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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

ゾンバーメント~地獄のデス砲撃~(レガシー)

岩SHOW

 前回は愛すべきゾンビデッキの新たな形を取り上げた。お気に入りの新カードもしっかりと紹介できて、満足している……というところで、ある1体の新ゾンビに背後を取られていることに気付いた。

 このままそのカードを用いたデッキを紹介しなきゃ、首筋にガブリといかれそうなので……今日は同じく新ゾンビ《縫い師への供給者》を用いたデッキを紹介しよう。

 個人的にも『基本セット2019』の中でトップクラスに期待している1枚だ。ゾンビも墓地利用も好きなので、これを上手く使ったデッキをスタンダードのみならずモダンやレガシーで模索したいなと考えていた。と、すぐさまレガシーで結果を残したデッキが出てきてしまったじゃないか。それも、僕がレガシーでダントツに好きな「ゾンバーメント」デッキの最新型だ!

 「ゾンバーメント」とは、ゾンビと《ゴブリンの砲撃》と組み合わせたデッキである。

 《墓所這い》をはじめとする墓地から再利用できるクリーチャーを《ゴブリンの砲撃》で生け贄に捧げるのを何度も繰り返して、対戦相手のクリーチャーを焼き払ったりライフを詰めたりする、独特な動きをする実に楽しいデッキだ。

 このデッキはかつては《死儀礼のシャーマン》を使用していたが、対戦相手に使われるそれにも手を焼くという側面があり、最近では鳴りを潜めていた。が、ここにきて死儀礼が去ってチャンス到来というわけだ。

 それじゃあ、リストを見てみるとしよう!

ScavengingBooze - 「ゾンバーメント」
Magic Online Competitive Legacy Constructed League 5勝0敗 / レガシー (2018年7月13日)[MO] [ARENA]
3 《
3 《Badlands
3 《Scrubland
3 《血染めのぬかるみ
2 《湿地の干潟
3 《汚染された三角州
3 《新緑の地下墓地
1 《知られざる楽園
-土地(21)-

4 《屍肉喰らい
4 《墓所這い
4 《縫い師への供給者
4 《恐血鬼
2 《グルマグのアンコウ
-クリーチャー(18)-
4 《陰謀団式療法
4 《信仰無き物あさり
4 《思考囲い
3 《ゴブリンの砲撃
2 《苦花
4 《未練ある魂
-呪文(21)-
3 《外科的摘出
2 《真髄の針
2 《悪魔の布告
2 《唐突なる死
2 《罠の橋
1 《非業の死
3 《摩耗 // 損耗
-サイドボード(15)-
 

 《屍肉喰らい》《ゴブリンの砲撃》《陰謀団式療法》と、クリーチャーの生け贄をコストとして要求するカードを序盤からザクザクと使って。盤面や手札を攻めていく。コンボチックでもあり、コントロールもでき、ビートダウンで勝つ……なんとも不思議なデッキであるが、一度プレイするとその挙動が病みつきになる。

 《屍肉喰らい》に《墓所這い》を食わせまくって殴る、《血染めのぬかるみ》を出したことで戻ってきた《恐血鬼》をコストに《陰謀団式療法》をフラッシュバックして、ぬかるみから《Badlands》を持ってきてまた《恐血鬼》が……といった具合に、デッキ内のすべてのカードが他のカードと何らかのシナジーを形成している。一見ひ弱なカードたちの歯車をかみ合わせることで、実にスムーズに動くデッキとなっている。

 このデッキのエンジンとも呼べるのが《信仰無き物あさり》で、これを唱えて土地などを引き込みつつクリーチャーや《未練ある魂》を捨てる、というのが黄金ムーブだ。

 そして今後はこのリストのように、物あさりに加えて《縫い師への供給者》がその役目を担うことになる。

 このリストでは墓地から利用できるカードが実に20枚も採用されている。デッキの三分の一だ。となれば、供給者が戦場に出たことでライブラリーから墓地に落ちるカード3枚のうちにこれらが含まれる確率はかなり高い。2枚以上落ちればぼろ儲け、3枚だとこりゃもうゾンビ版《Ancestral Recall》だ。

 そんなわけでただ戦場に出るだけでもアドバンテージの獲得が期待できるのに、コイツは死亡時にも同じくカードを3枚落としてくれるときたもんだ。ゾンビに食わせるなり砲撃するなり療法するなりで墓地に落とせば、さらに手数がどんどんと増えていく。息切れすることも多々あった「ゾンバーメント」にとって、まさしくカードを供給してくれる新エース誕生の予感だ! 供給者自身も含めれば、カード1枚で墓地が7枚増える……ということで《グルマグのアンコウ》との相性もすこぶる良い。

 手札破壊で相手の妨害をしつつ、自分は好き放題ゾンビ爆撃を繰り返す……回していてここまで愉快なデッキもそうそうない。新カードが加わってますますやれることが増えた「ゾンバーメント」からは目が離せない!

 気になった、使ってみよう! という場合は、おそらくサイド後にいろいろと苦労することになるのは覚悟してほしい……このリストの《摩耗 // 損耗》のように、墓地対策へのアンサーはしっかりと忘れずにね!

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