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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
マジック25周年記念プロツアー・チーム構築の一例(スタンダード・モダン・レガシー)
さて、いよいよ今夜からマジック25周年記念プロツアーが始まるぞ。皆、準備は良いかな?
準備ってのは仮眠に、夜食、成人であればお酒もあればなおよしで……PCの前に陣取ったり、タブレットを固定して寝転がったり……そう、万全な状態でプロツアーの配信を観られる準備のことだ。ばっちり? よろしい!
マジック25周年記念プロツアー 日本語実況生放送
日程 | 放送日 | 放送時間 | 放送ページ | |
1日目(予選ラウンド) | 8月3日(金) | 23:00~翌8:00 | 「ニコニコ生放送」 | 「Twitch」 |
2日目(予選ラウンド) | 8月4日(土) | 23:00~翌8:00 | 「ニコニコ生放送」 | |
3日目(決勝プレイオフ) | 8月5日(日) | 23:00~翌7:00 | 「ニコニコ生放送」 |
※放送時間はすべて日本時間での表記です。試合状況によっては放送時間が前後する場合がございます。
……ってんじゃあ物足りないよね。いつもプロツアーの配信直前にプロツアーで活躍しそうなデッキを紹介するのが定番ムーブなので、今回も同様に……いきたいところなんだけども、今回はマジック生誕25周年を記念した特殊なプロツアーで、フォーマットは3人チーム構築戦。スタンダード・モダン・レガシーと3つのフォーマットのデッキが入り乱れることになる。
どう紹介したもんか難しいところだが……ここは僕の好きな、パワーあふれるカード・戦略で対戦相手を圧倒する、俗に「押し付ける」デッキと呼ばれたりするパワフルなデッキを3つ紹介することにしよう。もちろん、どのデッキもフォーマットを代表する強力デッキだ!
スタンダード
12 《森》 4 《花盛りの湿地》 4 《森林の墓地》 4 《ハシェプのオアシス》 -土地(24)- 4 《ラノワールのエルフ》 3 《緑地帯の暴れ者》 4 《屑鉄場のたかり屋》 4 《茨の副官》 3 《原初の飢え、ガルタ》 4 《鉄葉のチャンピオン》 3 《不屈の神ロナス》 2 《打ち壊すブロントドン》 3 《蔦草牝馬》 -クリーチャー(30)- |
3 《顕在的防御》 3 《キランの真意号》 -呪文(6)- |
2 《打ち壊すブロントドン》 1 《蔦草牝馬》 1 《帰化》 1 《造命師の動物記》 3 《栄光の刻》 2 《霊気圏の収集艇》 1 《領事の旗艦、スカイソブリン》 2 《ビビアン・リード》 1 《生命の力、ニッサ》 1 《秘宝探究者、ヴラスカ》 -サイドボード(15)- |
まずはスタンダード!「緑単ガルタ」と呼ばれ前環境から親しまれている、緑の大型クリーチャーで攻めるデッキだ。
1ターン目《ラノワールのエルフ》からの2ターン目《鉄葉のチャンピオン》という動きは、対処できなければそのまま対戦相手をノックアウトしてしまう危険なムーブだ。
早いターンからパワーが高いクリーチャーを展開でき、それにより《不屈の神ロナス》《原初の飢え、ガルタ》という癖のあるカードを強く運用できる。あれよあれよという間に戦場を大怪獣で埋め尽くし、スタンダードで最も恐ろしいデッキであると言い切れる。
このデッキは前環境終盤ではやや使用率が後退していたのだが、『基本セット2019』の発売を受けまた環境随一のデッキへと上昇してきた。とにかく高パワーのクリーチャーが多く、中途半端な対処では問題の解決にならないのがウリで……新戦力《茨の副官》なんかはその象徴とも言える。
2マナ2/3のグッドサイズで戦場を固め、対戦相手の小型クリーチャーに本体を殴らせない。除去されてしまってもエルフ・トークンの置き土産でタダでは転ばない。ゲーム終盤には能力で6/7にサイズアップして殴りに行ける、たくましいヤツなのだ。
また、新戦力と言えばもう1枚、《蔦草牝馬》はこのデッキを一段階上のレベルへと引き上げたと言って差し支えない。
一見、黒への対策カードに見えがちだが、4マナ5/3呪禁というスペックはどんなデッキをしてにしても頼りになるに決まっている。これで除去1枚でデカいのがやられてロナスが沈黙……なんて心配もない。圧倒的なパワー5の連打で、ボコボコに踏み潰してやろう! 黒のクリーチャーにブロックされないという能力も、《スカラベの神》とそれが呼び出す永遠衆、《約束の刻》から出てくるゾンビ・トークンなどなど、意外にもすり抜けられる対象が多く、そういったカードを用いてくるデッキ相手にはガルタ以上の最強戦力として立ち回ってくれそうだ。
モダン
5 《森》 4 《ウルザの鉱山》 4 《ウルザの魔力炉》 4 《ウルザの塔》 1 《幽霊街》 1 《ウギンの聖域》 -土地(19)- 3 《ワームとぐろエンジン》 1 《世界を壊すもの》 2 《絶え間ない飢餓、ウラモグ》 2 《歩行バリスタ》 -クリーチャー(8)- |
