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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
諜報グリクシス(スタンダード)
マジックの格言の1つが「環境最初期にはビートダウンが勝つ」。
これは仮想敵を定めるまではコントロールデッキが組みにくい・ベストな形になりにくいということが大きな理由である。また「○○は通しても△△は絶対に打ち消す」といったプレイングの指針が、経験不足のために定められないというのも大きい。
ただ、そうは言ってもコントロールが絶対に勝てないというわけではなく、創意工夫を凝らしたものが姿を現すこともある。『ラヴニカのギルド』環境の開幕にも、そんなコントロールデッキのひな型が姿を現した。これらが調整を施され、より完成度の高いコントロールとして生き延びるのか? 楽しみなところ。
今日はちょっと毛色の違う、コントロール要素の強いデッキを紹介しよう。カラーは愛好家の多いグリクシス(青黒赤)!
1 《島》 4 《沼》 4 《湿った墓》 4 《蒸気孔》 4 《水没した地下墓地》 3 《硫黄の滝》 4 《竜髑髏の山頂》 1 《ディミーアのギルド門》 -土地(25)- 4 《破滅の龍、ニコル・ボーラス》 1 《骨ドラゴン》 3 《夢喰い》 -クリーチャー(8)- |
4 《思考消去》 3 《本質の散乱》 3 《渇望の時》 2 《アルゲールの断血》 1 《喪心》 4 《概念の雨》 4 《ヴラスカの侮辱》 2 《煤の儀式》 4 《最古再誕》 -呪文(27)- |
3 《強迫》 3 《否認》 2 《軽蔑的な一撃》 1 《喪心》 1 《渇望の時》 2 《黄金の死》 2 《漂流自我》 1 《煤の儀式》 -サイドボード(15)- |
打ち消すべきカードや打ち消しを構えるタイミングがわからないのであれば、それらを排除してクリーチャー除去一本でやっていけば良い……そういう設計思想で組まれたであろうこのデッキは、打ち消し呪文よりも《渇望の時》《煤の儀式》などを採用し、小型のクリーチャーに殴り倒されないようにすることを第一目標としている。
前環境より存在するパワーカード《破滅の龍、ニコル・ボーラス》を用いるためだけに赤が足され、基本的には青黒のカードでゲームを自分の思うように操っていくことになる。
特徴的なのは除去偏重な構成もそうだが、新カードのチョイス。打ち消しではなく手札破壊であれば間違いも起きにくいということだろうか、《思考消去》で手札から有用なカードを抜くことで相手に好きな動きをさせない。
打ち消し呪文は多くが3マナ以上で、特にビートダウン相手の後手などでは構えている暇もなくなってしまいかねない。その点、この呪文なら2ターン目に先に唱えることで3ターン目の理想の回りを阻害できる可能性がある。かつ諜報でライブラリートップを操作できるので、初手にこのカードがあると手札をキープしてゲームを始めやすい……となかなかに良いことづくめ。
さらに諜報カード《概念の雨》は《天才の片鱗》のようなドロー呪文として大変に便利だろう。これらのカードで序盤は妨害、手札を整えてゲームを進めていく。
諜報といえば、フィニッシャー枠の《夢喰い》も相当にやりよる。
6マナで4/3とやや頼りなくも見えるが、瞬速と飛行があるのでスペックは十分。かつ諜報4と相手のパーマネントをバウンスするという、能力の宝庫なカードだ。このパーマネントバウンスが良い仕事をする。相手のターン終了時に手札に戻したパーマネントを《思考消去》や《破滅の龍、ニコル・ボーラス》で捨てさせた時の快感は筆舌に尽くしがたい。諜報4もあれば後続のドローにも期待ができる、《夢喰い》連打のような相手にとっての悪夢をもたらすことも。
これだけ諜報カードがあるならば墓地を上手く活用したくなるのは人の性。このデッキでは……まさかの《骨ドラゴン》を採用。溜まった墓地をモリモリ食べて、5/4飛行が戦場に登場だ。
序盤の諜報で墓地に送りながら後のフィニッシャーを仕込めるというのは頼もしいね。この動きをするためだけにでもこのデッキをプレイしてみたくなるのでは?
他には《最古再誕》を4枚採用しているので、これのⅢ章能力でボーラスや《夢喰い》を釣って勝つ、というのも狙ってみたい。諜報はただ強いカードを引きに行くための能力にあらずってわけだ。
今後はますますコントロールデッキが増えていくことになるだろう。青いデッキに対しても《思考消去》は刺さるので、手札破壊&打ち消しに強い《骨ドラゴン》を軸としたこのデッキのアプローチはより伸ばしていくべきものかもしれない。あるいはこの回が掲載される頃にはもっともっと進んだコントロールが猛威を振るっているかも? 今週末のグランプリ・名古屋2018のサイドイベントの結果も楽しみだ!
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