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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

青赤GPG(スタンダード)

岩SHOW

 なんでこうも毎週のように面白いデッキが出てくるのか! 『イクサランの相克』環境のスタンダードはネタが尽きず、思わず嬉しい悲鳴が出てしまう。もうすぐ『ドミナリア』の発売で環境が変わってしまうというのに……果たしてこの環境を最後まで追いきれるのかどうかはわからないが、可能な限り魅力的なデッキを紹介していきたいところ。新セットの追加でどのデッキが強くなるのか、見えてくるはずだから……

 というわけで本日は、環境末期に開催されたグランプリ・シアトル2018(スタンダード)の上位入賞デッキの中でも一際インパクトのある新しい構成で、かつトップ8に3名ものプレイヤーを送り込んだ彗星の如きデッキを紹介しよう!

Charles Wong - 「青赤GPG」
グランプリ・シアトル2018(スタンダード) 5位 / スタンダード (2018年4月7~8日)[MO] [ARENA]
2 《
6 《
4 《尖塔断の運河
4 《霊気拠点
4 《イプヌの細流
2 《廃墟の地
-土地(22)-

4 《ボーマットの急使
4 《狂信的扇動者
4 《査問長官
4 《戦凧の匪賊
4 《機知の勇者
4 《戦闘の祝賀者
2 《戦利品の魔道士
2 《多面相の侍臣
4 《歩行バリスタ
-クリーチャー(32)-
4 《来世への門
2 《王神の贈り物
-呪文(6)-
2 《栄光をもたらすもの
3 《沈黙の墓石
3 《呪文貫き
3 《削剥
2 《ジェイスの敗北
2 《焼けつく双陽
-サイドボード(15)-
 
どんなデッキ?

 「GPG」「王神」などと呼ばれるタイプのデッキで、キーカードは《王神の贈り物》。

 このアーティファクトにより毎ターン4/4のゾンビ・トークンを生成し、その物量と絶え間ない攻めで対戦相手を圧殺するコンボ要素の強いデッキだ。

 青白青黒など青を中心としたカラーバリエーションが豊富で、このデッキは青のパートナーに赤を選んでいる。

 デッキの目指す動きは墓地にクリーチャーカードを多数落とし、贈り物で釣り上げるタネを用意しながら《来世への門》起動の条件を満たし、早いターンに贈り物設置からのゾンビ生成祭りを狙うこと。

 これを狙うために《機知の勇者》が用いられ、《査問長官》で自身のライブラリーを直接墓地に落とし込む戦略も基本。

 このデッキでは赤をサブカラーに選んだことで《ボーマットの急使》も用いることができるようになっている。

 このクリーチャーの能力を起動すると手札をすべて捨てなければならないが、それでクリーチャーカードが合計6枚になって《来世への門》が起動できるようになれば安いものである。さらに前もって何枚かカードを追放しておいて手札を補充できれば最高だ。

 手札が絶え間なく回転し、攻め手が途切れない。ほとんどクリーチャーで構成されているデッキではあるが、その引き出しの多彩さには驚かされる。

テクニック!

戦凧の匪賊》+《狂信的扇動者》or《歩行バリスタ》:ほぼクリーチャーで構成されたデッキで、黒のように《貪欲なチュパカブラ》がいたりするわけでもないデッキで、どうやって対戦相手のクリーチャーに対処するのか? 答えはこのテクニックだ。《戦凧の匪賊》で攻撃して対戦相手の最も厄介なクリーチャーを0/1能力なしにした上で、《狂信的扇動者》を飛び込ませるか《歩行バリスタ》のカウンターを投げつけるかして1点ダメージを与えて倒してしまおう。

 対象になるものであれば、《再燃するフェニックス》や《熱烈の神ハゾレト》など、対処が非常に困難なものでもサクッと倒すことができるぞ。しかも、ダメージを与えるクリーチャー陣はどちらも能動的に墓地に落とすことができるものなので、墓地肥やしにも大貢献!

注目のカード:《戦闘の祝賀者

 このデッキのキーマン、赤が選ばれた最大の理由である。このクリーチャーは1ターンに1回、督励能力によって他のクリーチャーをアンタップして追加の戦闘フェイズを与えてくれる。もう1回全軍突撃!と攻撃できるわけだが、戦闘フェイズが追加されるということは《王神の贈り物》の誘発型能力がもう1回使えるということで、このデッキでは他のデッキ以上に意味のある能力になっている。

 4/1と死にやすいスペックも、むしろブロックされることでもう1回贈り物で釣り上げて殴りに行かせられるというメリットとなってしまう。1体目で追加の戦闘フェイズを得て墓地から2体目を釣って……と連鎖させていけば盤面がとんでもないことになり、対戦相手も投了を余儀なくされることだろう。

 サイドボード後には《栄光をもたらすもの》とともに攻撃することで、督励能力を2度使って対戦相手のクリーチャーをじゃんじゃん焼いてしまえることも覚えておこう。

 何度も何度もゾンビが突撃するさまは、まさしくニコル・ボーラスが永遠衆に望んだ姿である。マジックの黒幕も満足してくれるであろうこのデッキ、『ドミナリア』ではどんな新戦力を迎えるのだろうか。青と赤のクリーチャー、手札を捨てると書かれたカードには要注目! また、こういうデッキがいるから、スタンダードをプレイする際には墓地対策を忘れずに!

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