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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
ギトラグの怪物・コントロール(モダン)
祝・《世界のるつぼ》再録! 個人的にイラストが大好きなカードで、能力も土地が再利用できて最高。フォーマットを問わず活躍してくれた思い入れもある1枚で、これが現行スタンダードに合流してどのような化学変化が起きるのか楽しみなところ。
そんなるつぼと同じ能力を持ったカードは、実はスタンダード環境にはもうあったりもする。《ラムナプの採掘者》だ。
このクリーチャーはスタンダードではあまり姿を見ることがないが、他のフォーマットではポテンシャルを発揮しているようだ。モダンなんかだと、これを軸にした《集合した中隊》デッキまであったりする。
今日紹介するデッキも、このクリーチャーの力で墓地から土地をプレイすることで利を得るデッキで……まあインパクトがすごいので、とりあえずリストを見ていただこうか。
5 《森》 4 《沼》 2 《草むした墓》 4 《新緑の地下墓地》 2 《吹きさらしの荒野》 1 《湿地の干潟》 2 《地平線の梢》 4 《幽霊街》 -土地(24)- 4 《ラムナプの採掘者》 4 《不屈の追跡者》 2 《迷える探求者、梓》 2 《むら気な長剣歯》 2 《ムル・ダヤの巫女》 1 《生類の侍臣》 3 《ギトラグの怪物》 2 《堕ちたる者、オブ・ニクシリス》 -クリーチャー(20)- |
3 《致命的な一押し》 3 《コジレックの審問》 3 《思考囲い》 4 《心なき召喚》 2 《突然の衰微》 1 《大渦の脈動》 -呪文(16)- |
1 《最後のトロール、スラーン》 1 《スラーグ牙》 1 《囁きの森の精霊》 1 《搭載歩行機械》 1 《暗黒破》 1 《虚無の呪文爆弾》 1 《真髄の針》 3 《集団的蛮行》 1 《突然の衰微》 1 《ゴルガリの魔除け》 1 《失われた遺産》 2 《引き裂く突風》 -サイドボード(15)- |
呪文構成はいたって普通の黒緑……と見せかけて《心なき召喚》4枚入りと、いきなりとんでもない。
クリーチャーのサイズは-1/-1修整を受けてしまうが、コストが2マナ軽くなる加速エンチャントで、これを用いて《ラムナプの採掘者》らキーカードをまとめて同一ターンに唱えようという狙いだ。こんな発想はなかった、のっけから脱帽である。
コストを軽くして唱えられるクリーチャーはいずれも《ラムナプの採掘者》と相性の良いものばかり。《迷える探求者、梓》《むら気な長剣歯》《ムル・ダヤの巫女》《ギトラグの怪物》はいずれもそのターンに置ける土地の総数を増やす能力を持っている。
これらを《心なき召喚》からダダダッと展開し、《ラムナプの採掘者》の能力で墓地から《新緑の地下墓地》などの使用済みフェッチランドを戦場に戻し、戦場を土地まみれにしてしまう。3ターン目に戦場に土地が7枚、みたいな動きも割と簡単にできちゃうぞ。
まあそれだけ土地を並べてもゲームに勝てるわけではない。このデッキの狙いは大量にマナを得るというよりは土地をガンガンに使いまわすこと。先述のフェッチランドのように、生け贄に捧げて能力を起動する土地を1ターンの間に何度も何度も使いまわすことが可能だ。
一番の狙いは《幽霊街》。これで対戦相手の土地を破壊する。
破壊された相手は《幽霊街》の能力で代わりとなる基本土地を探してきて戦場に出す。これも割る。また基本土地が出てくるかもしれないが、気にせず割りまくる。モダンでは基本土地を二桁枚数積んでいるデッキがほぼ存在しない。このアクションを繰り返せば、対戦相手の基本土地をライブラリーからすべて引っこ抜いて土地を枯らすことができる。そうやって対戦相手を行動不能に追い込んで投了させる、というのがまず1つ目の勝ちパターン。
他にはライフを狙って勝つこともある。土地を何度も出し入れしていると《堕ちたる者、オブ・ニクシリス》の上陸能力が誘発しまくって対戦相手のライフを一瞬で消し去ることができる。《不屈の追跡者》で手掛かりトークンを生成しまくって、これらを生け贄にして追跡者のサイズを上げて殴るという手も。
どのプランで行く場合も、カードを大量に引けるのが嬉しい。《地平線の梢》を何度も出し入れし、それによって追跡者と《ギトラグの怪物》の能力が何度も何度も誘発する。土地を引いたら戦場に出して……とにかく、無茶苦茶動くことができる。エンジンがかかればこれほど気持ちの良いデッキもないだろう。
もちろん、対戦相手がこれを黙って見ているはずもないので、《思考囲い》《コジレックの審問》で手札を破壊し、除去呪文でクリーチャーの攻めを弾く必要がある。最序盤は生き残り最優先で行動しよう。
土地をバカスカ攻めることができるので、それに依存した「トロン」のようなデッキ相手には有利に立ち回ることができるだろう。毎回毎回理想の動きができれば、理論上最強とも言えるが……現実はそうでもないのでダメな時はダメと割り切ろう。
安定して勝てるデッキではないかもしれないが、こういう趣味のデッキを使うのもマジックの醍醐味。趣味の世界くらい、とことん趣味に走らせてくれってね。そんな開き直った貪欲さが、最高に素敵なリストなのだ。
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