READING

戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

青緑マーフォーク(スタンダード)

岩SHOWの「デイリー・デッキ」:青緑マーフォーク(スタンダード)

by 岩SHOW

 結局のところ、『イクサラン』ブロックにおいて最も成功した種族はどれだろうか?

 このブロックは大きく分けて海賊・恐竜・吸血鬼・マーフォークの4つの部族を前面に押し出した構成になっていた。それらの中で、構築にて最も姿を目にするのは......マーフォークじゃないかなと。

 《マーフォークの枝渡り》《翡翠光のレインジャー》の万能パッケージは、あんなデッキこんなデッキで大活躍。実に忙しそうにしているが......おいおいそれって一部のマーフォークだけじゃないかって?

 大丈夫、ちゃんとマーフォーク中心の部族デッキだってスタンダードに......あるぞ!

Claudio Miranda - 「青緑マーフォーク」
「Toca do Urso (Arapongas, Brazil)」主催 マジック25周年記念プロツアー 予備予選 準優勝 / スタンダード (2018年3月11日)[MO] [ARENA]
9 《
5 《
4 《植物の聖域
2 《手付かずの領土
2 《ハシェプのオアシス
-土地(22)-

4 《クメーナの語り部
4 《マーフォークの枝渡り
4 《マーフォークの霧縛り
4 《銀エラの達人
3 《深根の精鋭
3 《オラーズカの暴君、クメーナ
2 《俊敏な番人
3 《海底の神託者
-クリーチャー(27)-
4 《送還
3 《顕在的防御
4 《深根の水域
-呪文(11)-
3 《形成師の聖域
1 《人生は続く
4 《否認
3 《本質の散乱
1 《提督の命令
1 《バラルの巧技
2 《霊気圏の収集艇
-サイドボード(15)-
mtgtop8.com より引用)
 
どんなデッキ?

 デッキを構成するほとんどが『イクサラン』ブロックにて登場したマーフォーク関連のカードという、筋金入りの部族デッキ。クリーチャー1体1体の質ではなく、それらが組み合わさることで発揮する能力で勝負する、典型的な部族ビートダウンだ。

 先述の枝渡り&レインジャーに加えて《銀エラの達人》もあり、手札を増やしながら戦場を構築していくのが得意。

 ある程度のマーフォークが揃ったら《マーフォークの霧縛り》《オラーズカの暴君、クメーナ》で全体を強化し、一斉攻撃で相手のライフと戦線崩壊を狙う。

 最序盤から殴ることも可能な《クメーナの語り部》なども採用されてはいるが、どちらかというとこのように盤面を作ることを得意としているデッキなので、使用する際・対戦する際はその動きを見誤らないように注意。

 キーカードは《深根の水域》。

 マーフォーク・カードを倍にしているような動きをするエンチャントで、これを戦場に出してからマーフォークを出してトークンが出て《深根の精鋭》の能力が誘発して、トークンをタップしてクメーナがブロックされなくなり、攻撃が通ったら《海底の神託者》でドローして......と、シナジーの宝庫であるこのデッキの手数を増やす重要なカードである。これが複数並べば、ゲームを支配することも難しい話じゃなくなってくる。トークンが呪禁持ちなので安心して強化できる点も強いんだよな。

テクニック!

俊敏な番人》+《送還》:対戦相手への妨害手段は少なめではあるが、それもまたマーフォーク・シナジーを形成するものであり強力。《俊敏な番人》は対戦相手の除去や能力から自身のマーフォークを守りつつ《深根の精鋭》《深根の水域》を誘発させる。これを《送還》で手札に戻してもう1回、なんて動きもできる。《送還》は相手のクリーチャーに使う場面と自身のクリーチャーに使う場面を見極めることができれば、たった1マナのインスタント1枚とは思えないほどの効力を発揮する、プレイングで化けるカードだ。

注目のカード:《形成師の聖域

 自身のクリーチャーが対戦相手の呪文や能力の対象になれば1枚ドロー。サイドボードには《否認》などの打ち消し呪文が採用されており、コントロールや除去が強い相手にはこれらをサイドインして妨害しつつ戦うのだが、除去された後から引いてしまい「くぅ~今はクリーチャーが欲しいんや!」となることも。このエンチャントを一緒に採用することで、ドローできる可能性を高めつつ、もし除去されてしまっても手札を得てアドバンテージを得ることで帳消しにしていこう。

 また、引いたカードを見てから打ち消すか否かを選べるのもポイント。打ち消せるけど代わりのカード引いたし、ここは通してやるか......という余裕を持ったプレイングも可能になるぞ。対象を取らない《燻蒸》などには効果がないのはご愛敬。

 

 これはブラジルのプロツアー予備予選にて使われたリストで、世界中のトーナメントを見ているとマーフォークデッキを持ち込んでいるプレイヤーはちらほらとその姿を見ることができる。

 チームの中からどこでも活躍できる2枚がメジャーになってしまい、部族デッキはやや印象が薄いというところだが......その粘り強さとアドバンテージの稼ぎっぷりは魅力的。『ドミナリア』以降のセットでマーフォークが増加したりすれば大化けする可能性も? とにかく手札も盤面もカードで埋め尽くしたいという人にはオススメのデッキだ!

  • この記事をシェアする

RANKING

NEWEST

CATEGORY

BACK NUMBER

サイト内検索