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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

レオヴォルドの戦利品(ヴィンテージ)

岩SHOW

 エターナル・ウィークエンド・アジア2018で見た光景をふと思い出す。《Library of Alexandria》というぶっ壊れ土地が暴れ回っていた光景だ。実質1マナで毎ターン追加ドローって、そりゃいかんだろうと。土地を1ターン目に置くだけで準備完了という手軽さよ。これが機能するとさすがにアドバンテージ差でそのままゲームエンド。マジックの歴史でも指折りのスーパーパワーカードであることを改めて思い知らされた。

 このカードに限らず、《トレイリアのアカデミー》などヴィンテージには強い……というかヤバい土地が多数ある。アーティファクトだって、マナ加速や妨害に秀でた名品がズラリ。クリーチャーだって《死儀礼のシャーマン》とかいろいろといて……とにかく対処しなければならないパーマネントがたっぷりある。

 かといって、クリーチャーを退治するために《致命的な一押し》とか採用するのはしんどい、アーティファクト破壊ばかり積んでもしょうがない……あぁ、《ダク・フェイデン》とかプレインズウォーカーも強いんだよなぁ……うわぁぁぁぁ!

 と、そんなお悩みを解決しうるのが《暗殺者の戦利品》!

 パーマネントならなんでも破壊というシンプルなアンサー、スタンダードでもモダンでも活躍する1枚がヴィンテージにも登場だッッ!

 ヴィンテージにおけるこのカードは、実は他の環境のそれよりも強さが増している。ヴィンテージの大多数のデッキには基本土地が採用されていないため、《暗殺者の戦利品》がその万能さゆえに背負っている「相手に基本土地を1枚与えてしまう」というデメリットが帳消しになることがほとんどなのだ。2マナでインスタントになった《名誉回復》が弱いわけがない、

 今日はこのカードを用いるスゥルタイ(青黒緑)カラーのデッキを紹介だ!

ReneRandrup - 「墓荒らし」
Magic Online Vintage Challenge #11659814 準優勝 / ヴィンテージ (2018年10月20日)[MO] [ARENA]
3 《Underground Sea
3 《Tropical Island
4 《沸騰する小湖
1 《汚染された三角州
1 《溢れかえる岸辺
1 《Library of Alexandria
3 《不毛の大地
1 《露天鉱床
-土地(17)-

3 《死儀礼のシャーマン
2 《瞬唱の魔道士
1 《ヴリンの神童、ジェイス
1 《タルモゴイフ
2 《トレストの使者、レオヴォルド
-クリーチャー(9)-
1 《Black Lotus
1 《Mox Sapphire
1 《Mox Jet
1 《Mox Emerald
4 《精神的つまづき
1 《狼狽の嵐
1 《Ancestral Recall
3 《定業
1 《思案
1 《渦まく知識
1 《ギタクシア派の調査
1 《思考囲い
3 《暗殺者の戦利品
1 《悪魔の教示者
1 《マナ吸収
1 《夜の囁き
1 《無のロッド
1 《Time Walk
1 《精神壊しの罠
4 《意志の力
1 《噴出
1 《時を越えた探索
1 《宝船の巡航
2 《精神を刻む者、ジェイス
-呪文(35)-
2 《墓掘りの檻
2 《自然の要求
1 《狼狽の嵐
1 《突然の衰微
1 《暗殺者の戦利品
1 《無のロッド
2 《魔力流出
4 《虚空の力線
1 《不毛の大地
-サイドボード(15)-
 

 《死儀礼のシャーマン》を始めとするクリーチャーをやや多めに採用した中速デッキだ。

 このカラーでコンボなどではなくクリーチャーで勝つ中速デッキは、ヴィンテージでは昔から「墓荒らし」と呼ばれている。かつては《闇の腹心》をアドバンテージ源兼殴り要員として採用しているのが特徴だったが、時代の移り変わりとともにクリーチャーの陣容は変化しているようだ。《三角エイの捕食者》とかも使われてたなぁ。

 このデッキは万能除去《暗殺者の戦利品》と、アドバンテージ源であり相手のドロー抑制カードでもある《トレストの使者、レオヴォルド》を使えるのが強みだ。これらでコントロールしつつ、盤石な盤面を形成していくのがデッキの狙い。

 ヴィンテージならではの《Black Lotus》《Ancestral Recall》といったパワーカードは備えているが、それで暴力的なまでの攻めをするのかというとそうではない。死儀礼で相手の墓地を縛り、発掘や《瞬唱の魔道士》での再利用、探査呪文などを対策。《Library of Alexandria》などのドローはレオヴォルドで抑え込む。そして危険なパーマネントは戦利品で除去、その他の呪文は打ち消し呪文で対処。こちらだけが《精神を刻む者、ジェイス》でドローできるようになれば……もう勝ちは目の前。そんな感じで、相手の勝利の芽を潰していくデッキだ。

 どんな相手でも対応することができるのが強みであり、コンボデッキのように劇的に刺さるカードも特にはないので、ヴィンテージにて安定感を求めるならばこのデッキが良いだろう。爆発力はないが、ゆったり構えてゲームをしたい人にはオススメできるね!

 戦利品がその強さを発揮し続ければ、ヴィンテージでも基本土地の価値が向上したりするのだろうか? 1枚のカードが環境の常識を変えるのか、今後も要注目だ!

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