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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
黒死病(Pauper)
いつぞや、「疫病」という構築済みデッキを紹介させてもらった。あれは思い出が詰まった我が人生最高のデッキの1つ。《黒死病》は至高のエンチャントだ。
この《黒死病》、かつては基本セットの常連であったものの『基本セット第6版』以降はめっきり姿を見せなくなり、これのリメイク的なカードは作られるものの元祖よりも使いにくかったりと、オリジナルに並ぶものはなかなか出てこない。まあこんなカード、コモンやアンコモンに収録されるとリミテッドが壊れてしまうんでしょうがない。
それに構築でだって、小型クリーチャーをシャットアウトするなかなかやりおる1枚なのだ。今日紹介するのはコモン限定構築Pauperにて使用される《黒死病》デッキの一例だ!
5 《沼》 3 《平地》 4 《オルゾフの聖堂》 4 《磨かれたやせ地》 3 《灰のやせ地》 1 《やせた原野》 1 《カビーラの交差路》 1 《隔離されたステップ》 -土地(22)- 4 《スレイベンの検査官》 4 《コーの空漁師》 3 《孤独な宣教師》 3 《エイヴンの裂け目追い》 2 《臭い草のインプ》 3 《ギルドパクトの守護者》 2 《カストーディの従者》 -クリーチャー(21)- |
3 《死の重み》 3 《悲劇的な過ち》 3 《無残な収穫》 2 《チェイナーの布告》 2 《損ない》 4 《黒死病》 -呪文(17)- |
2 《軍旗の旗手》 3 《大牙の衆の忍び》 3 《大祖始の遺産》 3 《酷評》 2 《オルゾヴァの贈り物》 2 《貴族階級の嘲笑》 -サイドボード(15)- |
《黒死病》はマナを注げば全体に1点ダメージを与える。これによりクリーチャーを一掃することもできるが、クリーチャーが1体もいなくなると感染者・保菌者がいなくなって戦場から消えるという、まさしくペストのような伝染病であるかのような挙動が特徴。
これで対戦相手のクリーチャーを薙ぎ払い続けるには、自身の戦場に《黒死病》で死亡することのないクリーチャーを置いておく必要がある。そこで昔から《黒死病》デッキはプロテクション(黒)を持った白いクリーチャーを採用するのだ。このデッキもその例に漏れず、採用しているのは《ギルドパクトの守護者》。
単色に対するプロテクションを持ち、コモンしかない=多色のカードが少ないPauperでは非常に高い除去耐性とブロッカー性能を持ったカードとして知られる。これと《黒死病》で盤面をガッチリと固める、低速のコントロールデッキというわけだ。
そんな鉄壁の《ギルドパクトの守護者》のほかに採用さされているクリーチャーはというと……タフネス1や2と低かったり、消失能力を持っていたりと、死にやすいものが多めである。これ、《黒死病》で死んじゃったりするし大丈夫なの?と思われるかもしれない。これは逆転の発想で、例えば《孤独な宣教師》などは出してから自分の《黒死病》で死亡させることもある。一体何のために? 使いまわして得するためだ。
このデッキの《黒死病》と合わさってエンジンを形成するカードが《無残な収穫》だ。
自身のクリーチャーが死亡すると誘発し、コストを払えば墓地から手札に戻ってくる「復活」という能力を用いて、墓地からクリーチャーを回収するこの呪文を何度も使いまわす。《孤独な宣教師》は戦場に出ては《黒死病》で死亡し、《無残な回収》を復活させ、それで手札に還ってくる。こうやってグルグル回すことでライフが毎ターン回復する。《スレイベンの検査官》であれば手掛かり・トークンが増殖、そうやってゆっくりと対戦相手とライフや手札の差をつけてゆき、《黒死病》で蝕んで相手のライフを0にするのだ。かなり気の長い典型的なコントロールデッキだが、好きな人にはたまらないだろうね。
《黒死病》が機能しだすのは最低でも5マナ揃ってから(唱えて起動してで合計5マナ)。序盤はこのカードに頼ることができないため、びっしりと除去、そしてライフを回復する手段を採用している。とにかくダメージを少なくして生き延びる、それが最序盤の目標だ。《孤独な宣教師》《エイヴンの裂け目追い》でひたすらに回復し、《無残な収穫》で再利用しよう。
また面白いカードとして《カストーディの従者》が採用されている。
これも墓地からクリーチャーを回収して序盤を耐えるのに使えるし、一度戦場を完全にリセットするために止む無く使い捨てた《黒死病》の回収なんて芸当もできる。3/3飛行というサイズもフィニッシャーとして悪くない、マスターピース的な1枚だ。
じわりじわりと有利になっていく、そんなロングゲーム好きは一度手に取ってほしいね。他にも《宮殿の歩哨》や《ディミーア家の護衛》などデッキと相性の良いカードはあるので、自分なりの《黒死病》デッキを探求するってのも楽しいだろう。自身のライフだけはしっかり管理して、レッツパンデミック!
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