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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
狂乱ゴブリン(スタンダード)
ローテーション前、スタンダード環境まとめコラムにて「赤単はゴブリン型になるかも?」なんて話をした。いざシーズンを迎えてみれば、実際にゴブリンデッキは登場した!
しかしそれは、僕が思い浮かべていた《ゴブリンの戦長》で速攻、《ゴブリンの損壊名手》でサイズアップするという部族ビートダウンデッキ……というわけではなかった。予想外の形で登場した、されどしっかりとゴブリン・シナジーを有したデッキをご覧いただこう!
24 《山》
-土地(24)- 4 《スカークの探鉱者》 4 《ゴブリンの扇動者》 4 《遁走する蒸気族》 2 《ゴブリンのクレーター掘り》 4 《ゴブリンの鎖回し》 4 《軍勢の戦親分》 4 《斉射の古参兵》 4 《包囲攻撃の司令官》 -クリーチャー(30)- |
4 《火による戦い》 2 《実験の狂乱》 -呪文(6)- |
3 《再燃するフェニックス》 2 《ゴブリンの損壊名手》 3 《ショック》 4 《溶岩コイル》 1 《実験の狂乱》 2 《苦悩火》 -サイドボード(15)- |
シンプルすぎるデッキリストが最高に美しい、「赤単ゴブリン」だ。マナ・コストの軽いゴブリンクリーチャーたちを序盤からガンガン展開して殴る、単純なデッキではあるのだが……このリストはシンプルにしてディープ! 上述のようなゴブリン皆に何かプラスのの能力を与えるカードはメインに入っていないのだが、ゴブリンだからこそできる動きを売りにしているぞ。
序盤はとにかくクリーチャーを展開しよう。ほとんどのものが1/1なので、相手がクリーチャーを展開してくれば殴りにいけないかもしれない。それでも構わない、どんどん出そう。この時、《遁走する蒸気族》がいるのであればこれを優先的に先出しして、軽いゴブリンを連打して+1/+1カウンターを貯めていこう。
サイズアップしたら攻撃して、相手のライフを削っておこう。もし攻撃に行けなくても、得たカウンター3個から3マナ得てさらに展開し、とにかく盤面をゴブリン(と蒸気族)でいっぱいにしよう。
相手の立ちはだかるクリーチャーは《斉射の古参兵》《火による戦い》あるいは《包囲攻撃の司令官》で除去しよう。
古参兵は大物を倒せる可能性がある、そのためゴブリンを横並べにさせたいのだ。司令官は除去だけでなく、相手のクリーチャーをブロックして死亡することが確定しているゴブリンをプレイヤー本体へと投げることができるのもポイント。なぜか殴っている側のライフが徐々に減っていくという、逆転のダメージレースを仕掛けることもできる。これぞゴブリン部族デッキならではの戦術!
手札切れするぐらいのタイミングで《実験の狂乱》を設置するのが理想の動きだ。
ライブラリーの上からカードがプレイ可能で、これがなんとまあ思っているよりもガンガンとプレイし続けることができる。軽いカードが多いこと、そしてこのデッキがマナ生産能力に優れていることもその理由だ。
《遁走する蒸気族》はカードを3回プレイするごとに3マナ供給してくれる、このスーパーエンジンとともにマナ供給を担うのが……このデッキのキーカード、《スカークの探鉱者》だ。
僕もこのデッキをコピーして何度かMTG Arenaで何度もプレイしてみたが、このデッキの肝とも言えるのはこの探鉱者だなと。《実験の狂乱》との相性は本当にえげつない。例えばライブラリーの一番上が《ゴブリンの扇動者》だったとしよう。2マナでそれをプレイして、ゴブリンを計2体得る。これらをマナに変換して、めくれた次のカードをプレイ……という動きは、さながらフリースペル(マナを消費せずに唱えられる呪文)!!
ライブラリーを掘り進める速度を高めてくれるし、そうやって展開したゴブリンたちをすべて生け贄に捧げて得た大量のマナから《火による戦い》をキッカー込みで唱えて対戦相手本体に10点!という動きも可能だ。
実際、この本体10点勝ちがこのデッキの勝利の半分近くを占めていた。ビートダウンが主戦略でありながら、プレイヤーへの直接ダメージでコンボデッキのように勝つこともできる。いくら相手が盤面を固めようとも、それを飛び越えて勝利する。これは、この環境ではゴブリンデッキにのみ許された特権ではないだろうか。
殴ってから《火による戦い》、サイド後は《苦悩火》で削りきる。この動きをサポートするのが《実験の狂乱》であり《遁走する蒸気族》《スカークの探鉱者》などのマナ・クリーチャー。他にも単体で強い《ゴブリンの鎖回し》《軍勢の戦親分》とカードが揃っており、このデッキをプレイするのは実に楽しい。ぜひ皆にも、ゴブゴブしていただきたいね!
先日紹介した「ラナウェイ・レッド」に《ケルドの炎》ではなく《実験の狂乱》を採用したリストも活躍したりで、このカードの今後にも要注目だ!
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