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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
掘葬アブザン(モダン)
ここしばらくは「MTG Arena」でベータテスターとしてスタンダードをプレイし、Magic Onlineではモダンをプレイするというマジックにおいてとても充実したオンライン活動を行えている。ストレートに言おう、最高だ。どんどんとマジックを遊ぶ人にとって、良い環境が作られていくことを心から願うね!
で、本題。先日モダンのデッキを調整していた時のこと。対戦相手は《花盛りの湿地》から《コジレックの審問》を唱えてきた。
あらら1ターン目からハンデスなんて嫌ですわ、とか思いつつも相手のデッキは3つに絞れるなと考えた。「ジャンド」「アブザン」「黒緑」である。《血編み髪のエルフ》解禁によりパワーアップした「ジャンド」は使用者もこの3つの中では最も多い……ようなのだが、どういうわけか僕自身は全く当たらない。なのでこの時も「アブザン」か「黒緑」だろうと思い込んでいた。
で、案の定相手は続いて白黒の土地を置いてきた。やっぱり「アブザン」だなと。《流刑への道》を持っているのがちょっとうっとうしいな、なんて思いながらプレイしていると……相手はこちらのターン終了時に思いがけないカードをプレイしてきた。《忌まわしい回収》!
おいおい、『ラヴニカへの回帰』期のスタンダードを思い出すじゃないか。そのまま《未練ある魂》や《掘葬の儀式》が墓地に落ちた。あの時代のまんまじゃないか! その後、《包囲サイ》が出てきて、それを《修復の天使》で出し入れするという、割と好き放題やられてしまったのである。
以前に紹介した「掘葬の儀式」デッキを思い出したが、あれよりも大型クリーチャーは少なく、天使とサイに絞り込んで色もアブザン(白黒緑)カラーにまとめているようだった。
う~む、好みじゃないか……ストライクど真ん中な動きをするデッキに魅せられてしまった。そこで各種デッキ掲載サイトを漁っていると……それらしいリストを見つけた。おそらく、これに近いデッキのはずだ。「掘葬アブザン」の登場だ!
1 《平地》 1 《沼》 2 《森》 1 《神無き祭殿》 1 《寺院の庭》 1 《草むした墓》 1 《湿地の干潟》 1 《吹きさらしの荒野》 4 《花盛りの湿地》 4 《コイロスの洞窟》 2 《活発な野生林》 1 《低木林地》 1 《廃墟の地》 2 《幽霊街》 -土地(23)- 4 《サテュロスの道探し》 1 《永遠の証人》 4 《修復の天使》 4 《包囲サイ》 -クリーチャー(13)- |
4 《コジレックの審問》 3 《致命的な一押し》 3 《流刑への道》 1 《思考囲い》 4 《忌まわしい回収》 2 《突然の衰微》 4 《未練ある魂》 3 《掘葬の儀式》 -呪文(24)- |
1 《再利用の賢者》 1 《強情なベイロス》 1 《叫び大口》 1 《黄金牙、タシグル》 1 《外科的摘出》 3 《強迫》 2 《虚無の呪文爆弾》 1 《流刑への道》 1 《突然の衰微》 1 《集団的蛮行》 1 《神の怒り》 1 《残忍な切断》 -サイドボード(15)- |
基本的には軽量の手札破壊と除去で対戦相手に好きなことをさせない、アブザンカラーの中速デッキである。《タルモゴイフ》や《闇の腹心》といったおなじみの面々を使う代わりに、クリーチャーの枠を《修復の天使》《包囲サイ》そして《サテュロスの道探し》に割いている。サテュロスと《忌まわしい回収》でカードを墓地に落とし、フラッシュバックでそれらを唱えることでアドバンテージを得ようというデッキだ。
アブザン・デッキでは《闇の腹心》《残忍な剥ぎ取り》といったクリーチャーがアドバンテージをもたらす役目を果たすのだが、これらにはタイムラグがあり、《致命的な一押し》《稲妻》なんかでサクッと対処されてしまうと何もできない。これを嫌ったのかどうかはわからないが、サテュロスと回収であれば墓地が肥えて即アドバンテージを確保できる(……可能性が高い)。《未練ある魂》で戦場を固め、《掘葬の儀式》でサイ&天使を釣って攻撃に転じる。1枚挿しの《永遠の証人》で更なるアドバンテージを取りに行くのも良いだろう。絶対楽しいやん、こんなん。
このデッキの素敵なところは、《グリセルブランド》のような釣ったら勝てるが普通に唱えることは難しいというカードを採用せず、リアニメイト戦略に頼り切っていない点。サイも天使も素出しで問題なく使えるカードで、あくまで釣れたら嬉しいなくらいのスタンス。貪欲なようで誠実、でも仕掛けるときは好きにやらせてもらう……エレガントじゃないっすか。
このデッキが使用されたのは、ブラジルのリオデジャネイロで開催された大会で、どうやら定期的にイベントが開催されているようだ。おお、はるか彼方南米の地で使われたリストと、オンラインで相まみえようとは……なんだかグッとくるものがあるね。
このコラムを読んでくれた人がこの掘葬システムを気に入って、インスパイアを受けたデッキでプレイして……対戦した人が「なんだあのデッキは?」と調べて……こういう、いろんな人とデッキが繋がっていくのも、マイナーデッキの楽しさなんだよなぁ(ウットリ)。
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