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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
青赤プリズン(モダン)
岩SHOWの「デイリー・デッキ」:青赤プリズン(モダン)
by 岩SHOW
以前にも取り上げたことがあるが、マジックの世界には「プリズン」と呼ばれるデッキタイプがある。最近のスタンダードを中心にプレイしていると聞き慣れないものだとは思う。なぜならここしばらくスタンダード環境ではプリズン系のデッキがそもそも組めないようになっているからだ。
プリズンとはその名の通り、対戦相手を牢獄(prison)に閉じ込めるようにやりたいことをさせないタイプのコントロールデッキのこと。この「やりたいことをさせない」度合いが、他のコントロールとはわけが違う。絶対に攻撃させない・絶対に呪文を唱えさせない、それぐらい徹底した姿勢で、ある意味攻め続ける静の狂暴デッキとも言える。
絶対に殴らせない・呪文も唱えさせないというスタイルのデッキと言えば......モダンの「ランタン・コントロール」なんかはその最たる例だ。《罠の橋》で攻撃を防ぎ、ライブラリートップを《洞察のランタン》で確認し、有効なカードであれば引かせない。まさしく牢獄だ。
今日紹介するデッキは、ランタンと同じくプリズン系のデッキで、しかしアプローチはやや異なる独自の構成だ。アーティファクト満載の「青赤プリズン」の登場だ!
3 《島》 1 《山》 4 《トレイリア西部》 1 《イプヌの細流》 1 《雲の宮殿、朧宮》 4 《ダークスティールの城塞》 2 《発明博覧会》 1 《アカデミーの廃墟》 4 《幽霊街》 1 《廃墟の地》 1 《地盤の際》 -土地(23)- -クリーチャー(0)- |
4 《ミシュラのガラクタ》 4 《オパールのモックス》 1 《トーモッドの墓所》 1 《溶接の壺》 3 《探検の地図》 1 《墓掘りの檻》 1 《真髄の針》 2 《魔術遠眼鏡》 1 《工匠の直感》 4 《罠の橋》 1 《世界のるつぼ》 1 《ギラプールの霊気格子》 4 《発明品の唸り》 1 《瓶詰めの回廊》 1 《魔女封じの宝珠》 2 《仕組まれた爆薬》 4 《虚空の杯》 1 《求道者テゼレット》 -呪文(37)- |
2 《呪文滑り》 3 《溶接の壺》 2 《防御の光網》 2 《太陽のしずく》 1 《倦怠の宝珠》 2 《金属の叱責》 1 《ギラプールの霊気格子》 1 《取り憑かれた扉》 1 《求道者テゼレット》 -サイドボード(15)- |
パッと見たところは一体どういうデッキなのかわかりづらい。名前も初めて見るような1枚挿しのカードばっかり、という方も少なくないはず。このデッキはご覧の通り、ほとんどがアーティファクトで構成されたデッキだ。
それが目指すところは《虚空の杯》と《罠の橋》でロック状態に持ち込むことである。軽いコストの呪文とクリーチャーによる攻撃を封じ、まずは開幕で落とされないようにする。序盤さえしのげば、後はこっちの土俵に引きずり込める。
《虚空の杯》によるロックは、牢獄と呼ぶにはやや限定的ではないかと思われることだろう。これと《罠の橋》を設置しても、例えば《反逆の先導者、チャンドラ》のような重いカードが出てきたらどうするのかと。その点はもちろん、ぬかりはない。出せないように持っていくのだ。
このデッキの第3の攻め手は、マナ基盤の破壊だ。《幽霊街》とその亜種を合計6枚採用。これらを対戦相手の土地へと投げつける。
《幽霊街》《廃墟の地》で土地を割られたプレイヤーは、代わりに基本土地を戦場に出すことができる。そんなこと知ったこっちゃない、と割り続けるのだ。《世界のるつぼ》を用いてね。
これで毎ターンバリバリと土地を攻め続ける。モダンにおいては一部のデッキを除いて基本土地というものはデッキに3枚くらいしか入っていなかったりする。デッキによっては0枚なんてことも。何度か割っていれば、そのうち基本土地が尽きて相手のマナは増えなくなる。ついには0枚になってしまうことだろう。そこまで徹底してやる、という強い意志が大切。変なデッキに見えて剛球一直線だ。
ただ、間に合わずにチャンドラのような有効なカードが飛び出てしまうこともある。こういう時は《魔術遠眼鏡》《魔女封じの宝珠》なんかで対応しよう。
《罠の橋》で対戦相手の攻撃を食い止めなければならないが、盤面を構築するのに手札も必要......という状況ならば《瓶詰めの回廊》が役に立つだろう。
相手のターンに手札が0枚であれば攻撃を防げるので、このアーティファクトで空っぽにしつつ自身のターンでは追加のドローも絡めてたっぷりある手札からどんどん展開していこう。この回廊のおかげで、《求道者テゼレット》の奥義で自分だけ攻撃するということもできる。ずるいね!
これらの1枚挿しアーティファクトを状況に合わせて《発明品の唸り》でサーチする、というのがこのデッキの強み。そしてさらに《工匠の直感》まで採用しているのが面白い。
2枚目以降の《オパールのモックス》や後半腐りがちな《虚空の杯》を捨てて、もっと良いものに変換できる。こういうエンチャントが活躍しているところを見ると、ニッチなカードマニアとしては思わず顔がほころぶというもの。
勝利手段はテゼレット、《ギラプールの霊気格子》、《イプヌの細流》をるつぼで投げ続ける、と多彩。対戦相手にあったものを選んで、牢獄に閉じ込めた後に勝たせてもらおう。個人的にはサイドボードの《取り憑かれた扉》なんてたまらないね。
手札が増えなくなり、お互いに現有戦力のみでの消耗戦に突入。されど自分は《世界のるつぼ》で......ずるいね! 《発明品の唸り》のおかげで、こういったシブいアーティファクトも活躍する機会を得てきたことが、マジック大好きおじさんとしては嬉しい限りなのだ。
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