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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
白黒吸血鬼(スタンダード)
現在のスタンダードはまさしく群雄割拠といえよう。一強デッキが君臨する環境も、それを倒すためのアイディアを絞ったり同型戦での腕を磨いたりといったマジックを堪能できて面白いものだが……いろんなものをいっぱい味わいたい貪欲なビュッフェ好きとしてはね、今の環境のようにあれもこれも強いよという状況は最高なのだ。
本日紹介するのは、そんな食べ放題が好きそうな飢えた部族、吸血鬼のデッキだ!
5 《平地》 4 《沼》 4 《秘密の中庭》 2 《放棄された聖域》 4 《シェフェトの砂丘》 3 《イフニルの死界》 2 《廃墟の地》 -土地(24)- 4 《薄暮軍団の盲信者》 4 《軍団の副官》 3 《薄暮の殉教者》 2 《薄暮の勇者》 -クリーチャー(13)- |
3 《致命的な一押し》 3 《軍団の上陸》 4 《女王の任命》 4 《光輝の運命》 4 《饗宴への召集》 3 《排斥》 2 《イクサランの束縛》 -呪文(23)- |
3 《強迫》 2 《断片化》 1 《致命的な一押し》 2 《アルゲールの断血》 2 《大災厄》 2 《不敬の行進》 2 《厳粛》 1 《不滅の太陽》 -サイドボード(15)- |
どんなデッキ?
『イクサランの相克』発売と同時に使用者が増えた部族デッキである。その理由はお手軽な全体強化である《軍団の副官》の登場。
吸血鬼を展開し、これで強化して殴るというシンプルだが効果的な戦略が取れるようになって、一気に有力デッキとして注目されるようになった。以前紹介した最初期のものはクリーチャー・カードを主とした構成だったが、最近では今回のリストのように《女王の任命》《饗宴への召集》とトークンを生成することでより頭数で勝負する方向に構築されたデッキが勝っているようである。それに伴い、全体強化も《軍団の副官》に加えて《光輝の運命》が採用されるようになっている。
絆魂を持ったトークンを多く生成することができ、またクリーチャーカードも《薄暮軍団の盲信者》《薄暮の殉教者》とサイズには優れてはいないがクリーチャー1体分以上の働きをするものがメインであり、これらによって粘り強く分厚い戦場を形成することが可能。サイズは小さくとも、どうせ全体強化して勝負をするのでとにかく数を並べることが大事だ。
トークンでブロックするのか、あるいは攻撃して絆魂で回復した方が効率が良いのかなど、やることはシンプルながら考えることも多いデッキである。マジックの基本を学びながらより上のステップを目指したい、そんなプレイヤーにもぜひとも使ってほしいデッキだ。
テクニック!
《廃墟の地》+《致命的な一押し》:インスタントタイミングで手札を使うことが《致命的な一押し》《排斥》くらいしかなく、基本的にはソーサリータイミング(すなわち自分のターン)で動いていくデッキである。なので数少ないインスタントタイミングの除去は大事に使いたい。
《廃墟の地》で紛争条件を満たしてやりつつ、《致命的な一押し》の持つバリューを最大限に引き出してやることは細かいが重要なテクニックとなるだろう。最序盤に出てきた軽いクリーチャーに対して気軽に唱えたくなるが、こちらの吸血鬼軍団で止められているのなら無駄打ちになりかねない。焦ってゲームをするデッキではないので、まずはじっくりと戦うことを心がけたい(相手にもよるけどね!)。
注目のカード:《薄暮の勇者》
吸血鬼の数だけライフを失いカードを引くという派手な能力を持つ。消耗戦の末にこれで4枚ドローなんてできたら最高だ。これと、1枚で複数のトークンを生成する呪文や、《一番砦、アダント》などのおかげで《燻蒸》などでリセットをかけてくるデッキ相手にも迅速なリカバリーで勝負することが可能となっている。ゴリゴリライフを詰めてくるデッキ相手にはうっかり出してしまったせいで負け、なんてこともあるかもしれないのでそこは要注意。でも引いてきた全体強化ですぐさま絆魂持ち複数体を強化して殴れる、という状況であれば狙っていきたいところでもある。
注目のカード:《不敬の行進》
ランプ系コントロール・デッキなどで定番の除去兼フィニッシャーとなりつつあるエンチャントが、このデッキのサイドボードにも。その他の除去や《アルゲールの断血》と組み合わせて、部族ビートとしてではなくより長期戦を見据えたコントロールデッキとして立ち回ることも可能となっている。こういうサイド後に切り替えスイッチを用意しているデッキ、好きだなぁ。
カード1枚1枚は貧相にも見える吸血鬼たちだが、群れて鼓舞されることで戦場を覆いつくす悪夢となり得るパワーを秘めている。薄暮の軍団の行く末は、指揮官である君の腕次第! 大局を見極める目が養われるタイプのデッキなので、ぜひとも使いこなしてステップアップを目指してほしいね!
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