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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
白ウィニー(スタンダード)
「おうおう、どいつもこいつもギルドだのなんだのって……本来多色デッキはリスキーなものなんだよ! 《蒸気孔》アンタップイン? 2点失うことの重み、教えてやろうか!」……なんて威勢のいい挨拶が聞こえてきそうなデッキを見つけたのである。
『ラヴニカのギルド』は2色の組み合わせ・ギルドごとに異なったメカニズムを持ったカードが収録されているのが最大の特徴であり、魅力である。ギルドのカードをより使いやすくするために2色土地・通称ギルドランドやショックランドと呼ばれるレア土地が再録された。
《ショック》土地と呼ばれるだけあってアンタップ状態で戦場に出すには2点のライフを支払わなければならないというデメリットがついている。2点ぐらいは本来大した損失ではないのだが……そこを相手の弱点であるとして、序盤からガシガシ攻めるデッキを用いて、2点すら払えない状況に追い込む……という戦術は今の環境で成功を収めることができそうだ。
ギルド時代に逆行する単色ビートダウンをご紹介しよう!
21 《平地》 -土地(21)- 4 《追われる証人》 2 《不屈の護衛》 2 《空渡りの野心家》 4 《アダントの先兵》 4 《善意の騎士》 3 《悔恨する僧侶》 4 《ベナリアの軍司令》 4 《敬慕されるロクソドン》 -クリーチャー(27)- |
3 《軍団の上陸》 1 《不可解な終焉》 1 《征服者の誇り》 4 《ベナリア史》 3 《議事会の裁き》 -呪文(12)- |
2 《報奨密偵》 2 《トカートリの儀仗兵》 3 《防御牝馬》 2 《不可解な終焉》 1 《魔術遠眼鏡》 2 《残骸の漂着》 1 《イクサランの束縛》 2 《暴君への敵対者、アジャニ》 -サイドボード(15)- |
白ウィニー! 人類が滅んでも生き延びるとまで例えられた、マジック黎明期より存在し続ける由緒正しきアーキタイプだ。ウィニーってのは小さいクリーチャー、1マナとか2マナのものを最序盤からダダダッと躊躇なく展開し、数の暴力で押し切るビートダウンデッキのことで、白や黒のものに対して用いられる。このデッキでも1マナ8枚・2マナ11枚と軽いところがたっぷり揃えられている。
1マナと言えどもパワー2のものが採用され、2マナではパワーが3になったり破壊不能を持ったり先制攻撃、飛行とブロックされにくい能力で積極的に殴って行けるようになっている。
新顔としては1マナの《追われる証人》が目立つ。
1マナ1/1、死亡すると1/1絆魂持ちの兵士トークンを生成……一見打点も低く地味に見えるが、こういうのが案外いやらしい働きをする。タフネス1のクリーチャーと相討ちさせると損するので、相手としては殴ってこられても立たれても厄介なヤツである。《ゴブリンの鎖回し》などの全体除去で戦場が壊滅するのを防ぐ保険となってくれてもいる。後述の強化カードと合わされば、それこそ脅威の存在となってくれるはず。
白ウィニーというデッキは代々《十字軍》のような自軍のすべてのクリーチャーを強化するカードを備えてきた。低コストのクリーチャーは序盤こそ殴れはするが、自身よりもマナ域が上のクリーチャーが出てくるとビタッと止まってしまうもの。それにいくらコストで見た打点は悪くないとはいえ、2点2点とコツコツ殴っていては相手の全体除去やコンボなどが間に合ってしまう。並べてデカくしてすぐに終わらせる、これが重要。
このデッキでは《征服者の誇り》《ベナリアの軍司令》と、現スタンダード環境の優れた全体強化を採用している。
騎士限定ではあるが《ベナリア史》のパンチ力も素晴らしい、自己完結している点も最高。そしてこれらに加えて《敬慕されるロクソドン》が新戦力として4枚投入されている。
5マナと一見重いこのゾウさん、召集能力で結構お手軽に唱えることができるし、その召集が肝。この能力でマナの支払いの代わりにタップされたクリーチャーに+1/+1カウンターを置くという能力がなかなかに凄まじい。最大で5体を強化できるが、毎度毎度最大値を取らずともこの2体は殴ってこの2体はタップで、といった具合に状況に応じて最適な使い方が出来るのも嬉しいポイント。《ベナリアの軍司令》と同じく本人もクリーチャーで、それも4/4と無視できないサイズで打点として貢献してくれる……と至れり尽くせりだ。
対戦相手がもたついているうちにゴリゴリと殴ってライフを詰める→ライフが危ないからショックランドをタップイン……という負の連鎖に持っていければ勝ったも同然だ。積極果敢に攻めるべし! こちらは単色でそういったリスクが何もないので、2色以上のデッキと殴り合いになった際にもダメージレースを有利に戦うことができる。
多色環境だからこそ強い単色デッキが生まれる、この多様性もマジックをプレイする上での魅力だよね。
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