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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
アブザン・マスターマインド(スタンダード)
コントロールデッキを作るのは楽しい。個人的にはインスタントを構える青いコントロールよりも、自分のターンで効果の大きい呪文、例えば全体除去などを唱えて、カードパワーで相手の攻めを断ち切るタイプのコントロールが好みだ。ありとあらゆるパーマネントを処理できる、黒と白、それに緑が加わったカラーリングなど最高だ。『アポカリプス』直撃世代、《破滅的な行為》と《名誉回復》で育った世代なんでね!
そういったコンセプトのデッキを作る際に困るのは、フィニッシャーと延命カードとアドバンテージ獲得カードと……と詰め込んでいくと、デッキの枚数が60枚を大きく超えてしまうことだ。あれも欲しいこれも欲しい、断腸の思いで削っていって67枚とかになる。構築が難しい!
そんな時には、逆転の発想「どれもデッキに入れない」という選択を取るのもアリだ。どういうことかって? ちょうどいいサンプルがここにあるんですわ!
2 《沼》 1 《森》 1 《平地》 4 《草むした墓》 4 《森林の墓地》 4 《孤立した礼拝堂》 4 《寺院の庭》 4 《陽花弁の木立ち》 1 《オラーズカの拱門》 -土地(25)- 4 《秋の騎士》 -クリーチャー(4)- |
3 《暗殺者の戦利品》 3 《封じ込め》 2 《喪心》 2 《宝物の地図》 1 《アゾールの門口》 4 《楽園の贈り物》 2 《首謀者の収得》 2 《煤の儀式》 2 《ヴラスカの侮辱》 4 《最古再誕》 2 《浄化の輝き》 3 《ウルザの後継、カーン》 1 《秘宝探究者、ヴラスカ》 -呪文(31)- |
1 《ゴルガリの拾売人》 1 《不和のトロスターニ》 2 《殺戮の暴君》 4 《強迫》 1 《沈黙の墓石》 1 《安全の護符》 1 《アルゲールの断血》 1 《暗殺者の戦利品》 1 《魔術遠眼鏡》 1 《ヴラスカの侮辱》 1 《苦悩火》 -サイドボード(15)- |
ライブラリー、あるいはサイドボードから好きなカードを探してきて手札に加える《首謀者の収得》!
これをメインデッキに採用することで、デッキをまとめきれない問題は解決する。メインデッキに1枚だけカードを採用しやすくなるし、サイドボードをそれ専用に組んでおけば、このカードは除去にもアドバンテージ源にもフィニッシャーにもなる。万事解決だ! このコンセプトを取り入れたデッキは前環境にも存在した。『ラヴニカのギルド』参入により、その最新バージョンが登場だ!
基本戦術は徹底した除去。除去に次ぐ除去だ。クリーチャーだけでなく、アーティファクトもエンチャントもプレインズウォーカーでさえも破壊・追放する。合間にライフを回復し、マナも伸ばし、ドローの質を高めて最後はプレインズウォーカーで盤面を固める……というのは理想のプランかな。自分が勝ちに行くというよりは、相手に勝たせないデッキだ。環境初期で、クリーチャーで攻めるデッキが隆盛を極めているタイミングだからこそ誕生したデッキとも言える。
このデッキの柔軟さを高めてくれているのが《秋の騎士》。
メインデッキのクリーチャーがこれだけというのもあって、いかにこのカードが重要視されているかが伝わってくる。最も嬉しい使い方はアーティファクトかエンチャントを破壊するモード。これでカード1枚分の得ができ、相手の計算は大いに狂う。《実験の狂乱》《ケルドの炎》《アズカンタの探索》《アルゲールの断血》あたりを割れれば最高だ。そういったものがない状況で、ライフを押されてピンチであれば4点回復と1回分のブロック要員として用いる。除去されてもカード1枚使わせたのなら十分だ。後でまた《最古再誕》から回収して回復することもできるしね。4/3になるモードも、ここが勝負どころだという時に選ぶこともあるだろう。総じて、どんな相手にも腐りにくい優秀なカードと言える。
この《秋の騎士》と単体から全体、追放するものまで多数取り揃えた除去で、なんとしてでも生き延びよう。《楽園の贈り物》の回復とマナ加速も支えになってくれることだろう。
《宝物の地図》《アゾールの門口》でドローサポートするわけだが、アゾールの方は変身させて《太陽の聖域》にすることでゲームを終わらせるカードにもなる。
《首謀者の収得》でサイドから《苦悩火》を持ってきて、ドカンと一発致死ダメージを叩き出そう。
メインデッキには赤いカードもなければ赤マナを生み出す土地もなく、ゆえに予測されにくいことだろう。《太陽の聖域》でなくても《楽園の贈り物》や宝物・トークンなど、赤マナを生み出す方法はあるのでご安心を。
この手のコントロールデッキは《楽園の贈り物》に加えて《迂回路》を採用してもっとビッグマナ路線・多色路線に舵を切ることもできる。色が違うパワーカードを無理やり同居させ、力でねじ伏せるってのも良いぞ! その時も《首謀者の取得》はあれもこれも詰め込みたいデッキの枠を拡げてくれることだろう。
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