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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

サバイバル2019(レガシー)

岩SHOW

 最もファンの多いカード、というものを決めるのは難しい。

 それこそ世界中にとてつもない数のマジックファンがいて、そして日々増え続けている。ナンバーワンのカードを決めるのはそう簡単にはできないだろうし、評も相当にバラけるだろう。ただ、世代を限定すればある程度絞れてくるだろう。僕と同じ30代前半と、その前後の世代なら……《適者生存》最高!というプレイヤーは相当な数になるんじゃないかな。

 クリーチャーならなんでも、状況に合ったベストなカードをいつでも手札に用意できるという、マジックプレイヤーの理想を現実にしてくれるカードパワー。墓地に落ちるクリーチャーを活かして《生ける屍》、《復讐蔦》や《忠臣》とのコンボも狙えて、オールマイティな素晴らしいカードだった。スタンダードで現役の際には《貿易風ライダー》を引っ張ってきて相手をコントロールし尽くすデッキが広く愛されたものだった。メディアの露出も多く、このカードを使いまくった・使ってみたいと憧れていた少年少女は数えきれない。

 この《適者生存》は、残念ながらレガシーでは禁止カードとなっている。前述の《復讐蔦》とのコンボが非常に強力で、かつ今後のクリーチャーのデザインに制限を与えかねないとのことで、これはやむを得ないものだった。

 寂しいことではあるが、しかしレガシーにはこのカードの亜種がまだ生き続けている! 《獣相のシャーマン》と《緑の太陽の頂点》だ。

 マナ・クリーチャー、アドバンテージ獲得源、妨害能力持ち、フィニッシャー……ゲームのあらゆる場面で最適なものをお届けする、サバイバル(適者生存)デッキの現代版がここにある!

Bedell - 「サバイバル」
Magic Online Competitive Legacy Constructed League 5勝0敗 / レガシー (2018年12月14日)[MO] [ARENA]
1 《
1 《ドライアドの東屋
2 《Savannah
2 《Tropical Island
1 《Bayou
1 《Tundra
4 《霧深い雨林
4 《吹きさらしの荒野
-土地(16)-

3 《極楽鳥
3 《ルーンの母
3 《貴族の教主
1 《クウィリーオン・レインジャー
4 《獣相のシャーマン
1 《ガドック・ティーグ
1 《翻弄する魔道士
1 《クァーサルの群れ魔道士
1 《漁る軟泥
1 《スクリブのレインジャー
1 《トレストの使者、レオヴォルド
1 《メリーキ・リ・ベリット
1 《オルゾフの司教
1 《平和の番人
1 《改革派の結集者
1 《聖域の僧院長
1 《呪文捕らえ
1 《真の名の宿敵
1 《法務官の声、アトラクサ
1 《宮殿の看守
1 《豊潤の声、シャライ
-クリーチャー(30)-
4 《霊気の薬瓶
3 《渦まく知識
2 《暗殺者の戦利品
2 《森の知恵
3 《緑の太陽の頂点
-呪文(14)-
2 《翻弄する魔道士
1 《封じ込める僧侶
1 《エーテル宣誓会の法学者
1 《金粉のドレイク
1 《スレイベンの守護者、サリア
3 《フェアリーの忌み者
2 《聖域の僧院長
1 《秋の騎士
1 《エレンドラ谷の大魔導師
1 《ネル・トース族のメーレン
1 《梅澤の十手
-サイドボード(15)-
 

 クリーチャーがズラリ30枚! もうこれだけで嬉しい気持ちになるプレイヤーはまさしくサバイバリスト。

 このデッキが最序盤に必要とするのマナクリーチャー、《貴族の教主》《極楽鳥》だ。

 《緑の太陽の頂点》はこれの水増しとしてマナを確実に伸ばしてくれるわけだが、1ターン目にX=0で唱えて《ドライアドの東屋》を持ってくることもできてしまうこともお忘れなく。

 それでいてライブラリーの中に帰っていくので、後に引いた際にはマナを注いで強いクリーチャーを持ってきてやろう。状況や相手のデッキに応じて《ガドック・ティーグ》や《クァ―サルの群れ魔道士》を持ってきて妨害したり、《改革派の結集者》でアドバンテージを得てやろう。

 これらのカードを持ってくるのであればそれなりにマナが必要になってくる。マナ・クリーチャーを《クウィリーオン・レインジャー》《スクリブのレインジャー》でアンタップしつつ手札に戻した森タイプの土地を再度セットしてマナをガンガン生み出そう。

 レインジャーズは《ルーンの母》とも相性が良く、能力のコストで戻す森を《ドライアドの東屋》にすることで「東屋でブロック→戻す」を繰り返すことでカードを失わず毎ターンブロッカーを用意するという小技も狙えるぞ。

 クリーチャーサーチとしてはかなり強力な《緑の太陽の頂点》だが、その名の通り緑のクリーチャーしか持ってこれないことが弱点。そこで、《適者生存》の正統リメイク《獣相のシャーマン》の出番だ。クリーチャーなので除去されたり召喚酔いする・タップ能力なので1ターンに何度も起動できないなどの弱点はあるが、それでも手札のクリーチャーカードを1枚、ライブラリーの中の好きなものと交換できる能力は魅力的だ。

 このシャーマンのおかげで《呪文捕らえ》《オルゾフの司教》《宮殿の看守》《平和の番人》といった緑が絡まない、特定の条件下でパワーを発揮するクリーチャーを運用できるようになっている。

 中でも目を引くのは《メリーキ・リ・ベリット》!

 この伝説のクリーチャーは、それ自身は1/1と貧弱も良いところだが、タップするだけで対象に取れるクリーチャーはなんでもコントロールを奪うことができるという強烈な能力を持っている。クリーチャーデッキ相手に、生きて召喚酔いが解けるのを迎えられれば……地獄の始まりだ! 彼女は通常の形ではアンタップすることはなく、またアンタップ状態になると奪ったクリーチャーは破壊されるようになっている。これを、またまたレインジャーズでアンタップさせて悪用してやろうと……そういうデッキなのだ。《ルーンの母》に守られながら、ひとりまたひとり、メリーキがクリーチャーを奪っていく……これはかつての《貿易風ライダー》によるハメ技にも似たえげつなさ。

 これだけでも十分勝負はつきそうだが、いろんなケースを考えてきちんと殴るクリーチャーも用意してある。定番の《真の名の宿敵》は、《貴族の教主》擁するこのデッキではパワー3などでは留まらない重いパンチを放ってくれるだろう。

 あとはやっぱり《法務官の声、アトラクサ》が気になるよなぁ!

 増殖能力はまったくシナジーがないわけではないが、これでカウンターを増やしてとても嬉しいというデッキでもなく、どちらかといえば相手の《虚空の杯》のカウンターを増やしたりして計算を狂わせる方向への期待が上回る。まあこの能力を抜きにしても、飛行・警戒・接死・絆魂を持った4マナ4/4の時点でスーパークリーチャーであることは間違いない! 増殖だけじゃなく殴り合い上等な作りになっているのは頼もしい。

 《適者生存》に憧れ、胸を焦がした世代にはぜひとも手に取ってほしいね。今後新クリーチャーが現れるたびに、このデッキは確かな強化・進化を遂げていくのだろう。君だけのラインナップを世界に披露してやろう!

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