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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

ブルードラージ(モダン)

岩SHOW

 『基本セット2019』の新カードは、基本セットらしいオーソドックスなものから、これは基本セットの枠を超えているなと思わされる個性的なものまで品揃え豊富だ。

 個人的に気になっているカードは《冥府の報い》。アートからもわかる通り、黒が得たエルドラージへの解答だ。

 たった1マナのインスタントで、どんなサイズの無色クリーチャーもサクッと追放除去し、そいつのパワー分だけライフが得られる。対象を極限まで絞り込んだことで、とんでもないハイスペックの除去に仕上がっている。

 僕はエルドラージやあるいは《ワームとぐろエンジン》といったカードが好きなので、このカードは脅威として受け止めねばならない。以前、グランプリ参戦前に候補としてエルドラージ系のデッキを回してみたが、その時に当たるデッキはどれも苦しいものが多くてちょっと下火かなぁと思っていたところに、この追い打ちである。

 ほら、エルドラージそんな目立ってないから大丈夫だよな!……なんて思っていたのだが、バッチリ存在感を放つ新しいタイプのエルドラージ・デッキが出てきちゃったよ……いやむしろこれ使えば良いのか? リストを見てみよう、「ブルードラージ」だ!

betalain - 「ブルードラージ」
Magic Online Modern Challenge #11448057 17位 / モダン (2018年6月23日)[MO] [ARENA]
7 《
1 《荒地
4 《アダーカー荒原
2 《秘教の門
1 《魂の洞窟
4 《エルドラージの寺院
2 《屍肉あさりの地
1 《廃墟の地

-土地(22)-

4 《空中生成エルドラージ
2 《ヴェンディリオン三人衆
4 《難題の予見者
4 《現実を砕くもの
3 《歩行バリスタ

-クリーチャー(17)-
3 《選択
3 《血清の幻視
4 《広がりゆく海
2 《差し戻し
2 《発展のタリスマン
1 《非実体化
2 《四肢切断
3 《謎めいた命令
1 《仕組まれた爆薬

-呪文(21)-
2 《儀礼的拒否
2 《払拭
1 《仕組まれた爆薬
2 《神聖な協力
2 《安らかなる眠り
2 《石のような静寂
2 《機を見た援軍
1 《謎めいた命令
1 《幻惑の旋律

-サイドボード(15)-

 青いエルドラージデッキは《ウギンの目》がまだ使えた頃に全盛期を迎えていた。それ以降は青はどうしても加速手段がないということから緑が中心になったり、システム的に相性の良い白を軸にしたエルドラージデッキが誕生し、今日に至る。

 そんな中で突如の(メインは)青単のエルドラージだ。リストを見た時、正直言ってビビってしまった。《難題の予見者》《現実を砕くもの》たちが、まさか《謎めいた命令》と共存する日が来るとは!! いや、理論上は最強も最強、大最強な組み合わせだが……実行する猛者が現れるとはなぁ(感動)。

 エルドラージコンビを唱えるために必要な無色マナは定番の《エルドラージの寺院》に加えて《アダーカー荒原》《秘教の門》などなど。また、土地に加えて《発展のタリスマン》が入っているのがイイネ!

 色マナも出せるので、青いカード・サイド後の白いカードを唱える助けにもなる。《血清の幻視》《選択》を用いてこれら無色マナ源をかき集めつつ、それらの助けから2大エルドラージを繰り出し、そして《謎めいた命令》などの打ち消しで護って殴り勝つ……貪欲だ、貪欲すぎるぞ……でも、それが気に入った。欲に忠実に、マジックの基本ですな。

 他にも飛行クリーチャーとして《ヴェンディリオン三人衆》と《空中生成エルドラージ》らも採用されている。これらが共存しているデッキなんて、何度も言うけど見たことがない!

 《空中生成エルドラージ》は《エルドラージの寺院》経由で2ターン目に飛び出し、末裔・トークンで加速して3ターン目の《現実を砕くもの》を実現してくれる加速装置の役割もある。エルドラージ・デッキを相手にしていると思ったらヴェンディリオンと《差し戻し》の組み合わせで華麗に捌かれてしまった、ということがありそうだ。

 しかしまあ、実際に戦ったら腰を抜かしそうなデッキだ。《広がりゆく海》で土地は攻めるわ、《難題の予見者》で手札は攻めるわ、最後はエルドラ軍団の攻撃を通すために《謎めいた命令》でクリーチャーフルタップ!とかやってくるわけでしょ。負けた後、放心状態になりそうだ。

 Magic Onlineの定期開催大型トーナメントModern Challengeで17位に入賞しているので、ちゃんと動くデッキであることも証明済み。エルドラージ×青、禁断の組み合わせにチャレンジしてみるのは大いにあり!……でも、《冥府の報い》にだけは本当に気を付けような……。

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