるデッキを紹介して、今週末に向けた予習の締めとしたい。2月の寒さも吹っ飛ばすホットなデッキと言えば、もちろん「赤単アグロ」のことだ!
当たり前のことだが、新セットが出るたびにどの色も恩恵を受けている。こういうデッキで使おう、というコンセプトがはっきりしたものもあれば、色が合うデッキにとりあえず採用されるユーティリティーなものまで、そのバリエーションはさまざまだ。
ただ、その中で赤が特別に優遇されているように感じているプレイヤーは多いはずだ。それはおそらく、赤いカードが新セットで得る強力カードが、どれもこれも赤単色のアグロデッキにて活躍するタイプのカードであるからだろう。ベクトルが同じ方向を向いているので、デッキ構築も簡単。そして、赤単の弱点とも言える「手札が尽きる」という状況を回避できる可能性を持ったカードが続々と押し寄せているという流れも、赤が特別強化されているように感じる要因だろう。
これら疑似ドローカードの一番偉いところは、共存できること。手札からカードをプレイできなくなる狂乱を設置していても《舞台照らし》で追放したカードは問題なし、また4マナと重めな狂乱を設置するために必要な《山》を獲得する手段も《舞台照らし》が担う……そんな感じで、今はこの2枚を共存させた形が赤単の王道だ。
22 《山》 -土地(22)- 4 《ギトゥの溶岩走り》 4 《遁走する蒸気族》 4 《ヴィーアシーノの紅蓮術師》 4 《ゴブリンの鎖回し》 -クリーチャー(16)- |
4 《ショック》 4 《稲妻の一撃》 4 《舞台照らし》 4 《魔術師の稲妻》 2 《批判家刺殺》 4 《実験の狂乱》 -呪文(22)- |
2 《凶兆艦隊の向こう見ず》 3 《再燃するフェニックス》 4 《溶岩コイル》 2 《宝物の地図》 1 《焦熱の連続砲撃》 1 《火による戦い》 2 《苦悩火》 -サイドボード(15)- |
環境最初期に比べると、約1か月という調整期間を経てかなり洗練されたリストに仕上がっているように見える。
環境最初期に注目された《批判家刺殺》は、絢爛を達成できている時は強いのは当たり前だが、そうでない場合に3マナでソーサリーという点がどうにももっさりしてしまう、という弱点からこのリストでは2枚に抑えられている。もちろん、《静電場》なんかを使うリストならもっと採用して良いと思うけどね。
このデッキはバーンに完全に振り切るというよりは、クリーチャーによるビートダウンも狙っているのでこういう形に落ち着いているわけだ。……まあ、今さら説明する必要もないくらい強力で安定しているデッキだ。対戦相手が少し出遅れてしまえば一気に畳みかけて勝ってしまう、赤単の強みはそういうところだね。3色以上のデッキでショックランド(《繁殖池》など)を採用しているデッキが多いのも追い風だ。
ただメインは強くても、割と簡単に対策されてしまうデッキではある。ライフ回復を連打されると苦しい。なのでサイドボードは、どちらかというとどっしり構えて戦えるようにデッキを中速に変形させるパーツで構成されることが多い。
プレイヤーに撃ち込んでいた火力を《溶岩コイル》などの除去専門のものに置き換え、《宝物の地図》でアドバンテージを稼いで、《再燃するフェニックス》などのしぶといカードで殴り勝つ……また、この中速を意識させて実は高速仕様に戻してるよ、みたいな揺さぶりをかけられる点も面白い。
14 《山》 4 《根縛りの岩山》 4 《踏み鳴らされる地》 -土地(22)- 4 《ギトゥの溶岩走り》 4 《遁走する蒸気族》 4 《ヴィーアシーノの紅蓮術師》 4 《ゴブリンの鎖回し》 -クリーチャー(16)- |
4 《ショック》 4 《稲妻の一撃》 4 《舞台照らし》 4 《魔術師の稲妻》 2 《批判家刺殺》 4 《実験の狂乱》 -呪文(22)- |
2 《凶兆艦隊の向こう見ず》 4 《燃えがら蔦》 3 《溶岩コイル》 2 《宝物の地図》 1 《焦熱の連続砲撃》 3 《争闘 // 壮大》 -サイドボード(15)- |
おまけで緑をほんのり足した形も紹介しておこう。ご覧の通り、メインデッキは土地構成以外に違いは全くない。緑を足している理由はサイドの《燃えがら蔦》のためだ。
同じ赤単同型であれば相手が火力を撃つたびにライフがじわじわと削れ、先置きして《実験の狂乱》に睨みを利かせられる点も優秀。他にもエンチャントを設置してドローを連打する、いわゆるネクサス系のデッキにも効果がある。
《争闘 // 壮大》の《争闘》は《黎明をもたらす者ライラ》なんかを2マナでサクッと潰せて、《壮大》は最後の数点を削るにはもってこい。赤単は好きだけど、やることが同じで少し違ったことが……というプレイヤーには試してほしい構成だ。
対策されやすいが、デッキパワーが高いことには間違いない赤単。前回プロツアーでは日曜日のプレイオフに残れなかったが、今度こそ完成度の高さで頂点を獲るのか? さぁ、激闘を見届けよう! 3月7日には日本語のダイジェスト番組も放送されるそうなので、そちらも楽しみだ!
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