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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

Number of the Beast(スタンダード)

岩SHOW

 今回、当コラムは666回目を迎えた。666!666ですよ! この数字は、西洋では不吉な数字とされる。ヨハネの黙示録には、この世の終末に海から獣(悪魔)が現れて、人々を支配すると書かれている。この獣が人間の額あるいは右手の甲に刻み付けるという数字こそ、666。そのため、Number of the Beast/悪魔の数字とされ、嫌う人がいる……一方で、僕のようなヘヴィ・メタル好きにとってはテンションの上がる数字だ(メタルは悪魔がどうのこうのという楽曲が多いからね)。

 マジックにおける悪魔、デーモンたちもこの数字と無関係という訳ではない。歴代デーモンを思い浮かべてほしい。《深淵の迫害者》《冒涜の悪魔》《地獄彫りの悪魔》《暴動の長、ラクドス》などなど……サイズが6/6の多いこと。現スタンダードにも存在する《悪魔王ベルゼンロック》なんて6マナ6/6で6が3つ並ぶ、まさしく悪魔王!

 というわけで、今日は特別回! スタンダードにおける不吉極まりないデーモンデッキを作ってみたぞ!

岩SHOW - 「Number of the Beast」
スタンダード(『イクサラン』~『ラヴニカのギルド』)[MO] [ARENA]
20 《
3 《湿った墓
2 《水没した地下墓地
-土地(25)-

4 《泥棒ネズミ
4 《薄暮軍団の盲信者
1 《万面相、ラザーヴ
2 《惨劇の悪魔
3 《破滅を囁くもの
3 《悪魔王ベルゼンロック
-クリーチャー(17)-
4 《喪心
1 《アルゲールの断血
1 《記憶の裏切り
3 《ヴラスカの侮辱
2 《名声の代価
2 《ベルゼンロック典礼
2 《煤の儀式
2 《リリアナの契約
1 《詭謀 // 奇策
-呪文(18)-
2 《帆凧の掠め盗り
3 《正気泥棒
2 《疫病牝馬
4 《強迫
2 《死の重み
1 《最古再誕
-サイドボード(14)-

 趣味一色! Six Six SixだけにSick Sick Sickなカードをてんこ盛りにしてみた、悪魔に捧げるデッキだ! ラヴニカの2色推しに反発する漆黒の黒単色がよりカッコイイとは思うが、個人的によりデモニックでヘヴィ・メタルなデッキにするために青を足す決断をした。それは後述。

 デッキとしては中速デッキになる。最序盤は《泥棒ネズミ》《薄暮軍団の盲信者》を展開。どちらも1/1と脆弱なる者どもだが、ネズミは手札を捨てさせる・盲信者はカードを引くと、最低限カード1枚分の仕事はする。

 これらの連中は同時に、このデッキの最軽量デーモン《惨劇の悪魔》をこの世に顕現させるために必要な生け贄という役目を担っている。これで比較的早いターンから6/6飛行・トランプルでプレッシャーをかけることが可能だ。

 同じ4マナ域のカードで、同様に生け贄用の餌を用意してくれるのが《ベルゼンロック典礼》。こちらは自身も6/6飛行・トランプルの悪魔を呼び起こす。

 イラストも最高、このイラストを使ったタペストリー(ウォールスクロール)がこの秋に発売されるようなので、デーモンマニアは《ベルゼンロック典礼》で今すぐ検索し、魔界の主への信仰心を示そう!

 これらのデーモンによる急襲か、《煤の儀式》などの除去でのコントロールをしつつ、5ターン目以降は純粋なパワーカードの連打で勝負を決める。《破滅を囁くもの》はもし即除去されてしまっても、諜報能力で次なる魔の眷属をライブラリートップに潜ませる。

 《悪魔王ベルゼンロック》は重めに構築してあるこのデッキなら、複数枚のカードをもたらしてくれるはずだ。アドバンテージの化身で一気に手札を獲得しつつ、戦場も支配してやろう。どいつもこいつも6/6飛行・トランプルという魔族にのみ許されたスペックで、対戦相手を狂気の淵へと追い込むのだ。

 青い要素は、「岩SHOWが選ぶ! このイラストのTシャツが欲しい部門」で1位を獲得した《記憶の裏切り》だ。

 このカードはやや使いづらいが、手札破壊や除去で墓地に落とし込んだ相手のカードを奪うことでアドバンテージを得て息切れを防ぐという目的もあるが……単にむちゃくちゃカッコイイから入れている。趣味デッキの中の趣味枠だ。だってイラストが最高に「デス」で、暗黒すぎてカッコイイんだよ! それだけの理由で使いたいカードがあった、マジックを始めたばかりのあの頃を思い出してほしい。

 まあそれだけのために青を足すのはもったいないので、デーモン再利用カードとして《詭謀 // 奇策》も用意。さらに墓地のデーモンに化ける《万面相、ラザーヴ》を入れておいた。

 このカードはただデーモンに変身して圧殺を狙うだけでなく、趣味の極限を突き詰めるための重大な仕事をするカードでもある。ラザーヴは墓地のクリーチャーのコピーになっても、名前はラザーヴのままだ。それを利用して……《リリアナの契約》の特殊勝利条件、名前の異なるデーモンを4体揃える、というミッション達成をほんの少しだけ、ほんんんんの少しだけ狙いやすくしてくれるわけだ。《惨劇の悪魔》《破滅を囁くもの》《悪魔王ベルゼンロック》、《ベルゼンロック典礼》から出るデーモン、そして《万面相、ラザーヴ》……現スタンダード環境に4種類しかいないデーモンの、5種類目となってくれるってわけだ。

 このデッキはまだ発売前の段階で脳内構築したものであり、テストプレイなどは行っていないが……こんな「使いたいカードを詰め込んだだけのデッキ」が誰かにマジックの楽しさを伝えられたのなら、それに勝る喜びはないね。

 僕もこれが掲載されることにはこのデッキを組んで、MTG Arenaで悪しき者の力を解放することに勤しんでいるはずだ。このデッキの多くのカードは、Arenaではもうひれ伏すほどカッコイイ演出を伴ってプレイできる。悪魔に魂売って、黙示録を楽しんでみないかい?

 記念すべき666回目を迎えた喜びを糧に、このまま777回目を目指すぞッッ!

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