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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
4色コントロール(レガシー)
先日なんとなーくTwitterを見ていたら、レガシーに対するイメージが書かれていた。1キルが飛び交う魔境で初心者にはオススメしづらい、と。カードを集めるのが大変で勧めづらい、というのはわかる。マスターズ・シリーズなどでの再録でマシにはなっているのだが、参入のハードルは依然として高い。
でも、魔境ってことはない。1ターンキルはできなくもないが、確率はとても低い。そんな薄っぺらな可能性にオールインするデッキは少なく、コンボデッキも相手の妨害を無視できないので速度を落としてそれらへの対抗策を優先している。キープ宣言からのお願いしまーすで、自分のターンが来る前に何が起きたか理解もできないまま敗北……そういう魔境感は薄れているので、その点は安心して勧めてあげてほしいな。というのが、僕の願い。
環境が落ち着いたものである、というのは勝っているデッキを見てもわかること。コンボや理不尽なまでの押し付けを狙うデッキも相変わらず強いのだが、それ以上に「奇跡コントロール」と「グリクシス・デルバー」の活躍が目立つ。クロックパーミッションにコントロールと、いわゆる「フェアなデッキ」がしっかりと勝っているのだ。
これらと同様に勝っている、もう1つのコントロールデッキを今日は紹介しよう。
1 《島》 2 《沼》 3 《Underground Sea》 1 《Tropical Island》 1 《Volcanic Island》 2 《Badlands》 4 《汚染された三角州》 4 《沸騰する小湖》 2 《新緑の地下墓地》 -土地(20)- 4 《死儀礼のシャーマン》 4 《悪意の大梟》 3 《瞬唱の魔道士》 2 《トレストの使者、レオヴォルド》 -クリーチャー(13)- |
4 《渦まく知識》 4 《定業》 1 《思案》 2 《致命的な一押し》 2 《稲妻》 1 《紅蓮破》 1 《思考囲い》 2 《トーラックへの賛歌》 1 《集団的蛮行》 1 《悪魔の布告》 3 《コラガンの命令》 1 《餌食》 1 《意志の力》 1 《最後の望み、リリアナ》 2 《精神を刻む者、ジェイス》 -呪文(27)- |
2 《外科的摘出》 2 《狼狽の嵐》 1 《青霊破》 1 《水流破》 1 《赤霊破》 1 《真髄の針》 2 《毒の濁流》 3 《意志の力》 1 《最後の望み、リリアナ》 1 《反逆の先導者、チャンドラ》 -サイドボード(15)- |
「4Cレオヴォルド」と呼ばれることも多い、4色のコントロールデッキだ。
相手への対応を第一として、1キルなどとは縁のないロングゲームを見越している。まあコントロールとは言ってもそこはレガシー、土地が20枚しかないので速攻ビートダウンデッキにも見えかねない。これは《死儀礼のシャーマン》や1マナのドロー呪文のおかげである。
土地の枚数でどんなデッキかわからない時は、とりあえず《不毛の大地》が採用されているかどうかをチェックしてみよう。4枚ガッツリ採られていれば、そのデッキは序盤戦を長く戦いたいデッキ。0枚であれば自分もちゃんとマナを伸ばしたいコントロールデッキだということがわかる(世の中、例外も存在するのであくまで参考に)。
「とりあえずビール」感覚で《死儀礼のシャーマン》で幕開けすることができれば、後はこのクリーチャーの生み出す4色のマナで好きなように動いていこう。《悪意の大梟》で盤面を固め、クリーチャーが出てくれば除去を。1マナのドロー呪文で手札を整えつつ、隙なく立ち回る。
相手の戦場を更地にしたのなら《トレストの使者、レオヴォルド》で蓋をしよう。相手のドロー呪文を封じつつ、相手がこちらを対象にした呪文や能力を使ってきたらまずカードを引かせていただこう。
後はクリーチャーで殴って死儀礼が2点飛ばしだすか、《精神を刻む者、ジェイス》らプレインズウォーカーでフィニッシュへ。ロングゲーム狙いのコントロールデッキといっても、毎度毎度スタンダードのように超長期戦の末に勝つというわけじゃない。序盤をしのいで、後はアドバンテージ差をつけて優位な状態をひっくり返させない、そんな認識の方が良いんじゃないかな。
アドバンテージ勝負を制する、「4色コントロール」最大の武器が《コラガンの命令》だ。
モード呪文で応用が利き、インスタントで使いやすい。対戦相手が手札をすべて吐き出した後ならば、相手のドロー後に手札を捨てさせるモード+αで。《昆虫の逸脱者》に殴られている場面なら2点ダメージ+αで……といった具合に相手や状況を選ばないのがエラい。この+αの部分は墓地からのクリーチャー回収を選んでアドバンテージ差をつけてやりたいところ。序盤で相討ちブロックをした《悪意の大梟》、《コラガンの命令》を使いまわせる《瞬唱の魔道士》を戻せたら最高だ。
このリストの特徴は、メインに《意志の力》が1枚しか採用されていないところ。これは思い切った構成である。どうも、最近はメインにはこのように1枚だったり、思い切って0枚にしているリストが結果を残しているようだ。
レガシーを代表する呪文で、0マナで打ち消しができる、いざという時に頼りになるカードだが、アドバンテージの損失が痛いのも事実。特に同型を相手にした際には弱いカードであるため、それらとの対戦を見越してこのような形になっているのだろう。1ターン目から《虚空の杯》《血染めの月》を置いてくるデッキや各種コンボデッキ、いわゆるアンフェアなデッキ相手にはこれをサイドインして迎え撃とうというわけだ。このリストもまた、レガシーが1キルが横行するような魔境ではないという証拠と言えるね。
アンフェアなデッキも多いが、それらに対抗するフェアなデッキも強い。今のレガシーはデッキが固定化されつつあるが、環境としてのバランスはとれている状況だ。この流れに乗るか、打ち破るかはあなた次第。大きな動きが少ないフォーマットだが、ある日突然新しい常識が生まれることもある。恐れずに挑んで、いろいろ試して楽しんでみるのが良いんじゃないかな?
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