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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

Gainsayの奇跡コントロール(レガシー)

岩SHOW

 かつてMagic Online公式サイトには1週間でどれだけ賞品のパックを獲得したかというランキングが掲載されていた。これにほぼ確実に名前を連ね続けていたのが「Gainsay」だ。

 僕はレガシー(レガシーとヴィンテージを混ぜたようなフォーマット時代も含む)を中心に各種トーナメントで度々対戦したのだが、青いデッキを使い完璧にコントロールされて負けてしまうことが多く、あまりにも負かされたことから彼がログインしていない時間帯にプレイするようにまでなった(笑)。

 このGainsayの中の人こそ、アンドリュー・クネオ/Andrew Cuneo。長いキャリアを誇るアメリカの強豪プレイヤーであり、長期戦狙いのコントロールデッキを使わせれば天下一。「Cuneo Blue」と呼ばれるデッキも世に送り出した、コントロールの世界的権威である。

 そんなGainsay、先日開催されたダブル・グランプリであるグランプリ・リッチモンド2018のレガシー本戦にて優勝! 使用したデッキは、実にGainsayらしい「青白奇跡コントロール」であった。かつては戦いを避け続けた相手だけれども、今回はありがたくデッキを取り上げさせてもらおう!

Andrew Cuneo - 「奇跡コントロール」
グランプリ・リッチモンド2018(レガシー) 優勝 / レガシー (2018年8月31日~9月1日)[MO]
7 《
3 《平地
1 《Tundra
4 《溢れかえる岸辺
2 《汚染された三角州
1 《霧深い雨林
1 《湿地の干潟
1 《乾燥台地

-土地(20)-

4 《瞬唱の魔道士

-クリーチャー(4)-
4 《渦まく知識
4 《思案
4 《剣を鍬に
2 《先触れ
1 《呪文貫き
3 《予報
2 《相殺
1 《アズカンタの探索
2 《基本に帰れ
2 《議会の採決
1 《至高の評決
4 《意志の力
3 《終末
3 《精神を刻む者、ジェイス

-呪文(36)-
2 《封じ込める僧侶
1 《ヴェンディリオン三人衆
1 《悪斬の天使
2 《狼狽の嵐
2 《外科的摘出
1 《呪文貫き
1 《呪文嵌め
2 《解呪
1 《対抗呪文
1 《至高の評決
1 《ゼンディカーの同盟者、ギデオン

-サイドボード(15)-

 「Cuneo Blue」もそうだったが、ゲームに勝つためのカード、いわゆるフィニッシャーがほとんど入っていないのが特徴。《精神を刻む者、ジェイス》の[-12]能力と《瞬唱の魔道士》によるビートダウンだけ。往々にしてそれらで実際にライブラリーを吹き飛ばしたりライフを0にして勝つわけではなく、対戦相手から希望を奪って投了させる、という青白の王道的な勝ち方を目指す。このデッキがやりたいことは「更地にジェイス」、相手の心を折るのに最も容易い手段だ。

 奇跡デッキはかつて、《師範の占い独楽》でライブラリートップを操作し、任意のタイミングで奇跡呪文をドローしたり《相殺》と組み合わせてロックを掛けたりする環境の王者デッキであった。環境の停滞もあって独楽が禁止された後、プレイヤーたちはあの手この手でこの青白コントロールを運用しようとし、たどり着いたのが1マナドローに《先触れ》を採用した形。

 当初はやりすぎだろうという意見もあったが、全体的な採用カードの枚数を調整されながら今日まで生き延び続けている。クリーチャーが複数並んだところに、除去耐性も無視して流し去る《終末》を1マナで唱える……これこそレガシー至高の一手ってわけだ。このリストでは奇跡呪文は《終末》3枚のみで、もはや「奇跡デッキ」と呼ぶのも合っていないような気もするが、親和能力持ち0枚でも「親和デッキ」って呼ぶようなもんで、今後もこう呼ばれていくんだろうな。

 《終末》はクリーチャーデッキには劇的に刺さるが、そうでないデッキには役に立たない。こういう時は《渦まく知識》でライブラリーに送り込んでフェッチランド起動で引かないようにしたいところ。これに加えてこのデッキでは上に仕込んでから《予報》で落としてしまうという手もある。

 このデッキでは《精神を刻む者、ジェイス》以外の手札を増やすカードはこれだけなので、うまく不要なカードを落として手札を充実させ、相手に崩されぬ牙城を築いていこう。時に《先触れ》で相手のライブラリーの上をいじりながら、引かれては嫌なカードを《予報》してやることも。《瞬唱の魔道士》も絡めて、妨害とアドバンテージ獲得をコツコツと積み重ね、対戦相手とリソース差をつけて「こりゃ勝てん」と思わせよう。

 《相殺》がロック手段として採用されているが、枚数は抑え目。独楽がなければ安定運用できないので、あくまで「ANT」のようなコンボデッキ相手に引ければ嬉しいな枠。もう1つのロック要素として《基本に帰れ》を併用し、そもそも呪文を唱えるマナを縛りにかかるという手法も。このどちらかが効けばラッキー、効かないカードはサイドと入れ替える。そういうスタンスが採られている。いらなければ上述の《予報》もあるしね。

 ドローして土地を並べてクリーチャーを除去して要所を打ち消し、ジェイスで蓋。デッキの動き自体はそこまで複雑なものじゃないが、完璧に使いこなしてグランプリ優勝を成し遂げるためには高いプレイスキルが要求されることだろう。コントロール好きの皆、日々練習して心の折り方を身に着けるのだ! 目指すは二代目Gainsay!(君がそうなったら僕は逃げるよ!)

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