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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

オルゾフ・コントロール(スタンダード)

岩SHOW

 オルゾフ組。このギルドは宗教という形でラヴニカの人々に受け入れられているが、それはあくまで表向きの活動。実際にはそれを隠れ蓑にしてある一つのことを追求している……ビジネスだ。権力を手にしてがっぽり儲けるために、オルゾフのメンバーたちは暗躍しているのだ。銀行を運営したりね。ある意味、ラヴニカをコントロールしていると言っても良いね。

 ゲーム的にも白と黒のギルドだから、盤面に触るのは昔からお手の物。『ラヴニカの献身』からは幽霊暗殺者であるケイヤが、このギルドの中枢である幽霊議員たちを排除しにやってくる形で参入。非物質の相手を殺めることが出来る彼女が加わって、そのコントロール力はさらに増した。

 主流の「エスパー・コントロール」から青を抜いた「オルゾフ・コントロール」を確認してみよう!

Robert Tatro - 「オルゾフ・コントロール」
Star City Games Invitational Qualifier Fall River 4位 / スタンダード (2019年2月2日)[MO] [ARENA]
4 《平地
4 《
4 《神無き祭殿
4 《孤立した礼拝堂
3 《オルゾフのギルド門
4 《廃墟の地
1 《オラーズカの拱門
1 《探知の塔
-土地(25)-

3 《黎明をもたらす者ライラ
1 《恩寵の天使
-クリーチャー(4)-
4 《宝物の地図
2 《魔学コンパス
4 《屈辱
4 《ケイヤの怒り
4 《ヴラスカの侮辱
2 《イクサランの束縛
2 《最古再誕
2 《天上の赦免
1 《昇華 // 消耗
2 《オルゾフの簒奪者、ケイヤ
4 《ウルザの後継、カーン
-呪文(31)-
4 《強迫
2 《安全の護符
2 《魔術遠眼鏡
3 《肉儀場の叫び
3 《ドリルビット
1 《ウルザの殲滅破
-サイドボード(15)-
StarCityGames.com より引用)
 

 エスパーにとって標準装備である《屈辱》と《ケイヤの怒り》があるため、オルゾフがクリーチャーやエンチャントなどの除去に優れた色なのは周知の事実。

 これに《ヴラスカの侮辱》や、最近あまり見なくなっていた《最古再誕》も加われば、プレインズウォーカーだって脆いもの。

 というわけで、それらの呪文で徹底的な破壊を繰り返し、戦場にあるのはこちらのパーマネントだけにしよう、というのがこのデッキの狙いだ。容赦がなく、支配的な感じがオルゾフっぽくて良いねぇ。

 その手の盤面を掌握するコントロール、通称ボード・コントロール系のデッキは前環境にもいくつかあった。それらのデッキが成り立っていたのは《宝物の地図》があったから、と言っても過言じゃない。

回転

 このアーティファクトでドローを調整し、ターンが進めば使えるマナが一気に増えるし、マナではなくドローにだってできてしまう。序盤は占術で生き延びるために必要なカードを探し、盤面を流しきったらこちらが攻勢に転じるための燃料となる……この手のデッキにとって、これほど理想的なカードはないね。

 その地図と併せて強いのが、これまたこの手のデッキの心強い友である《ウルザの後継、カーン》だ。

 毎ターン確実に手札を増やすことができるのも強いが、このタイプのデッキでは壁役兼フィニッシャーとしての仕事をしっかりとこなしてくれる点が評価されている。構築物・トークンを生成し、《宝物の地図》を《宝物の入り江》に変身させて宝物・トークンを得ると……何と一気に4/4。これが盤面を支え、相手のクリーチャーを潰し終えれば速やかにライフをすり潰してくれる。安心と信頼の、このデッキの主役コンビである。

 このカーンに加えて採用されているプレインズウォーカーが《オルゾフの簒奪者、ケイヤ》。

 彼女は隙間産業的な能力を持ち合わせており、一見カードパワーは低いのだが、ハマればこれがなかなかいやらしい。

 墓地のカードをカウントするカードは《アズカンタの探索》や《弾けるドレイク》など、少なくない。そういった墓地利用カードに刺さらなくとも、クリーチャーを除去してそれを追放し、2点回復でライフを危険域から脱出させるという、実際に使ってみるとこれはいぶし銀!と思える働きを見せてくれる。

 1マナ以下のパーマネントを追放する能力も、《ラノワールのエルフ》や《プテラマンダー》など、環境にはそこそこあるのでヒットすることもあるだろう。特に「青単アグロ」に対してはこれで追放を狙うところから入って、打ち消しなどされればそれに対応してインスタント除去を撃ち込めば良い。パーマネントとして戦場に残るのは、こういったデッキにとってなかなかに厄介だ。

 カーンもそうだが、[-5]能力で一気に勝ちに行けるという点も評価したい。自身の能力での追放のみならず、《ヴラスカの侮辱》《イクサランの束縛》《昇華 // 消耗》などで追放したカードもカウントして相手のライフを削るので、思っているよりもごりッとライフを持っていけるはずだ。

 そしてその能力を後押しする追放カードであり、除去でもあり、勝つそれ自体がゲームエンドをもたらすフィニッシャーであるのが《天上の赦免》!

 リミテッドではこれを手に入れればそれだけで勝ち組ちと言える超絶パワーカードで、構築でも戦場に出せれば文句なく強い。クリーチャー・デッキ相手には、これを貼れるまで生き延びることができればミッション・コンプリート。宝物・トークンで唱えるハードルも下がっているはずだ。相手の盤面が貧弱になり、こちらは2/2飛行を量産できる……これや《黎明をもたらす者ライラ》、《恩寵の天使》で相手の心に「あーこれはもう倒しきれんな」という思いを起こさせて勝つ、それもまたオルゾフらしくて良いぞ。

 エスパーは自分にはハードルが高いとか、3色以上だとレア土地を揃えるのが大変……という人には一度検討してみてほしいね。2色でも十分、強くて楽しいデッキは作れるのだ!

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