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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
構築譚:Machine Head(過去のスタンダード)
昨日(2018年9月11日)から始まってるもの、なぁんだ? マジックファンの方々にとっては簡単な問題だったかな。答えは「25th Anniversary マジック:ザ・ギャザリング展」!
マジックの四半世紀の歴史を彩ったアート、その原画の数々や日本のクリエイターの方々とのコラボ作品、フィーチャーマッチエリアの再現などなど……見て、体感するマジックの歴史を味わえる記念イベントが開催中だ。詳しくはコチラから。僕もこのコラムが掲載されるころにはもう観に行っている予定、皆も都合が合えばぜひ会場に足を運んでほしい。こんな機会、滅多にないからね。
このイベントの告知を兼ねて、1か月前にはこのような企画がTwitterにて行われていた。
【拡散希望】9月11日から新宿にて生誕25周年記念マジック:ザ・ギャザリング展開催決定!「 #マジック展 」をつけて「あなたの一番好きなデッキ」をつぶやくと、豪華な会場販売アイテムが抽選で1名様に当たる!あなたにとっての歴代ベストデッキは?締切は8月12日24時まで! https://t.co/pAQLSWUyc9
— マジック:ザ・ギャザリング (@mtgjp) August 8, 2018
これ、実は個人的にとても「ありがたい」企画でして……それはもう《ありがたい老修道士》くらい。 #マジック展 で検索すれば皆の思い出のデッキがよくわかったってわけですわ。
こりゃネタの宝庫だとザクザク探索していたら「あぁわかる、わかるよ!」と共感を得るツイートがいくつか。同じ時代にプレイしていたであろう方々とは、やはり青春のデッキが被るもの。いくつかあったのだが、今日はその中から世界選手権2001優勝デッキを紹介だ!
6 《沼》 6 《山》 4 《硫黄泉》 4 《アーボーグの火山》 4 《リシャーダの港》 -土地(24)- 4 《疫病吐き》 4 《燃え立つ死霊》 3 《ファイレクシアの盾持ち》 3 《スキジック》 2 《火炎舌のカヴー》 2 《墓所の天使》 -クリーチャー(18)- |
4 《暗黒の儀式》 4 《強迫》 3 《血の復讐》 4 《終止》 3 《ウルザの激怒》 -呪文(18)- |
1 《火炎舌のカヴー》 4 《岩滓の猫》 1 《墓所の天使》 3 《頭の混乱》 1 《紅蓮地獄》 3 《ファイレクシアの闘技場》 2 《迫害》 -サイドボード(15)- |
いわゆる、「赤黒ミッドレンジ」ってのに該当するデッキだ。パッと見だと、手札破壊と除去を備えて、クリーチャーも3マナからスタートで捌いて捌いてゆっくり目に攻めだすデッキなのかな……と考えてしまうかもしれない。でも、ある呪文がこのデッキの速度を二段階引き上げている。そう、《暗黒の儀式》だ。
かつては基本セットあるいはブロックの頭を務める大型セットにはほぼ入っており、スタンダードで使用されていた由緒正しいマナブースト。これを用いて、1ターン目に《疫病吐き》を出したり2ターン目に《燃え立つ死霊》を走らせたりすることで、開幕から対戦相手にこちらのパーマネントへの対処を迫る。除去・手札破壊のコントロール要素と開幕からの強烈な押し付け、相反するようなふたつの要素を織り交ぜたデッキなのだ。
《疫病吐き》は当時のスタンダード環境に君臨していたマナクリーチャーデッキへの強烈なアンチカードである。
《ラノワールのエルフ》《極楽鳥》らを出して《ヤヴィマヤの火》なり《対立》なりに繋げる緑絡みのデッキにとって、毎ターン全体に1点ダメージをばらまくこのクリーチャーで蓋をされてしまうとデッキが機能不全に陥りかねない。これの対処を迫られている間に、5/5とデカい《ファイレクシアの盾持ち》が出てきて殴りだす。厳しい! さらに《スキジック》が走ってくる。厳しい!! その《スキジック》を《墓所の天使》が拾う。超厳しい!!!
といった具合に、相手の妨害をしながらゴリゴリに攻め立てる強烈なビートダウンっぷりが素晴らしい。《燃え立つ死霊》の手札攻めもえげつなく、やっとの思いで出したクリーチャーも《火炎舌のカヴー》の餌。
クリーチャーデッキという仮想敵を徹底的に痛めつける構築を取りながら、コントロールに対しても死霊と《強迫》による安全確認からの《暗黒の儀式》ブーストで押し切ることができる。良い~~~~デッキだったなこれ。そりゃあ世界選手権優勝も納得だ。
このデッキの名は、「Machine Head(マシーンヘッド)」。《ファイレクシアの盾持ち》や《ウルザの激怒》のような強くて、かつ機械の頭部を持つ兵が描かれたカッコいいカードたちを使用していることと、同名のバンドやアルバム名をかけてつけられた、とてもハイセンスなデッキ名である。デッキ内にアーティファクトがあるわけでもなく、カード名でもない。でも僕らの世代は、『インベイジョン』のころの赤黒は?と聞かれりゃ「マシーンヘッド!」と即答できるそれほどまでにインパクトと、そして見た者を「これはマシーンヘッドですわ」と納得させる何かがそこにはあった。
最近、こういうデッキ名になかなか出会えない。まあ、あまりにもわけわからん名前でデッキ名が掲載されるのもちょっとアレだけども(笑)、機械頭の軍団が強襲する様を想起させるこのデッキ名のような、秀逸なものと出会いたいところ。皆も思い入れのあるオリジナルデッキで結果を残したら、「デッキ名は○○!」と恥ずかしがらずに発信してちょうだいな! おじさんからのお願いよ!
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