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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

赤黒アグロ(スタンダード)

岩SHOW

 さあ、今日から新環境でスタートダッシュを切ったデッキを紹介していこう! スタンダードは『ドミナリア』の参入により、大量の新カードを得た。英雄譚など、これまでには全くない動きを見せるカードも増え、新デッキが数多く誕生する環境となるだろう。

 まだまだ始まったばかりだが、このセットの発売週末には毎度おなじみ「StarCityGame.com Open」という世界最大規模のショップ主催トーナメントが開催された。そして今回は日本国内でも「BIG MAGIC Open Vol.10」が開催され、スタンダードトーナメントには500名近くのプレイヤーが参加した。

 これらの大会で上位に入賞したデッキは、新環境の先陣を切って進むことになること間違いなし! そんなわけで、今日はアメリカと日本で同時に好スタートを切ったデッキを紹介しよう!

Kwame Gunn - 「赤黒アグロ」
StarCityGame.com Team Open Atlanta 準優勝 / スタンダード(3人チーム構築戦) (2018年4月28~29日)[MO] [ARENA]
9 《
3 《
2 《泥濘の峡谷
4 《竜髑髏の山頂
4 《産業の塔
2 《屍肉あさりの地
-土地(24)-

4 《ボーマットの急使
4 《発明者の見習い
4 《屑鉄場のたかり屋
4 《歩行バリスタ
3 《ピア・ナラー
3 《再燃するフェニックス
1 《熱烈の神ハゾレト
-クリーチャー(23)-
3 《削剥
4 《無許可の分解
3 《霊気圏の収集艇
3 《反逆の先導者、チャンドラ
-呪文(13)-
1 《栄光をもたらすもの
2 《マグマのしぶき
2 《アルゲールの断血
2 《魔術遠眼鏡
3 《大災厄
3 《焼けつく双陽
1 《反逆の先導者、チャンドラ
1 《泥濘の峡谷
-サイドボード(15)-
StarCityGames.com より引用)
 

 どんな時でも新カードはインパクトがあるものだが、今回は特に白が強力な神話レア《ベナリア史》《黎明をもたらす者ライラ》を有している、というのがプレイヤー間の共通認識である。となれば多くのプレイヤーが白いデッキがこれらのトーナメントに持ち込むであろうことは明白。

 これらのカードを抱えるデッキに苦戦しない構築をすれば、好成績が見込める。たとえば赤いビートダウンを前環境より引き続き用いるのであれば、ライラ1枚で負けてしまわないような工夫をするべきである。

 そこで多くのプレイヤーがたどり着いた答えが、《無許可の分解》!

 対象にさえ取れればどんなクリーチャーでも破壊できるインスタントで、アーティファクトをコントロールしていれば3点ダメージをプレイヤー本体にも飛ばせる大きなオマケ付き。以前は「マルドゥ機体」を支えて一時代を築いたこの除去呪文を赤単に追加した構築のデッキが、日米両方で上位入賞を果たした。

 上記は、StarCityGames.com Openのチーム構築戦にて決勝進出を果たしたチームのスタンダード担当者のデッキだ。チーム戦なので成績にはスタンダード以外の要素も大きなウェイトを占めてはいるが、準優勝であればスタンダードでしっかりと勝ち星を積み重ねたこと間違いなし。

 以前まで使われていた赤単のビートダウンデッキに、《無許可の分解》《屑鉄場のたかり屋》を足した構成だ。1マナのカードが減って3マナのカードが増え、かつタップインの可能性もある2色土地もデッキに入ったことで手札を吐き出す速度がやや減速。

 そのため、《熱烈の神ハゾレト》の枚数は抑えて、《再燃するフェニックス》や《ピア・ナラー》などの除去1枚では対処されづらいクリーチャーを主軸に。

 たかり屋やフェニックスなどしぶとい連中でビートし、《反逆の先導者、チャンドラ》と分解でプレイヤー本体にダメージを与えて勝利を目指そう!

Hoshide, Naonari - 「赤黒アグロ」
BIG MAGIC Open Standard Vol.10 準優勝 / スタンダード (2018年4月28日)[MO] [ARENA]
10 《
1 《
4 《泥濘の峡谷
4 《竜髑髏の山頂
4 《産業の塔
1 《廃墟の地
-土地(24)-

4 《ボーマットの急使
2 《損魂魔道士
4 《屑鉄場のたかり屋
3 《ゴブリンの鎖回し
3 《ピア・ナラー
4 《再燃するフェニックス
-クリーチャー(20)-
4 《削剥
4 《無許可の分解
2 《キランの真意号
2 《霊気圏の収集艇
4 《反逆の先導者、チャンドラ
-呪文(16)-
2 《栄光をもたらすもの
2 《悪魔王ベルゼンロック
3 《マグマのしぶき
3 《没収の曲杖
3 《大災厄
2 《廃墟の地
-サイドボード(15)-
 

 こちらはBIG MAGIC Open Vol.10準優勝デッキ。赤単にたかり屋と分解を投入するという設計思想は同じだが、細部が異なる。最も大きな違いは《ゴブリンの鎖回し》が採用されている点。

 {R}{R}{R}と色拘束が厳しいものの、戦場に出ればタフネス1のクリーチャーをまとめて薙ぎ払う、ゴブリン界のやべーやつ。この週末に白いデッキと同じく増殖するであろうと予測されていた緑のデッキに対しても、《ラノワールのエルフ》などをまとめて除去しつつ、3/3先制攻撃とディフェンシブなスペックで攻防ともに活躍する。

 また、この3マナパワー3を採用したことで運用しやすくなったカードが《キランの真意号》だ。

 白は派手な神話レア以外にも《封じ込め》という軽くて使いやすいクリーチャー除去を新たに得た。真意号は警戒を持っているため攻撃してもタップ状態にはならず、《封じ込め》の対象にならない。

 僕はこのトーナメントのフィーチャーマッチを実況していたのだが、この日はとにかくさまざまなデッキで真意号が大活躍していた。鎖回しと真意号、この2・3マナラインがこれからの赤いデッキの定番ムーブになる可能性……大いにあるんじゃないかな。戦場の細かいのを潰しながら乗り込んで殴る動きは見ていて強く、美しかった。

 新カードで強くなるデッキへの対抗手段を持ったデッキを使う。環境初期にはこういうアプローチが勝利へと繋がる。どんなデッキを作ったらいいか迷っている時は、まず仮想敵を考えてみよう!

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