4 《古きものの活性》 4 《彩色の宝球》 4 《彩色の星》 4 《探検の地図》 2 《大祖始の遺産》 4 《森の占術》 1 《四肢切断》 4 《忘却石》 4 《解放された者、カーン》 2 《精霊龍、ウギン》 -呪文(33)- |
1 《呪文滑り》 3 《難題の予見者》 3 《スラーグ牙》 1 《約束された終末、エムラクール》 3 《自然の要求》 2 《次元の歪曲》 1 《世界のるつぼ》 1 《四肢切断》 -サイドボード(15)- |
モダンでは他のフォーマットよりも自分のやりたいことを押し付けていくデッキの比率が高く、最序盤からクライマックスと言わんばかりの動きをするデッキが火花を散らしている。数あるデッキの中でも、最も理不尽で我がままなデッキ(誉め言葉)とくれば、やはり「トロン」であろう。
3種類のウルザの土地を揃えることで、最速3ターン目に7マナ捻出することが可能。このぶっ飛びっぷりは他のデッキが真似しようと思ってもできることではない。3ターン目の《解放された者、カーン》で対戦相手のパーマネントを追放し(なんと土地まで消し去れちゃう)、いわゆるマウントを取ったら最後、後はパワーカードの連打でもみくちゃにしてしまう。
土地を用いたある種のコンボデッキであり、同時にカーンや《精霊龍、ウギン》《忘却石》などで戦場を更地にする能力にも長けたコントロールデッキとしての側面も色濃く持つ。
真面目に盤面を形成して戦うデッキにはめっぽう強く、モダンでも常に使用率・勝率の一、二を争っている。世界中で開催されたグランプリなどのチーム構築戦を見ても、モダンで選択されている率は高い。
相性的に苦手なデッキはもちろんあるが、ブン回った際には対戦相手のデッキが何であろうと圧殺できる。パワーですべて解決するスタイルが好きならば、トロン一択!
レガシー
1 《冠雪の沼》 1 《冠雪の森》 3 《Bayou》 4 《新緑の地下墓地》 3 《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》 1 《ボジューカの沼》 1 《カラカス》 1 《幽霊街》 4 《演劇の舞台》 4 《暗黒の深部》 -土地(23)- 2 《森を護る者》 4 《闇の腹心》 4 《吸血鬼の呪詛術士》 3 《Elvish Spirit Guide》 -クリーチャー(13)- |
3 《水蓮の花びら》 4 《輪作》 4 《思考囲い》 3 《強迫》 3 《真髄の針》 3 《森の占術》 2 《トーラックへの賛歌》 2 《北方行》 -呪文(24)- |
2 《大祖始の遺産》 2 《外科的摘出》 1 《夜の戦慄》 1 《致命的な一押し》 1 《怨恨》 2 《突然の衰微》 2 《集団的蛮行》 1 《ゴルガリの魔除け》 1 《消耗の儀式》 1 《クローサの掌握》 1 《セジーリのステップ》 -サイドボード(15)- |
最後にレガシーから「ターボ・デプス」をご紹介。この環境の押し付けデッキと言えばコンボか、あるいは《虚空の杯》や《血染めの月》を用いたストンピィ系のデッキかというところ。コンボの中でも速度命、とにかく序盤に相手が対処不可能であればそのまま一撃で決着まで持っていく《暗黒の深部》コンボデッキを推そう。
《暗黒の深部》の氷・カウンターを《吸血鬼の呪詛術士》で全部取り除くか、あるいは《演劇の舞台》を深部のコピーにするかして、深部に置かれているカウンターが0個の状態を作り、そのまま20/20破壊不能・飛行のマリット・レイジ・トークンを生成。ワンパンチでのライフ0を目指す。
ターボの名は伊達ではなく、《水蓮の花びら》《Elvish Spirit Guide》から1ターン目にコンボを決めての2キルも狙える。手札破壊で露払いしてやれば、相手の妨害を防いでの3キルなども難しい話ではない。
速さだけでなく、コンボパーツを正確に集める能力にも優れている。《輪作》はこの手のデッキの定番だが、最近では研究も進んで《森の占術》に加え《北方行》までもが採用されている。
《暗黒の深部》は氷雪土地なので、これでサーチ可能というわけ。ついでに氷雪基本土地も採用してマナ加速も兼ねており、ケースバイケースで有効に用いることができるはずだ。
土地のみで完結させられるコンボで打ち消しは苦手ではないが、《不毛の大地》はちとキツい。なので《真髄の針》がメインからしっかり採用され、そしてこちらの土地対策土地は《幽霊街》になっているのである。唯一の弱点も、この針とそれが飛んでくる前に決着をつける速さでカバーでき、そのターボっぷりはあらゆるデッキにとって脅威の存在と言えるだろう。
マジック25周年を、ありとあらゆるパワーで祝福する……こんなチーム、素敵だと思うね。どのデッキも安定して……そして引きがノっていれば爆発的に勝ち星を稼ぐことができるものだ。
あなたが応援しているチームは、どんなデッキで記念すべき王者の座を狙っているのだろう。フィーチャーマッチにて世界中のチームの選択を目にするのが、楽しみでしょうがない。それじゃあ、記念すべきプロツアーを楽しみましょう!
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