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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
ボーラス・ミッドレンジ(スタンダード)
やってきました『基本セット2019』新環境! スタンダードで使用可能なカードがドスンと増えて、新デッキがわらわら誕生する予感だ。
本日は発売週末に開催されることでおなじみStarCityGames.comのトーナメントより、Standard Classicで上位に入賞したデッキを紹介しよう。これは青黒赤の通称グリクシス・カラーの中速デッキだが……あえてこう呼ぼう、「ボーラス・ミッドレンジ」!!
1 《島》 2 《沼》 1 《山》 4 《異臭の池》 3 《水没した地下墓地》 3 《硫黄の滝》 4 《泥濘の峡谷》 3 《竜髑髏の山頂》 4 《霊気拠点》 1 《廃墟の地》 -土地(26)- 4 《光袖会の収集者》 3 《つむじ風の巨匠》 2 《機知の勇者》 3 《破滅の龍、ニコル・ボーラス》 3 《スカラベの神》 1 《奔流の機械巨人》 -クリーチャー(16)- |
3 《マグマのしぶき》 3 《削剥》 2 《蓄霊稲妻》 3 《至高の意志》 1 《無許可の分解》 4 《ヴラスカの侮辱》 1 《暗記 // 記憶》 1 《死の権威、リリアナ》 -呪文(18)- |
1 《奔流の機械巨人》 3 《強迫》 2 《チャンドラの敗北》 2 《否認》 1 《アルゲールの断血》 1 《ジェイスの敗北》 1 《本質の摘出》 1 《天才の片鱗》 1 《ヤヘンニの巧技》 1 《破滅の刻》 1 《最古再誕》 -サイドボード(15)- |
このカードを見れば誰だって使いたくなる、強さ・ギミック・見た目のカッコよさとあらゆる面で文句なしな《破滅の龍、ニコル・ボーラス》。
3色ではあるが4マナ4/4と優れたスペックの持ち主で、戦闘でも役立つこと間違いなしな上に戦場に出れば対戦相手に手札を1枚捨てさせる能力を持ち、即除去されてしまってもカード1枚で相手のカード2枚と交換ができているのでオールオッケーな手堅く強いドラゴンだ。
これだけでもエルダー・ドラゴンの称号に恥じない強さだが、7マナ支払うとプレインズウォーカーとして目覚めて《覚醒の龍、ニコル・ボーラス》へと変身する。コストが重いだけあって、書いてあることがすべて強いスーパープレインズウォーカーで……まあ無事に変身できれば、すなわちそのままゲームに勝利する、と言っても決して過言じゃない。
キャラクターとしての人気も相まって、これをフィーチャーしたデッキが出てくるとは思ったが……上々の初陣を飾ったようだ。
かつてスタンダードに存在した「グリクシス・エネルギー」と設計思想は共通している。赤と黒が誇る除去呪文で相手のクリーチャーは片っ端から除去し、《光袖会の収集者》でドローしたり、《つむじ風の巨匠》のトークンで盤面を固めたりと、エネルギー関係のカードで優位を築く。
青の売りである《機知の勇者》《至高の意志》のドローサポートでデッキの動きを円滑なものにできるのも強みで、安定したゲーム運びが期待できるデッキだ。
土地がある程度並び、準備が整ったら《スカラベの神》で制圧にかかる……という横綱相撲的なフィニッシュを得意としていたが、ここに新たなフィニッシャーとしてニコル・ボーラスが加わることとなった。元々完成度が高いデッキなので、これに新たな扱いやすいフィニッシャーが加わればそりゃ強いわなと。
僕も何度かこの手のデッキと対戦したが、ボーラスの圧は尋常ではない。早くて4ターン目に飛び出すカードであり、ゲーム展開次第ではもう少し後になることもある。その頃には手札のカードが少なくなっているので、手札破壊能力が痛烈にブッ刺さることになる。経験上、このタイプのデッキ相手にはボーラスに備えて余剰の土地を戦場に出さない習慣がついてしまった。皆も注意されたし。
いざ戦場に出てくるとこれがまあ結構硬い。赤単を使っていると《削剥》《稲妻の一撃》と除去の基本は3点ダメージで、タフネス4は何かを絡めないとカード1枚では落としづらい。壁としての仕事も十分にこなしてくれる印象だ。
倒されることなく7マナある状況を迎えると、おもむろにプレインズウォーカーに変身して2枚ドロー・10点ダメージ・リアニメイトと無茶苦茶やってくる。忠誠度も高く、ダメージで落とすのは簡単ではない。特に同じような中速デッキ相手には、ダメージとドローを交互に行うことでこちらの盤面にはクリーチャーもプレインズウォーカーも残らず、相手の手札は潤っていく……という地獄が体感できる。[-11]能力はまだ体感したことは無いが、それはそういう状況に持っていかれる展開になったらさっさと諦めて投了しているからというのもある。ボーラスだけならまだしも、これに加えて《スカラベの神》《奔流の機械巨人》とラインナップが分厚すぎて、終盤戦にとにかく強いんだよなぁ。
ボーラスの変身はまさしく目が覚めるレベルで、ぜひとも皆にこのカードのパワーと満足感を体感してほしいと思っている。あ、赤いデッキ相手にはサイド後の《チャンドラの敗北》に気を付けて! 逆に同型戦ではこのカードが鍵を握ってくることになりそうだ。
注意と言えばもう1つ、トークンはプレインズウォーカーの面を持たないので変身できないということにも気を付けてほしい。《スカラベの神》で蘇らせても、クリーチャーとしてしか戦えないよ!(それでも十分強いんだけどね)
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