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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

鱗親和(モダン)

岩SHOW

 先週紹介した「巻きつき蛇」、入稿後に瀧村和幸選手にお話を伺ったところ「蛇デッキのデッキパワーは赤系に並ぶスタンダード2強と言えるレベルににまで達している、最近の成績は32勝7敗(勝率82%!)とノリにのっている」と語ってくれた。《巻きつき蛇》、可能性の塊で秋の『ラヴニカのギルド』が出るまでの間、どこまでやるかが楽しみだ。

 そういえば『霊気紛争』発売直後、この蛇を用いたモダンのデッキもあったよなとふと思い出した。クリーチャーに置かれる+1/+1カウンターの数が増えることを活かして、《電結の荒廃者》などのパワーを引き出してやろうというデッキだ。蛇4枚と、すでにモダン環境に存在した《硬化した鱗》を併せてエンジン8枚体制で組まれたアーティファクト中心のデッキで、「蛇親和」「鱗親和」「Snake Scale」などの呼び名があった。このデッキのブン回った時の爆発力は、ちょうどこの時期にビアガーデンで飲むキンキンに冷えたビールくらいの爽快感であった(未成年の皆、お酒苦手な方々、ゴメンネ)。

 こんなことを考えていたら、ちょうどグランプリ・バルセロナ2018で《硬化した鱗》デッキが第9位にランクインしていた。おそらく、単体では2/3に過ぎない《巻きつき蛇》はややパワー不足でデッキから抜けてしまったのだろう。アーティファクト主体=無色デッキなのにキーカードが黒緑の2色なのもやや痛かった。鱗のみであれば、その分マナベースに自由ができ、アーティファクト・クリーチャー化する土地なども無理なく採用できる。そして『ドミナリア』からもしっかりと新カードを得ていた……ここで取り上げるにはおあつらえ向きな、「鱗親和」を紹介しよう!

Johann Fink - 「鱗親和」
グランプリ・バルセロナ2018 9位 / モダン (2018年6月30日~7月1日)[MO]
7 《
2 《地平線の梢
1 《ペンデルヘイヴン
4 《ダークスティールの城塞
4 《墨蛾の生息地
2 《ちらつき蛾の生息地
-土地(20)-

4 《電結の働き手
2 《演習用模型
4 《電結の荒廃者
4 《鋼の監視者
4 《搭載歩行機械
4 《歩行バリスタ
-クリーチャー(22)-
4 《オパールのモックス
2 《溶接の壺
4 《古きものの活性
4 《硬化した鱗
3 《ゲスの玉座
1 《進化の飛躍
-呪文(18)-
2 《はらわた撃ち
4 《自然の要求
2 《大祖始の遺産
3 《減衰球
1 《進化の飛躍
2 《四肢切断
1 《ゼンディカーの代弁者、ニッサ
-サイドボード(15)-
 

 デッキ内のカードがほぼすべて何らかのカードとシナジー(相乗効果)を形成する、実にマジックらしいデッキである。単体で見ればカードパワーが低めなものを寄せ集めただけに見えるが、それらが噛み合った際の爆発力と美しさは筆舌に尽くしがたく、虜になったプレイヤーが延々使いこんでいるイメージがある。

 アーティファクト・クリーチャーを主体としたビートダウンなので「親和」の名がついているが、本家が往々にしてそうであるように、親和能力を持ったカードは1枚も入っていない。これはマジックの慣習なので、流してやってほしい。

 被っているパーツが多いので基本的な動きも「親和」に近い。《オパールのモックス》を《ダークスティールの城塞》などで早いターンから起動できるようにしてやって、加速された状態で軽量クリーチャーをばら撒く。これらでビートし、チャンスと見れば《電結の荒廃者》にアーティファクトを食わせまくり、自身の能力でこれを生け贄に捧げて電結能力で+1/+1カウンターを《墨蛾の生息地》に託したりしてワンショットを狙う……と。

 これに《硬化した鱗》が絡み、《頭蓋囲い》とは別のベクトルで打点を高める。《電結の働き手》と噂の新カード《演習用模型》は序盤から展開でき、最終的に荒廃者の餌となった際に打点を跳ね上げる起爆剤となってくれる。

 荒廃者のカウンターを受け取るのは上述の墨蛾と、他に《搭載歩行機械》《歩行バリスタ》がある。

 どちらも自身に置かれた+1/+1カウンターにパワー/タフネス以外の意味を持たせるカードで、単体で使ってもそこそこ強いのに各種シナジーが絡めばもう大怪物。即効性・持続性の面でどちらもコントロールデッキ相手に強いという点も、《ドミナリアの英雄、テフェリー》が活躍中の現モダンでは頼りになることだろう。バリスタをズドドドドッと撃ち込んで一気にゲームを終わらせたり、除去されても飛行機械・トークンで盤面を維持したり……コントロールデッキにとっては悪夢だ。

 《ゲスの玉座》とは汚い方法で王位に就いたような響きだが、これはミラディン在住の吸血鬼の名前である。

 このカードもシブいね、アーティファクトを生け贄にすることで「増殖」、ありとあらゆるパーマネント&プレイヤーに置かれているカウンターを1個増やすことができる。これも《硬化した鱗》と合わさればとんでもない打点になるし、墨蛾で与えられた毒カウンターや-1/-1カウンターを増やして相手を苦しめる、なんてトリッキーな使い方もできる。特にコントロール相手には《流刑への道》などの追放除去対策として、荒廃者ともども《搭載歩行機械》のお守り役として大事に運用したいところだ(追放されると死亡時の能力が誘発しないので、これらで生け贄に捧げてやるのだ)。

 一度使ってスカッとはちゃめちゃなゲームを楽しんでしまえば、ヤミツキになること間違いなし。じめじめした日本の夏を乗り切るには、こうした爽快感あふれるデッキを使うのが一番ッッ……かもね。熱中症には気を付けて、楽しく夏を乗り切ろう!

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