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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

ジェスカイ・コントロール(スタンダード)

岩SHOW

 『ラヴニカのギルド』発売より1か月以上が経った。この期間中は、当コラムでもスタンダードのデッキを多数……本当にたくさん取り上げた。

 流行っているデッキ、面白いデッキ、個性的なデッキ……この「紹介するデッキを選ぶ」という作業は毎度ひそかな楽しみでもあり、また難しいものでもある。特にプロツアー直前ともなれば。なるべく同トーナメントで活躍するデッキを紹介したいが、それらを取り上げすぎるとプロツアーで活躍したデッキと被ってしまうという事態に陥ってしまう。連続で同じデッキを紹介しても面白くないので、あえて事前紹介しないデッキというものを設けている。

 今回は「ジェスカイ・コントロール」をその枠に設定していた。白青赤の打ち消し・除去・ドローを用いた、長期戦を狙ったデッキのことである。

 プロツアー前にはMTG Arenaをプレイしていてもこのデッキによく当たった。そしておそらくプロツアーでは最多勢力となるであろうゴルガリはこのデッキとのメインでの相性が良くない……僕個人はそのように感じていた。ということは、ジェスカイを持ち込んだプレイヤーにはかなりチャンスがあるのではないか……トップ8に名乗りを上げてくるのではないか、と。

 果たして日本時間の日曜朝、トップ8デッキリストが発表され……そこにはこのデッキが1つ載っていた。正直、ホッとした(笑)。

 というわけで、プロツアーにて結果を残したジェスカイのリストを今一度見てみよう!

Wilson Mok - 「ジェスカイ・コントロール」
プロツアー『ラヴニカのギルド』 5位 / スタンダード (2018年11月9~11日)[MO] [ARENA]
4 《
2 《
4 《蒸気孔
4 《硫黄の滝
4 《氷河の城砦
4 《聖なる鋳造所
4 《断崖の避難所
-土地(26)-

3 《弾けるドレイク
-クリーチャー(3)-
2 《本質の散乱
2 《裁きの一撃
2 《活力回復
1 《否認
1 《アズカンタの探索
4 《轟音のクラリオン
4 《悪意ある妨害
1 《イオン化
4 《薬術師の眼識
2 《浄化の輝き
2 《発展 // 発破
2 《中略
4 《ドミナリアの英雄、テフェリー
-呪文(31)-
1 《黎明をもたらす者ライラ
2 《パルン、ニヴ=ミゼット
1 《シヴの火
2 《軽蔑的な一撃
2 《溶岩コイル
2 《否認
2 《封じ込め
1 《神聖の発動
1 《イクサランの束縛
1 《イゼット副長、ラル
-サイドボード(15)-
 

 このリストはドレイク型と呼ばれるもので、あるいはコントロールでなく「ジェスカイ・ドレイク」と呼ばれたりもする。その名の示す最大の特徴が、《弾けるドレイク》を採用していること。

 このカードは殴ってゲームを終わらせるフィニッシャーであると同時に、相手のクリーチャーを受け止めるブロッカー・除去としての役割も果たす。いずれの場合でも死亡してしまってもカードが1枚引けているので、損することはない。4マナという現実的なコストでありながら、パワーが二桁に上ることもあり、一瞬でゲームを終わらせてくれるという安心感も◎。

 このドレイクを用いる理由はもう1つ、あるカードとの相性が恐ろしく良い点を忘れちゃいけない。それは《轟音のクラリオン》だ。

 3マナで全体3点ダメージ、なかなかに信頼のおけるお手軽全体除去であり、序盤からクリーチャーを並べてくるデッキ相手に有効なカードだが、これがドレイクと一緒に用いることでちょっとしたコンボとも呼べる働きを見せる。3点ダメージなので先に出しておいたこちらのドレイクが死亡することはなく、そしてダメージを与えるだけでなくこちらのクリーチャーに絆魂を与えるというモードを併せて用いることで、高パワーのドレイクで殴って大量のライフ回復が見込めるのだ。盤面を押し流して、序盤我慢して受けたダメージを回復して……そうなると、ドレイクがいる分こちらが有利。この状況をどうにかしようと唱えてくるカードに対して《イオン化》などの打ち消しを投げつけて、勝利というわけ。

 ドレイクを採用したことで、コントロール特有のダラダラしたゲーム展開で決めきれずにいると相手に盤面を再構築されてしまった、という最悪のケースを回避する。これぞ最新のコントロールデッキの姿だ。

 サイドボードには《パルン、ニヴ=ミゼット》の姿が。

 今回のプロツアーでスタンダードラウンドにて優秀な成績を収めたリストの中には、これをメインに採用して《ドミナリアの英雄、テフェリー》を3枚に抑えたものがいくつかあった。ニヴもテフェリーとはまた違ったベクトルのアドバンテージ源であり、相手のクリーチャーを焼き払い、一瞬でゲーム終わらせる……文句なしのパワーカードだ。これら2枚が並んだりしたらジ・エンドだな。

 ドレイクといい、『ラヴニカのギルド』から強力なカードを得たジェスカイ。グランプリ・静岡2018でも、大活躍するのか……あるいは天敵に押されてしまうのか? その天敵とは……明日、紹介しよう!

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