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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
千年嵐(スタンダード)
今回は自作のデッキを紹介させていただこう。少し前にMTG Arenaでハマっていた《千年嵐》を用いたコンボデッキだ! 早速リストからいってみよう。
5 《島》 3 《山》 4 《蒸気孔》 2 《硫黄の滝》 4 《湿った墓》 1 《水没した地下墓地》 2 《断崖の避難所》 3 《孤立した礼拝堂》 -土地(24)- 2 《つぶやく神秘家》 -クリーチャー(2)- |
4 《選択》 2 《ショック》 4 《稲妻の一撃》 3 《急進思想》 3 《思考消去》 2 《任務説明》 2 《活力回復》 1 《一瞬》 2 《轟音のクラリオン》 1 《記憶の裏切り》 1 《不快な冷気》 2 《海賊の略奪》 1 《首謀者の収得》 2 《千年嵐》 3 《発見 // 発散》 1 《発展 // 発破》 -呪文(34)- |
4 《正気泥棒》 1 《つぶやく神秘家》 4 《強迫》 1 《活力回復》 1 《海賊の略奪》 1 《浄化の輝き》 1 《ミラーリ予想》 1 《千年嵐》 1 《ドミナリアの英雄、テフェリー》 -サイドボード(15)- |
『ラヴニカのギルド』の中でもトップクラスのロマン溢れる……否、迸るカード、《千年嵐》!
このカードはマジックをはじめたばかりのプレイヤーには少々分かりにくい、ややこしいことがテキストに書かれている。このカードはマジック史上最も凶悪であるとされる「ストーム」という能力をマイルドに調整して現代に蘇らせたものだ。
ストームを持つインスタントおよびソーサリーは、それを手札から唱えた際に能力を誘発させる。そのターンにすでに唱えられた呪文1つにつき、その呪文のコピーを1つ生み出すのだ。これを利用して軽いドロー呪文とマナを生み出す呪文を連打した後に《苦悶の触手》でライフ20点を吸い尽くすコンボデッキや……その他いろいろとデンジャラスなデッキが作られた。
このストームという能力は再録するには少々危険だが、調整を施せばゲームを面白くする要素になる……そんな野心が込められたであろう《千年嵐》。このエンチャントは、インスタントかソーサリーに疑似ストーム能力を与える……すでに唱えられたインスタントとソーサリーの数のみをカウントすること、自分が唱えた呪文しか参照されないことが本家ストームとの違いだが、まあ似たようなもんで……同じターンに呪文を唱えれば唱えるほど、それのコピーが大量に発生してとんでもないことになる、そういう夢のあるカードだ。
このデッキはこの《千年嵐》で勝つことを目標にしている。具体的にどう勝つかというと、《稲妻の一撃》のコピーを大量に作って相手のライフを削りきる、というのが多くのゲームで目指すゴールだ。《稲妻の一撃》でゲーム開始時のライフ20点を0にしようと思うと、これを7発撃ち込まなくてはならない、ということは、前もって6回インスタントorソーサリーを唱えていなければならない……この条件は厳しそうに見えるが、これが案外そうでもない。
こんな具合に、ズドンズドンと雷を叩き込んでライフを削りきるのは快感極まるので、皆も是非チャレンジしてみてほしい。
ゲームプランとして、まず序盤はドロー呪文を用いてコンボが開始できるように土地と《千年嵐》を引き込んでいく。
この時に注意したいのが、たとえば《選択》を本当に唱える必要があるのか? など、都度考えながらプレイしていきたいということ。《千年嵐》はそれをポンと置いただけでは何もしない。そこから呪文を唱えてこそ意味のあるカードである。それ自体は6マナと重く、置いたターンにゲームを終わらせることもできるが、ターンを跨ぐこともある。いずれにせよ、軽いドローを持っている状態で設置することで、置いてからスムーズに動いてそのまま勝ったり、あるいは《暗殺者の戦利品》で破壊されることとなっても対応して《急進思想》から《選択》でカードを引いて次に備える……という動きができたりする。そのあたりを意識してプレイしてほしい。
ドロー呪文の中でも《千年嵐》と相性が良いものが2つある。1つは《活力回復》。
これは僕が実際にMTG Arenaで対戦したプレイヤーに用いられて、泡を吹いて倒れそうになった経験から採用している。このデッキは《轟音のクラリオン》などでクリーチャーを除去できるとはいえ、割と相手に対して殴られてしまうデッキである。ライフが残り少ない状況で《千年嵐》を設置したがコンボが決まるほどマナに余裕がなく、ライフもピンチでターンは返ってきそうにない……という状況下で、この《活力回復》で6点回復2枚ドロー、9点回復3枚ドローなどを行って、なんとかライフをつなぎながら手札を整え、そして勝利するというパターンは本当に多い。これのためだけに白を採用しているといっても過言じゃない。
もう1枚の相性バッチリカードは《海賊の略奪》だ。
このカードは宝物・トークンを生成し、使えるマナを2マナ増やしてくれる。これはキーカードが6マナと重く、それ以上のマナがある状態で動き出したいこのデッキの土台作りをしつつ、カードも引かせてくれる。そして《千年嵐》がある状態では、もはや壊れカードと言っていいレベルの強さを発揮する。事前に呪文を1つでも唱えていれば4マナ払って4マナキャッシュバック、実質0マナでカードを4枚引くことができる。2度唱えていれば2マナ増えて6枚、それ以上になれば……もうニヤニヤが止まらない。《海賊の略奪》を経由して《千年嵐》を置いて、《任務説明》で墓地から再使用する……この瞬間、「あぁ、今最高にマジックが楽しい!」そう心から思えるのだ。
このデッキのもう1つの勝ち手段は《つぶやく神秘家》だ。
最初は《千年嵐》を置くまでの場繋ぎ的なカードとして考えていたが、どっこいコイツが超強い。なにせこれだけ呪文がたっぷりのデッキだ、鳥・トークンをものすごい勢いで量産し、相手の攻撃は通さないわ自分は空から殴るわで……ハマってしまえば、これほど頼りになるカードはない。一見相性の悪そうな《轟音のクラリオン》で、全体ダメージではなく絆魂を付与するモードで鳥・トークンで回復して赤単に勝った時は、得も言われぬ喜びがあったもんだ。
サイドボードには《首謀者の収得》で持ってくる水増し勝ち手段を入れ、打ち消し・手札破棄などを使ってくるデッキ対策として《強迫》、相手のカードを奪って勝つ《正気泥棒》などを採用しているが……正直なところ、まだまだ研究不足だ。もう少し整えられれば、もっとやれるデッキだと思うんだけどなぁ。
このコラムで《千年嵐》に興味を持ったプレイヤーが一人でも多くいて、彼ら彼女らが各々で自分の思うストームデッキを作ってくれれば嬉しいね。完成度の高いデッキを見つけたら、こっそり真似させてもらうよ!
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